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なんとかやめることができた
なんだって空手教室なんぞに通おうと思ったんだろう
あのときのわたしは何を思っていたんだろう
いまとなっては自分でもわからない
帰る途中、ふと思う
はやまっただろうか、と
けれど、空手教室から家に帰ってきて
荷物を置いた瞬間、思ったのは
もう行かなくていいんだあ
とそのことだった
ああ、そうかあ、そういうことなんだなあと理解したあのとき
つらくても学校に行かなければならなかった子どものころ
しかたがなかった、だって、子どもだからさ、と
大人になって、つらいんなら、離れてもいいと知る
ああ、そうかあ、そういうことなんだなあ
案外、簡単なことだなあ
やめるまではたいへんだけれど
そういえば、空手教室の先生から
年賀状らしきものが届いていたような
返事は出していないし、出すこともない
もう生徒でもなければ
先生でもないのだ




