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いらないとの条件だったけど、店主はお礼を用意していて
でも
―あまいのお好きでしたか?
―ええ、まあ
一転、受け取ることにした
にっひっひ
自然と顔がほころぶ、自分でもわかる
にっひっひ
店主もおんなじような笑顔を見せる
箱の中身は、あたたかな大判焼きがざっくざく
悪代官と越後屋が、かつて、そうしていたように
にっひっひ
わたしと店主はその大判に目を落とし
にっひっひ
互いの顔を見ては、ほくそ笑んだ
店主が用意してくれた熱いお茶とともに大判をおなかのなかにためていく
ざっくざっくためていく
にっひっひ
たべきれなかった大判をお土産にいただき、悪代官のわたしは大股で家路をゆく
大判がたっくさん沈み込んだおなかがちょっぴり苦しく、でも、紅潮した顔にあたる夜風を
気持ちいいと思ったのは、久しぶりのことだった




