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結局のところ店番は引き受けた
お礼については受け取らないということを条件に
お礼が何かはわからないけれど、なにかを授受するというのなら
それは仕事になってしまう、とわたしは考える
どんな簡単なことであっても、仕事となってしまうと
わたしのからだは拒否反応を示す
まったくもって難儀でままならない
ほんとうに短い時間だった
それならわたしに頼まず
その間だけでもお店を閉めておいてもよかったのではと思った
その短い時間に、来客はなかったけど、電話がふたつかかってきた
だから、わたしが店番をしたのでよかったのだろう
ふたつの電話のうち、ひとつはまちがい電話で
もうひとつは、店主が留守であることを伝えると
―また、かけなおすわあ
と名前を聞く前に切れてしまった




