表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
たまゆらのかたへ  ~ 和歌のひとひら  作者: くろっこ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/16

11 心あてに 儚き契りの帖

 しばしの沈黙の後、室内に残っていた侍女が障子の隙間から、か細い声を洩らした。

「姫君のまぶたがかすかに動いておいでです。峠は越えられました」

 「今宵がヤマ」と医師から言われた夕瑶さんが峠を越えたか。女房が右の障子を、朔臣が左の障子を開けた。通常、訪問先の家の障子を開けない。朔臣の胸に重く張りつめていた糸がほどけるように緩んだ様子が伝わった。


 皆が夕瑶に駆け寄ると、淡い息遣いが止まり、一呼吸おいて、まぶたがわずかに震えた。そして、ゆっくりと黒曜のような瞳を開けた。

「朔臣さん、皆さん、大切な夜に体調を崩して、心配をかけてしまってすみません」

「夕瑶さんの近くで、薬研の音を聞き、鈴の音を聞き、回復を待っていた。君の声が戻って来た。それだけで十分だ」

「私には見えていたの。あなたたちの名前をまだ聞いていなかったわね。何と言うの?」

 見えていた?

「香澄です」

「千紗です」

「朔臣さんは、香澄さんと千紗さんを連れて水盤へ行き、ドクゼリを見つけて来たわよね? 夢の中で見えたのよ」

 それは夢ではない。魂が体を離れていたのだろうか。それはそれで危険な状態だ。

「それから、目覚めた後の柚子生姜湯、おいしかった。香澄さん、ありがとう。あの味は、子供の時に風邪をひいて以来だったわ。懐かしくて、温かくて、おいしかった。ありがとう」

「どういたしまして」

 私が指示したのは見えていたのか? それとも縁側から聞こえたのか?



「あれを出して」

「かしこまりました」

 夕瑶から頼まれた女房は、戸棚から「黒漆螺鈿文筥くろうるしらでんふばこ」を出し、その間に夕瑶は侍女の手を借りて起き上がった。黒漆の下地に、沈金や蒔絵で月や露の文様もんようを施し、貝殻を薄く割いて漆面に嵌め込んだ木製の文箱は、品格と風雅を備えた落ち着いた装いだ。

 香澄が以前見た匡季の文箱は、旅に携帯しやすい柳筥で、本来の目的の文だけでなく、筆も入れていたが、これは机に置いて、文だけを入れるものだ。


 夕瑶は、女房から受け取った震える文筥の蓋を指先で撫で、視線を伏せたまま囁くように告げた。

「朔臣さん、この文筥は、本当は婚約の申し出を受けた折に渡そうと思っていたの」

 朔臣は胸のあたりがきゅうっと締め付けられるような感覚に襲われた。夕瑶の言葉は嬉しい。しかし、受け取れば、生きる目標を失ってしまうのではないか。渡す為に元気になって欲しい。朔臣は、ゆっくりと口を開く。

「婚約の件は、夕瑶さんが完全に快復してからだ。もっと元気に、また笑顔を見せてくれるなら、その時に受け取ろう」

 夕瑶は頬を朱に染めながらも、要求を諦めるつもりはない。

「今、してはもらえないの?」

 彼女がいることと、婚約者がいることは重みが違う。上京する前に確かな契りが欲しいのだろう。


 朔臣は、まさかのお願いに視線を障子にそらし、しばし言葉を探した。やがて覚悟を決めるように深く息を吐くと、そっと短冊を取り出し、筆を手にした。

「急ではあるが、和歌にて、君への誓いとする」

 墨の香りが漂う中、朔臣は一首を詠み上げる。

「君がため 螺鈿筥を 開くとき 手を携へて 誓ひたまはむ」


 夕瑶は瞳を潤ませて頷き、絹の裾で涙を拭い、黒漆螺鈿文筥を朔臣の前に差し出した。すると、朔臣は、そっと手に取り、朱の絹紐を解いて蓋を開いた。月光に照らされた螺鈿が淡くきらめいた。中身が空であることを確かめると短冊を折りたたんで筥へ収め、蓋を半ば開いたままにして、夕瑶の近くに置いた。

 夕瑶は布団に座したまま、文筥を見つめてから、筆を走らせた。

「契りし日 心に宿し 花の盛り 共に香らむ 誓ひたまはむ」

 いつもであれば千紗に意味を聞く香澄であるが、さすがにこのような場では聞かないし、聞けない。聞かなくても推測できる内容だったという理由もあるが。


 詠み終えた短冊を差し出された朔臣は、2枚の短冊を並べるようにして文筥へ入れて蓋を閉じようとした。

「待って。これも一緒に入れておいて」

 夕瑶は帯の奥から緋色の絹裂きれに包んだくしを取り出した。現れたのは小ぶりの角櫛だった。黒漆を幾重にも重ねた木地に、金銀の砂子で散らされた紅葉文が柔らかく浮かぶ。櫛歯は象牙、刃先が薄く透けるように磨かれ、月光を受けて淡い乳白の光を放つ。

「香澄さんが『上京を早く聞いていれば、これを私だと思って持っていて下さいと何か用意できたかもしれない』と言ったのを聞いて、何がいいかと悩んだの。どうか、そばに置いて、私を思い出してもらえたら嬉しいわ」

「櫛を見るたびに、必ず夕瑶さんを思い浮かべるよ。いや、夕瑶さんを思い浮かべるたびに、櫛を見ると言った方がいいか。都にいる間も変わらぬ心を・・」

 その言葉に小さく頷いた夕瑶から、再び絹裂に包んだ櫛を受け取ると、文筥へ入れて蓋を閉じ、朱の絹紐を結び、結び目を確かめる。これで2人の想いも結ばれた。


 朔臣は夕瑶の手を取って微笑み、穏やかな声で告げる。

親許おやゆるしは、のちほど父上に奏し、万端を整えて正式の縁としよう」

「ええ」

 黒漆螺鈿文筥は2人の和歌と櫛と共に2人の誓いを包み込み、夜を見守っていた。



 朔臣が静かに口を開いた。

「夕顔の宴の頃には戻るよ。その宵には、すだれ越しに幾重もの白い花が月光を映し、香りと筝の音がひとつになる」

「ええ、夕顔は夜明けとともにしぼむけれど、その一夜の間に私たちの時を刻んでくれる。また朔臣さんと寄り添える宵が楽しみだわ。父も招くから。皆で白い花を愛で、筝の調べを楽しもう。そして、その宴を経た後には、婚儀ね。金屏風の前で、束帯の朔臣さんと引き振袖に身を包んだ私が、両家の祝福に満ちた詞書ことばがきを交わすの。香澄さんと千紗さんも招待するから参列してね。今は難しいかもしれないけれど、香澄さんならきっと和歌を詠めるようになるはずだわ。その日までに詠めるようになって、祝詞のりとに彩を添えて欲しいの」

「えっ・・」

 1年あれば、それなりに詠めるようなるだろうけれど、結婚式で披露する基準となると・・。

「僕たちが手ほどきするよ。少しずつ言葉を紡いで、一緒に祝歌を奏でよう」

「はい」

 ここまで言われたら「和歌はわかりません」とは言えない。1年後までここにいるのはおかしい。ここは、あくまでも「こひのいとま」の中の世界だ。「しおり、しおり」で一度戻ってから、またページを開けば1年も待たなくて済むだろう。あれ? そうすると、私が和歌を学ぶ時間がないのか? 1年後から習うということで大丈夫なのか? 夕顔の宴から結婚式までどれくらいの期間が開くのかが問題だ。



 突然、夕瑶がふらりと書見台しょけんだいに寄りかかった。頬が急に青ざめ、呼吸が乱れている。夕瑶は、慌てて短冊を掴み、かすれた声で言った。

「朔臣さん・・、書かなくては・・」

 朔臣は、筆と墨を差し出した。


「まだ毒が!」

 香澄の声が響くと、女房と侍女も連動した。

「お薬を!」

「こちらです。お水もどうぞ!」

 侍女は「峠を越えられた」と言ったが、医師が言った「ヤマ」は越えられていなかったのか。


 夕瑶は、薬を飲む時間すら惜しむかのように拒み、鬼気迫る勢いで短冊に筆を走らせる。生への執着と死への覚悟が混ざりあっているのだろうか。薬を飲めとか、無理をするなとか言える人はいない。

 視界がぐらつき、手から短冊を落としそうになるのを朔臣が支えた。だが、書き上げたのかどうかわからない状態で短冊と筆を落とした。

「夕瑶さん!」

 朔臣が呼びかけてもまぶたを開けない。朔臣は、夕瑶をしばし見つめた末に、人目をはばかることなく、支えていた腕で抱きしめて唇を重ねた。

「まだ毒が残っているので離れて下さい!」

 香澄の声は朔臣の耳に届かない。しかし、夕瑶の耳には入ったようだ。愛する人を守るために最後の力を振りしぼるものの、男性の腕を解くにはあまりにも弱い。それでも、夕瑶が生きていることを伝えるには十分であった。朔臣は体を離し、夕瑶の顔を見ると、夕瑶は、いつものように柔らかく微笑んだ。

「・・・ありがとう」

 それが最後の言葉となり、再び目を閉じた。


 夕瑶の力が抜け、体重が一気にかかってきた。朔臣は、自分を守ろうとした夕瑶の優しさを忘れてはいない。接吻はせず、顔で頭を支え、腕で体を支えるだけで、最愛の女性のすべてを受け止めようとした。


「姫君がおつらい」

 侍女がつぶやいた。

「医師さまを」

 女房は悲しむよりも、次になすべきことの指示を出し、侍女が退室した。


 数時間前までは和歌を詠みあい、喧嘩して、仲直りして、結婚について語っていた男女なのに。運命とはわからないものだ。こういう時には、朔臣さんが納得できるまで放置した方がいいのだろうか。

「香澄、それを」

「うん」

 千紗は待ちかねたのか、短冊を指した。朔臣さんに渡せということか。実際、生前の体温に近いままでは腐敗が早まってしまう。冷却すべきなのに、抱きしめていては逆効果だ。


「これは最期に書かれたものです。薬を拒んでまで遺したかった想いです」

 香澄の声に朔臣が顔を上げると、香澄は短冊を両手で差し出して、涙をこらえながら続けた。

「伝えたかった一首をどうか胸に収めて下さい」

 朔臣が短冊を受け取り、詠み始めた。

「露の世に 契りしことの はかなさを 知るも知らぬも 月ぞ照らせ・・」

 「月ぞ照らせ」? いくら和歌がわからない私でも5・7・5・7・7はわかる。意図があって字足らずにしたのか? それとも短冊と筆を落としたくらいだから書けなかったのか・・。


「最後の1文字が読めない。『月ぞ照らせし』か『月ぞ照らせむ』か。どちらでも意味は通る。『照らせし』なら、過去の契りを月が見守っていたということ。『照らせむ』なら、これからも月が契りを照らし続けるということ」

「どちらなのでしょうか?」

 朔臣は短冊を見つめながら考える。

「どちらでもないな」

「どちらでもない? 字足らずですか?」

「違う。夕瑶なら『月ぞ照らせる』と詠んだはずだ。過去でも未来でもなく、今この瞬間も、契りは生きている。月は絶えず照らしていると、そう信じていたから『月ぞ照らせる』だ」

 「照らせし」か「照らせむ」かと二択で、「照らせる」を出すのはずるいよ。

「そうだろう。夕瑶さん?」

 朔臣は、誇らしげな顔で夕瑶を見た。


「もしかすると、あえて一文字を書かなかったのかもしれませんね」

「あえて書かなかったとは、どういう意味だ?」

「書かなくても私が考えていることはわかるだろうと、試してみたのではありませんか? そして、見事に正解したと・・。今頃、正解したのを見て喜んでいるでしょう」

「ああ、夕瑶さんなら、そういうことをしそうだ。夕瑶さんは少し変わっている女性だ。夕顔の季節になると、夕顔を見に来た近所の子供たちを『夜道は危ないから』と泊めて、湯を沸かし、膳を整え、物語を聞かせていた。近所でも有名だったんだ」

 それで、千紗と私にも泊っていくように誘ったのか。近所で有名なら、子供が帰らなければここにいると思うだろう。むしろ、泊まって来るねと言って家を出て来た可能性もある。貴族の家に泊るなんて平民の子からしたら楽しいだろうな。

「普通は夕顔を見に来た子を泊めませんね。でも、あの花のように咲いて、誰にでも香りを分けていたとも言えるでしょう」

「ああ、優しいだけでなく、寄り添える女性だった。夕瑶さんと婚約できたことを誇りに思う。この一首が彼女の命の灯。私が忘れぬ限り、月は照らし続ける」

 本当は間に合わなかったのだろう。試す余裕があるなら、短冊と筆を落とさずに置く。朔臣もわかっている。でも、そう思うより、試したとする方がいいだろう。



「どのような返歌で応えるのですか?」

 さらに朔臣を悲しみから遠ざけるかのように、今度は千紗が質問した。すると、朔臣は短冊を胸にあてて目を閉じて、夕瑶の辞世の句を詠んだ。

「露の世に 契りしことの はかなさを 知るも知らぬも 月ぞ照らせる」

 もう暗記しているのか。

「この句に答えるには・・」

 筆と短冊を持って書き始めた。書き終えたと思ったら、また書いている。


「照らされて 君の契りを 仰ぐ夜 露の世ながら 灯は消えずに」

「これは、月に照らされる私自身を詠んだものだ。契りが今もわたしを導いているという意味になる。慰めに近い、静かな受け止め方だ」


「露の世に 君が残せし 契りこそ 月の光に 永久とわをば見ゆれ」

「これは、契りを月の光の中に永遠のものとして受け止める誓いを詠んだものだ。2つ書いたが、契りは私の中では消えないからこそ、2つめを返歌として選ぶ」

「『見たり』や『見ゆる』ではなく、『見ゆれ』というところが、面影を探し続けているような余韻があって美しいです」

「『見たり』は完了で確定で『見えた』、『見ゆる』は終止で断定で『見える』、『見ゆれ』は已然で『見えてくる』だから詠嘆がある。その違いに気付くとは、さすが千紗だ」



 廊下から足音が近付いて来た。

「医師さまをお連れしました」

 侍女が障子を開け、医師が深く頭を下げて入って来る。香澄が医師のために下がって場所を開けた。

 医師は夕瑶の脈に触れ、瞼を持ち上げ、しばし沈黙した。そして、深く息を吐きながら、朔臣に向き直る。

「既に、息は絶えておられます」

 朔臣が頷いた。

「知っていました。でも、一度は意識を取り戻したのです」

「それは、いつ頃のことですか?」

「あなたがここを去ってすぐです」

「そうでしたか。それは・・時間的に柚子生姜湯のおかげかもしれません。柚子生姜湯は体を温め、気を巡らせる効果があります。それで一時的に気力を呼び戻したのかもしれません」

「本当に効いたのですか?」

 黙って聞いていた香澄が医師に尋ねた。

「あなたの手が届いたのでしょう。医師では及ばぬ心の力かもしれません」

 心の力と言えば、朔臣さんが口付けした時にも意識が戻って「ありがとう」と言っていた。でも、それは医師に言えないか。


「だが、今の現実を見ると・・」

 意識を取り戻したと言っても、それは医師が到着する前の話で、朔臣は横たわる夕瑶を見ると、否が応でも現実を直視させられる。

 医師は、夕瑶の顔に布をかけながら言葉を続けた。

「人は、命が尽きた時に終わるものではありません。その人を受け止める者がいる限り、命は残り続けます」

 僧侶であれば、もう少し深みがある言葉をかけてくれたかもしれない。だが、医師は、現代でこそ、死の宣告者であるものの、死は穢れであり、僧侶や陰陽師の領域だとされていた時代には、病の診立て役でしかなく、遺族への慰めの言葉を期待するのは難しかった。領域外と知っていて女房が医師を呼んだのは、万に一の望みを信じていたからかもしれない。


 香澄は目を伏せ、千紗は夕瑶の短冊を見つめる。医師は深く頭を下げた。

「今宵は冷えます。どうか、お身体をいたわって下さい」

 生きている者に対する医師としての配慮に、朔臣は短く頷いた。

「お越し下さり、ありがとうございました」

「姫君の御身に、私の手が及ばず・・・・痛恨の極みでございます」

 女房がお礼を言うと、医師が頭を下げた。そして、医師は立ち上がり、女房に導かれて障子の外へと去って行った。



 侍女が灯りを少し落とし、無言で髪を整える。場は、改めて死者を悼む空気に包まれた。

 沈黙を破ったのは朔臣だった。

「夕瑶さんが誰かを泊めて膳を整えていたように、私も誰かを迎えられるようにあらねばな」

「きっと姫君は新しい女性を・・と望んでいらっしゃるはずです」

 朔臣が誰かを迎えられるようにと言ったのは、夕顔を見に来た子を迎えられるようにという意味だ。この家の侍女であるならば、夕瑶が子供を迎えていたのを知っているはずなのに、新たな女性をと解釈してしまった。

「この場で、そのようなことを言うものではありません。姫君は婚約を交わした間柄なのです」

 戻って来た女房が侍女を叱咤した。

「それは生きている時の話です。殿には殿の人生が・・」

 侍女は引き下がらずに言い返した。

「そうです。生きている時の話です。それでも、不謹慎です」

「いいのです。あれは生きていられると思ってした婚約です。夕瑶さんならば、生きていられないと知っていたら、僕を束縛するようなことはしなかったはずです。夕瑶さんの近くにいたからこその発言でしょう。ただ、不謹慎と言えばそうとも言えます。でも、それは普通であればの話で、僕が上京するから、今でなければ言えないと思ったからでしょう。僕は構いませんし、夕瑶さんも咎めませんよ」

「では・・」

 自分ではなく、侍女を擁護された女房が言いかけて、やめた。不謹慎だと言った手前、別の女性を探さないのかとは言えない。

「だが、僕は新しい女性を探そうとは思いません。夕瑶さんの代わりなんて、どこにもいないのですから」

 朔臣は、温かい目で黒漆螺鈿文筥を見る。これから先の人生は、本人が決めることだ。もしかすると、今現在の考えと数年後の考えは違うかもしれない。それも含めて、周囲は意見をすることは自由でも、結論は本人が出すことだ。それゆえ、これ以上は女房も侍女も言わない。

 香澄は、常葉は待ち続けていたことを思い出したが、人は人である。朔臣が同じとは限らない。

前回、起承転結でなどと書き、序破急で終わらせる予定だったし、このまま書き終えようと思ったら、8千文字を超えました。私は1話4千文字を目安としていますから、少し長いけれど、予告どおり4話で終わらせられるならいいかと書き続け、現在13千文字を超えました。さすがに長いですよね。更新期間も開き過ぎですよね。7千文字分を投稿します。


朔臣と夕瑶は「心あてに」だけの登場人物です。どこの誰だかわからない人には心を動かされないものです。また、「優しい」と文字で書いてもわかりません。そこで、エピソードを積み重ねるうちに文字数が増えました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ