表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『スキルシェア・サバイバー』  作者: SM
第1章 見慣れない世界と「借りる」力
6/44

1.5 限界と可能性

しかし、その力はすぐに消え去った。緑色の光が消え、盛り上がっていた腕の筋肉も元に戻る。体から、急に力が抜けていくような感覚に襲われ、俺は膝から崩れ落ちそうになった。まるで、全力疾走した後のように、全身がだるい。


「スキルの持続時間が終了しました。現在のスキルレベルでは、一度に一つのスキルしか共有できません。また、持続時間も短いため、注意が必要です」


また、あの無機質な声が響く。なるほど、制限があるのか。一度に一つ、そして持続時間も短い。たった数秒の間に、岩石狼を倒すことができたが、もし相手が複数だったら、あるいはもっと強大な魔物だったら、どうなっていたかわからない。それでも、この力があれば、この世界で生きていけるかもしれない。絶望の淵から、一筋の光が差し込んだような気がした。


俺は、倒れた岩石狼を見つめた。こんな魔物を、たった一撃で倒せるなんて。信じられない。このスキルは、確かに地味かもしれないけれど、使い方次第では、とんでもない力を発揮する。重要なのは、誰のスキルを借りるか、そして、そのスキルをどう使うか、ということだ。


「よし……」


俺は立ち上がり、ローブの埃を払った。まだ不安は尽きないが、目の前の危機を乗り越えられたことで、少しだけ自信が湧いてきた。この世界で、俺は一人ではない。俺には、スキルシェアという能力がある。そして、その能力を使って、誰かの力を借りることができる。それは、俺にとって、大きな希望だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ