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暗光の操拳者  作者: Happy Banana
セイノール編
3/5

セイノール大学校

「そろそろ到着しますよ」


目的地であろう建築物が見えてきた。

まるでおとぎ話のようなきらびやかな先程の城とは違い、

黒を基調とした歴史を感じるものだ。

城というより大聖堂といわれる方がしっくりくる。


うお、やっぱぁでけぇな…


ここまでくるまでに散々驚いてばっかりいたセルディックだが、

まだ感動するくらい立派であった。


「校内は私が案内しますねぇ」

「え、関係者なんすか?」


ダンディールは微笑みながら頷いた


「まぁこの学校については、後に校長直々にお話があると思うので今は私にただついてきてくださいねぇ」


学校専門の御者とかなのか?

てか、このダンディールとかいうやつの空拳が見当たらねーんだけど、、、


セルディックの中でフード付きのマントを被っているこの男へ不信感少し強まった


マントの下にでも隠してんのかな……

でも隠す意味とかあるんのか?もしかしたら隠すのが常識だったりして、、、

俺いつもプカプカ浮かしたままだぞ



2人はようやく敷地内に入り、大聖堂のような校舎の正門横に馬車を停めて校舎内に入った。


「外から見たイメージと違って中はきれいでしょう?」


ダンディールのいう通り、

だだっ広いエントランスの内装は相当美しく保たれており、繊細な造りが施されている

流石名門校というところだろう

意外と掃除好きなセルディックにとっては、なおさら良くみえる


「生徒はどこにいるの?」


とはいえ流石に数百人いてもまだその広さが感じられるであろう空間に、2人だけなのは気味が悪かった


「今は、ちょうど授業中ですねぇ

ここは憩いの場として、授業が終わった後は生徒たちであふれかえっているんですよ」


おぉ、青春だ!!


セルディックのテンションがあがる


「とりあえず最初はそこの中央階段をずっと登った先にある校長室へ挨拶に行かなくてはいけませんので向かいましょう」


2人は最上階にある校長室へと足を運んだ。






ここが校長室か、、、


荘厳なふたつの扉が構えてある

その上には一つの言葉が額縁で飾ってあった


『己に従え

    ただ振り向くことなかれーーー』


一瞬目にはいっただけだったが、なんとなくセルディックの心に残った


ダンディールがノックを三回すると部屋のなかから年配の声がした。


やっぱ校長はじいちゃんだよな、うんイメージ通り!


扉を開けるとそこにはなかなかの老人が座っていた


「おぬしがセルディックかのう

そこに座りなはれ」


言われたままに座るとまずセルディックはその老人の空拳を探した


あ、あった…ッ


予想に反して隠す気配もない2つ空拳は机上にあった


灰色の手と鬼のような真っ赤な手だった。


その手を見たまま驚いているセルディックに向かって、校長が口を開いた


「お主何も聞いてないのか、、

まぁよい、自己紹介をしよう

わしはダンディール·キプソン。

お前さんと同じ神ノ間を持つものの1人じゃ。

わしもお主のように本来とは異なる姿の空拳じゃから見て分かるじゃろうが」


え…空拳って俺みたいにみんな模様が入ってるもんじゃないの、、、?

そういえば、クロノスの空拳にも模様があったよな………


セルディックは困惑した


おいおいクロノスが神ノ間持ちなんて聞いてないぞ。

後でぜってぇ問い詰めやる


「その様子だと、あのお方からそのことは教わってないようだな」


キプソンは眉をひそめた


「まぁよい、後々授業で教わるじゃろうから気にするでない

とりあえずこれからのことについっ」


ちょっとまてぇい!!


セルディックが叫んだ


「な、なんじゃ一体」

「あんたダンディールって言ったよな、てことはこのフード男と家族ってことか?」


あぶねぇ、空拳につられて聞き逃すとこだったわ


「そ、それも聞いてないのかお主……………

なぜそれを言わない!アルバトロスよ、、、」


視線をアルバトロスの方へ向ける


「いいサプライズになるかと思いましてねぇ

ビックリしてくれたでしょうか、セルディック君」


またまた微笑みながら言った


「はぁ、、まぁよい

孫のダンディール·アルバトロスじゃ。

また彼も神ノ間を持っている者の1人じゃ。

どーせ聞いてないじゃろうから言うが」


おいおいどーなってんだ、俺の周り神ノ間ばっかじゃねーかよ

まったく希少価値が感じねーよ!


「まぁよい、本題に戻ろう

お主はこれから我が校の生徒に混じって授業を受ける前に1週間、

アルバトロスからある程度基礎を教わってもらうつもりじゃ

よろしく頼むぞ、アルバトロス」

「承知致しました、校長」


言われてみれば少しキプソンの面影を感じるセルディックの担当教官は深くお辞儀した


「それでは、私どもは失礼いたします」


そういって去ろうとすると


「ちょっと待て

この1週間はここの生徒の誰にもセルディックは会わせないようにしなされ

まだこの学校に神ノ間持ちがくるなんて儂ら以外ほとんど知らないんだからな」


「分かりました」


もういい加減普通の人間に会わせてくれよ…



そうしてセルディックの学校生活は幕を開けた













しかしあのお方が動こうとするなんて、相当事態は深刻なようじゃな。


直に嵐がくるじゃろうな、それまでに彼を育て上げることが儂の使命というものじゃ。

神ノ間の中でも異質な彼は必ず今後の鍵になるじゃろう。



ライン·セルディックよ、己に従え。そして振り向くなよ。



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