出師水都のQ&Aコーナー1
水都=水
二千花=二
水「ここでは新人占い師のよくある疑問や悩みに答えていくよ。本編に入らなかったけど重要な部分だから、ぜひ読み飛ばさずに参考にしてほしい。だいぶぶっちゃけた話をするから、占い師じゃなくても参考になるはずだ。というわけで今日のパートナーは、牛房二千花さんです!」
二「よ、よろしくお願いいたします」
水「はいよろしく。いつも通りにな」
二「分かりました」
水「二千花は独学で学んできたわけだけど、独学ならではの悩みは多かったんじゃない?」
二「そうですね。タロットを買ったはいいですが、何から始めるべきか分からなくて、動き出すのに時間がかかりました」
水「まあ何事も一歩目が難しいもんな。二千花はアルカナの意味を覚えることから始めたんじゃないか?」
二「相変わらずよく見抜きますね…………。最初はそうしていたのですが、嫌になりそうで本を読みながらリーディングすることにしました」
水「それ正解。よく英単語を覚えるかのようにキーワードを覚えることから始める人がいるけど、これはマジでオススメしない」
二「なぜですか?」
水「一つのアルカナから読み取れるキーワードは、少なく見ても二十個ほど。これが七十八枚で千五百六十個。逆位置も含めたら倍の三千百二十個。高校受験レベルだよね」
二「そう言われるととんでもないですね」
水「でも実際に使うワードって二十個もないでしょ? それにワードが先行すると、イメージから創造することができなくなってしまうんだ。だから実はキーワードを暗記するというのは、占い師としての可能性を狭めることに繋がるんだよ」
二「暗記自体がよくないんですね」
水「というより、勉強って考え方がまずよくない。勉強するのはある程度マスターしてからで、まずは経験を積むのが大事なんだよ。とりあえずカードを引いて本を参考にしながらリーディングをする。この繰り返しだけでいいんだ。サッカーの蹴り方を座学で覚えるより、とりあえず何回も蹴るのと同じだよ」
二「水都さんって例えがうまいですよね」
水「イメージ化のことだね。ここは大事なところだからまた今度話すけど、占い師のリーディングは感覚的なところが多い。それを言語で等しく伝えるのってかなり難しいんだ。例えはそれが最も伝わりやすい表現なんだよ」
二「勉強になります。私は説明が硬いので、例えを使えるようになりたいですね」
水「この辺はまた詳しく説明するね」
二「お願いします。あ、そういえば、一つ聞きたかったことがありました」
水「おお、まさにそういうのを待っていた」
二「前にインターネットで仲良くなりかけた占い師仲間がいたんです。私より占いがうまくて教えを請おうと思ったんですけど、その……いろいろと合わなくて」
水「もしかして、やり方が押し付けがましかったとか?」
二「はい…………水都さんや乙羽さん、夢義さんと話していると、いかに自分の占いが未熟なのかを痛感します。贅沢を言わず、吸収するべきところは吸収するべきでしたでしょうか?」
水「うーん、正しく情報の取捨選択ができるなら、その考えも大切だね。でも前提として、占い師は千差万別なんだ。占い師の数だけやり方があり、正しいやり方なんてものはない。思うにその人には、師匠みたいな人がいたんじゃないか?」
二「いました! 師匠が師匠がって、その人の占いじゃないみたいに」
水「ウォッシュシャッフルの時にも触れたけど、一般的には右回りに混ぜるものだと言われている。でもそんな決まりはない。事実、左回りでも当たる占い師を僕は知っているしね」
二「そういえば水都さんは好きにすればいいっておっしゃってましたね。やり方を否定されたこともなかったです」
水「僕は個人的に、新人が占い講座を受けることには否定的なんだ。先生が押し付けないタイプだったとしても、新人からするとその人の考えや価値観がすべてだと思っちゃうからね。一方で、信頼できると思える占い師を探すことが講座探しには重要だ。講座ってお金がかかるからな。何十万の講座が無駄とは言わないけど、非効率な場合が多いことも普通にある。考え方や占いの仕方などが合っている占い師に師事するのがいい」
二「なるほど。信頼できる占い師に教えてもらうべきだけど、それは盲信に繋がりやすいと」
水「占いは考え方がすごい大事だから、ある程度同じ方向を向いている必要がある。でも自分を確立する必要があるから、全く同じじゃダメ。二千花は盲信しちゃうタイプだと思うし」
二「否定はできません。指針がほしいんですよね」
水「僕のやり方は、その人の思考や占い傾向に合った考え方を教えているにすぎない。占いはその人の考えや性格が反映しやすいから、長所を伸ばすようなやり方が一番だと思っている」
二「そんなやり方をしている人はいるんですか?」
水「あまりいないだろうねえ。人の性格を読むことはともかく、思考の癖を読むのはかなり難しい。そもそも教える人は自分のやり方や考え方しか知らないから、他人のやり方や考え方に沿った教え方なんて知らないんだよ」
二「…………あれ、自慢コーナーですか?」
水「君も言うようになったね(笑)」
二「恐縮です」
水「とりあえずアドバイスをするなら、先生が教えるのはあくまで一例であり、正しいやり方なんてものはないから、最終的には自分で見つける必要があるってことかな。講座は、考え方のきっかけを探すためのものくらいの認識がちょうどいいんだよ。優れた講師はその前提をかなり強調しているよ。本でも強調しているものはけっこうある」
二「では、逆にその前提がない講師はオススメできないということですね?」
水「うん。それって見方を変えると、占い相談者に正しさを押し付けるのと変わらないしね」
二「言われてみればそうですね。人生にも正しいことはたくさんありますし、何が正しいかなんてやってみなければ分からないですから」
水「そういうこと」
二「水都さんは占い師として成長するために、何が一番大事だと思いますか?」
水「良い質問だ。僕の考えは、占い師としての自分を知ることだね。占いってどこまでいっても抽象的で、具体や根拠の提示は難しい。だからこそ、占い師としての確立が大事なんだ」
二「一貫性を持たせるということですか?」
水「その認識で合っているよ。一貫性を持たせるには、自分の占いの長所が何で、どういう信念や考えをもって占い師をしているかを理解している必要がある。さっきも言ったけど、占い結果の傾向って、占い師の考えや性格に寄りやすいんだ。だから占いの質を高めるのにも重要なことなんだよ」
二「それで言うと水都さんは、相談者の性格や思考を読むのが得意ということですか?」
水「正解。人の行動ってパターン化しやすいからね。パターンの中のマイナスを軽減したり除去したりできれば、必然と良い結果を生み出しやすくなるって感じかな」
二「いろんな占い師がいるんですね。現状を当ててアドバイスをすることが占いだと思っていました」
水「現状を当てるのって、占い師として信用をしてもらうことには重要な要素だけど、相談者からすればあまり意味がないんだよ。だって現状が分かっていて困っているから相談に来るわけだし」
二「言われてみれば確かに」
水「アドバイスも大半の占い師は一般論しか言わないしね」
二「やっぱり偽物の占い師って多いんですか?」
水「多いよ。この辺も話すと長くなるから別の機会に話すよ」
二「だいぶぶっちゃけていますけど、大丈夫ですか?」
水「逆に聞くけど、綺麗事ばかりを言う占い師って信用できる?」
二「…………できませんね。水都さんって変わり者だと言われません?」
水「さすがに直接言われたことはないけど、偽物からは嫌われるね(笑)。自分が占い師として異端だという自覚もあるよ」
二「でもそれが水都さんの占い師としての信念なんですね」
水「お、分かってきたじゃないか」
二「そういうところが、私たちが信用している理由なのかもしれません」
水「ああ、それはよく言われる。ていうか君が素直に褒めるのって珍しいね」
二「デリカシーがないところは嫌いです」
水「………………………………さ、というわけで、今回のQ&Aコーナーは以上とします!」
二「(逃げた)」
水「あくまで今回の内容は僕個人の考えだから、これが正しいと言うつもりはない。ただし、正しいは人それぞれでも、明らかに間違いなことは少なからずあるものだ。占い師のみんなは、何が正しくて何が間違いなのかをきちんと見極めてほしい」
二「占いをしていく中で見つけていくのでいいんですよね?」
水「もちろんだ。そして占い師としてどうしていくのかも、模索しながら歩んでほしい。企業に務めながらキャリアを考えるのと同じだな。別にお金を稼ぐのが目的でも構わない」
二「私も見つけていきたいです」
水「ちゃんと考えられる君ならできるさ。では次回もお楽しみに!」
二「ここまで読んでくださってありがとうございました。引き続き、『占い喫茶〈フールー〉』をよろしくお願いいたします」
水「しっかりしているなあ」
二「水都さんはたまに抜けていますからね」
水「(しっかりしてきたなあ)」
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