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あなたの『謎』、聞きます  作者: 佳景(かけい)
第2話 遺書
13/62

―13―

 翌日。

 

 目を覚ました私が、枕元に置いていたスマートフォンで時間を確認すると、九時近くだった。


 ぼんやりしていた頭がだんだんはっきりしてきて、「正月に実家に帰るべきか」という問題が私の心を重くしたけど、まだ時間はあるし、とりあえずは保留にしておこう。


 それよりも、にゃん三郎のご飯の方が大事だ。


 いつもは七時くらいにご飯をあげているのに、うっかり目覚ましをかけ忘れて寝てしまったみたいだから、きっとお腹を空かせているに違いない。


 私はロフトベッドの隅に置いておいた着る毛布に包まると、いそいそと階段を下りた。


 にゃん三郎は物音で私が起きたことに気付いたみたいで、電源の入っていない炬燵から出てくる。


 冬の間は炬燵がお気に入りで、暖かくなくてもここにいることが多かった。


 夜の間もエアコンは付けっ放しだから、部屋中暖かいけど、炬燵布団があるところがいいのかも知れない。


「おはよう。すぐにご飯にするね」


 にゃん三郎は「にゃー」と一鳴きすると、キッチンに入って行った。


 人間の言葉は話せなくても、人間の言葉はある程度わかっているみたいだ。


 特に「ご飯」や「おやつ」のことはよくわかっているみたいで、この言葉を出すと、いつもさっとエサ皿の方へ行った。


 私はキッチンの戸棚からキャットフードを取り出して、にゃん三郎に朝ご飯をあげると、ルイボスティーとトーストだけの朝ご飯を簡単に済ませる。


 元々ルイボスティーはあまり好きではなかったのだけど、この間友達に会ったら、お茶になんて興味がなかったその子が急にお茶にハマっていて、その子に勧められて飲み始めた。


 何でもルイボスティーは美容にいいし、冷え性にも効果があるらしい。


 試しに気になったお茶をいくつか飲んでみることにしたのだけど、まだ飲み始めて二週間くらいなのに、前程手足が冷えなくなった。


 フレーバーの種類が豊富だから、その日の気分で毎日違うお茶を楽しめるし、果物や花の香りがとてもいいところも気に入っている。

 

 今朝はレモンフレーバーだ。

 

 爽やかな香りで、朝にぴったりだと思う。

 

 私は朝食の後片付けをすると、パジャマから部屋着に着替えて、ドレッサーの前で簡単にスキンケアを済ませた。


 特別なことは何もしていないけど、肌の保湿と紫外線対策だけは欠かさないようにしている。


 私は「似たような人が知り合いにいる」とよく言われるくらい平凡な顔立ちだから、せめて肌くらいは少しでも綺麗に整えておきたかった。


 今のところ気になる人はいないけど、いつそういう人に出会うかわからない。


 私は髪の毛を梳かし終えると、ドレッサーに置いていたスマートフォンのロックを解除した。


 今日は特に予定がないから、『愚痴聞き屋』をするために例のアプリを開いてみる。


 すると、予約を希望するお客さんからメッセージが届いていた。


 名前は『たけちゃん』さん。


 今日の十四時から、十分の予約を入れたいらしい。


 私はお客さんに「この度は、ご利用ありがとうございます。十四時にご連絡しますので、よろしくお願い致します」というメッセージを送り返した。






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