66. 金色の魔王VSレスター王国軍(2)
レスター王国軍を、失禁失神再起不可能状態に追いやった俺は、上空から失神しなかったレスター王国軍の人数を数える。
失神しなかったレスター王国軍の人数は、40人。
シロが想定してた人数より、かなり少ない。
多分、残ったのは、良い装備を付けていたであろうレスター王国の王子と、聖女と、他国のS級冒険者。
それから、レスター王国軍の中でもレベルが高い者達であろう。
要するに、強者が残ったという訳だ。
俺は試しに、上空から第4階位火属性魔法メテオアタックを放ってみる。
ドッカーーン!
メテオアタックは、盛大に生き残ったレスター王国軍に当たったように見えた。
しかし、ヒットする直前に、S級パーティーの誰かが結界を張ったのか、レスター王国軍の生き残りは、誰一人も死んでいなかった。
まあ、S級パーティーがいれば、第4階位魔法ぐらいは防御するよな……。最初から殺す気ないし、防御されるのが分かってて放ったのだけど。
兎に角、S級冒険者パーティーの実力は分かった。
俺は、反撃される前に、とっととシロ達の元に戻る。
「ご主人様、かっこいいです!キラリと光り輝く真っ白な歯が、何時でも見えるなんて素敵です!」
「そこね……」
シロの言葉に若干引きながらも、少し嬉しく感じてしまう自分がいる。
喜んで貰えたなら、皮を引き剥がしたのも報われるというものだ。
しかし、これ治るのか?
治ると信じよう。
まあ、もし、治らなかったとしても、どうせ進化したら治るんだし……それまでの我慢だ……。
「クソォー!! 俺の皮を返しやがれぇぇーー!」
俺は思わず叫んでしまう。
やはり、気にしないでおこうとしても、悲しいものは悲しいのだ。
冷静になるんだ俺。
やっと手に入れた皮が、少し無くなっただけだ。
そう……少しだけ。
考えてたら、めっちゃ涙が出て来た。
血肉が通ってないから、そんな感じがしただけだけど……。
兎に角、現在、作戦通りに進んでいる。
実際、作戦以上と言っても良い。
皮を犠牲にして……。
忘れろ!
皮の事を忘れるんだ!
今は、戦争の最中なんだぞ!
兎に角、目の前の事に集中しよう。
シロの計算だと、俺の不快な叫び声に耐えれるレスター王国兵は150人程と言ってたのに、40人しか残っていないのだ。
まあ、40人しかいなければ、余裕であろう。
なんせ俺は、1万人の魔王軍の精鋭部隊を倒した男なのだ。
S級冒険者と言っても、女悪魔スルトよりは弱い筈だし。
とは言っても、慎重な俺は、準備を怠らない。
「シロ、戦闘モードだ! 人化を解いて、アラクネモードになれ!」
「嫌だよ! 僕、人化した状態で戦うよ!
ご主人様も、人化した僕の方が好きでしょ!」
シロが、俺の命令を拒否してきた。
確かに、下半身が蜘蛛のシロより、人化してるシロの方が好きだが、それはそれだ。
「駄目です!アラクネモードの方が攻撃力が高いんだから、ワガママ言ってはいけませんよ!」
俺は教育ママのように、シロに注意する。
「エェェ~」
シロは、聞く耳を持たない。
俺は、シロの事を思って言っているのに。
やっぱり、ちゃんと説明しないといけないのか。
「あのなシロ、もし、人化したお前が、俺の仲間と知れてみろ、これから好き勝手にダンジョンから出れなくなるぞ!」
「別にいいよ。僕、そんなに地上に憧れないし」
「お前になくても、俺はあるんだよ!
もし、肉が付いて人型になれたら、俺は地上にも出たいんだよ!
その時、お前の正体がアラクネとバレていたら、一緒に外を歩きにくいだろ!」
「アッ! そういう事だったんだね!
ご主人様は、僕と一緒に、ダンジョンの外にデート行きたかったんだ!
それなら、アラクネに戻るよ!」
なんかよく分からないが、納得してくれたようだ。
まあ、兎に角これで準備はできた。
後は、レスター王国軍をやっつけるだけだ。
俺は、シロを前衛。オリ姫を盾にactチェンジさせて、レスター王国軍の元に向かう。
「フフフフフ……これで俺は、絶対に負ける事などない。
なんせ、オリ姫の防御力は15000。
どんな攻撃を受けても、全部弾いてしまうのだ!」
「ご主人様……女の子を、前衛や盾に使うのって、あまり褒められたものじゃないから、そんな自信満々に、僕以外の人間に言わない方がいいですよ……」
「安心しろ! 今の俺の言葉は骨語だから、人間には分からないのだ!」
「そこですか……」
どうやら、流石のシロも、俺の鬼畜っぶりに呆れたようである。
「でも、僕は、そんな鬼畜っぽいご主人様が、大好きですけど」
まあ、そうでも無かったみたいである。
そんな感じで話しながら歩いていると、平原の1箇所に固まって、此方の様子を注意深く伺っているレスター王国軍が見えてきたのであった。
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