58. オリ姫ソード
次の日の朝。
俺の隣で、シロは、可愛らしいネグリジェを着て、無駄にデカいオクタプルベッドで寝息を立てていた。
相当、昨日は疲れたのであろう。
断っておくが、俺とイヤラシイ事をしてた訳ではない。
俺は、見た目 悪そうなリッチーだが、幼女を襲うような鬼畜な悪人では無いのだ。
昨日、シロは、何百種類もの服やネグリジェを作って、俺の前で、ずっとファションショーをしていた。
最初は、パンティーとかも作っていたのだが、アラクネに戻った時、酷い事になると気付いたのか、パンティーを履くのは諦めたみたいだ。
なので、シロは基本ノーパン。
今日も、シロはネグリジェだけしか身に着けていない。
そしてどうやら、服のタイプも全てワンピースに統一したようだ。
人化からアラクネに戻った時、ワンピースがしっくりくるみたいで、色々なデザインのワンピースを何百着も作っていた。
それにしても、こんなに服を作って、いつ着るのだろう。
まあ、いつも素っ裸だったから気付かなかったが、本来は可愛い服に興味があったのかもしれない。
結構、冒険者に服を作ってやってたみたいだし。
「アッ……ご主人様、おはようございます。スグに朝食を作りますね」
そうこうしてると、シロが目を覚ました。
初めて見たが、シロの寝起きの顔は結構可愛らしい。
多分、大人になったら、とんでもない美人さんになるだろう。
そんな事を考えてたら、オリ姫がピョンピョン飛び跳ねながらやって来た。
どうやら、進化が終わったようである。
オリ姫は、進化すると、ネームドオリハルコンスライムから、オリハルコンスライムact1になると、鑑定に出ていたが、見た目は何処も変わっていないようである。
取り敢えず、鑑定でステータスを見てみる。
名前: オリ姫
種族: オリハルコンスライムact1Lv.1
称号: シロの妹分、お喋りしたいスライム
魔法: 第2階位光属性魔法、第2階位火属性魔法
力 3000
防御力 15000
素早さ 10000
HP 5000
MP 250
Lv.1になった事で、第4階位魔法から、第2階位魔法しか使えなくなった事以外、どこも変わっていない。
もしや、人語を喋れるようになってるのか?
「オリ姫、何か変わった所はあるか?」
俺は期待を込めて、聞いてみる。
「キュイ!」
どうやら、人語は喋れないらしいが、身体が柔らかくなったとの事だ。
確かにオリ姫は、スライムの癖に、それほど身体が柔らかくなかった。
モーニングスターになっても、二つの触覚がチョコっと出るだけだったのだ。
「よし! オリ姫、モーニングスターになってみろ!」
「キュイ!」
オリ姫は、ヤバイくらい鋭い棘をたくさん生やしたモーニングスターになってしまった。
「これはヤバイな……こんなのに当たったら、身体に穴があくぞ……」
多分、オリハルコンスライムact1のモーニングスターに当たってたら、女悪魔スルトは絶対に死んでいたであろう。アイツ、オリ姫が進化前で助かったな。
というか、これなら、オリ姫は何にでも擬態できるのではないのか?
「オリ姫、こんな剣に擬態できるか?」
俺は、魔法の鞄の中から愛用の剣を取り出して、オリ姫に見せる。
「キュイ!」
オリ姫は、見事に、俺の愛用の剣と同じ形になった。
というか、この剣ヤバイだろ……。
現在、オリハルコンの剣は、この世界に、ただ一本しかないと言われている。
その名も聖剣エクスカリバー。
魔王を討ち滅ぼす剣だと言われている。
現在は、ハルマン王都の中央公園にある岩に突き刺さっていて、その剣を抜いた者が次代の勇者と認定されるのだ。
まあしかし、オリ姫が擬態した剣も、聖剣エクスカリバーと同じオリハルコン製。
もしかしたら、聖剣エクスカリバーより、オリハルコンの純度が高いかもしれない。
勿論、俺も勇者であるから、オリハルコンの剣を持っててもおかしくないし、持つ権利がある筈だ。
ん? そしたら、猫の勇者のミーナも持つ権利が有るんじゃないのかって?
まあ、持てるとは思うけど、はたして猫の肉球で剣が持てるか疑問だけれども……。
取り敢えず、俺は、オリ姫ソードを試してみたい。
俺は、急いで朝食を食べ、ミスリルスライムがいる坑道に向かった。
「ご主人様! 何をするつもりですか?
レベル上げだったら、第29階層の方が良いのでは?」
坑道に着くと、シロが不思議に思ったのか質問してきた。
「まあ、見てろよ!」
俺はカッコ良く返事をする。
そして、
「オリ姫! actチェンジ、オリ姫ソード!」
と、カッコ良く叫ぶ。
すると、オリ姫は、坑道に来る途中に打ち合わせした通りに、日本刀のような刀に体の形態を変えた。
そして俺は、オリ姫ソードの柄の部分を握り、目の前にいたミスリルスライムに斬り掛かる。
「ウオリャァァァーー!!」
俺は実を言うと、日本人だった時、ソードアート・オ〇ラインのキ〇トを真似て、いつでも異世界転生出来るように、剣道を習っていたのだ。
勿論、冒険者時代は、全く忘れていたので無駄だったけど。
そして、今の俺は、スケルトン時代とは違う。
スケルトンだった時は、筋力が無さすぎて上手く剣を振れなかった。
しかし、今の俺はリッチーになり、空を飛べるほど魔力操作がパワーアップし、一応、皮付きになったので、力も少しは付いている。
尚且つ、素早さも、歩いてる訳では無いのでソコソコ早い。
俺も、そろそろ残念勇者から卒業する時なのだ!
「必殺、勇者斬り!!」
ズダダダダダァァァァァーーン!!
ミスリルスライムは、真っ二つにスライスされ、ミスリルスライムの後ろにあったデッカイ岩まで、真っ二つに見事に割れた。
「ご主人様! 凄いです! ご主人様らしくありません!」
シロが、とても失礼な事を言ってくる。
俺は元々は、できる子なのに。
そもそも俺が何故、神様に魔法使いでも、武道家でも、賢者でもなく、勇者にしてもらったと思っているのだ?
それは俺が、剣道3級の腕前で、そこそこ剣術に自信があったからなのだ。
ん? 剣道3級は、微妙だって?
バカヤロー!
剣道3段とか取れてしまうような運動神経いい奴は、
そもそも、トラックなんかに轢かれないんだよ!
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