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51. 鳥の唐揚げ

 

 次の日。

 俺は、なんとかシロを説得して、拠点のログハウスに帰っていた。


「大変です! ご主人様! 家の中に猫がいます!」


 俺がオクタブルベッドで寝てると、黒猫を持ったシロがやって来た。


「あっそれ、多分、ミーナだから」


 俺は、そう言ってから再び寝た。


「チョット、どういう事ですか!? ご主人様!」


 シロは、俺を激しく揺さぶってくる。


「ニャーニャー」


 黒猫になったミーナも、俺の耳元でなんか鳴いている。


「はぁ……だから、その黒猫はミーナで、猫に進化したんだよ」


 俺は仕方が無いので起き上がり、黒猫になったミーナをモフモフしながら、シロに説明した。


「えっ……! 一体どういう事ですか?

 全く意味が分からないんですけど??」


「だから、ミーナをスーパーキャットに進化させたんだよ」


「スーパーキャット?」


「そう、スーパーキャット。

 なんでも、猫の勇者らしいぞ」


「猫なのに、勇者なんですか?」


「そうそう。猫耳族だった時より、可愛らしいだろ」


「確かに、猫耳族だった時は、僕よりオッパイ大きくて憎たらしかったけど、

 確かに、今は可愛らしいですね」


「シロもそう思うか。そうだよな。

 猫耳族だった時は、拝金主義のグータラで、尚且つ、オッパイもイジらせてくれない駄目猫だったもんな」


「そうですよ! ご主人様の奴隷の癖に、性奉仕もしない駄目奴隷でした!」


 シロも俺の話に乗ってくる。


「ウンウン、シロはよく分かってるな!」


「僕は、ご主人様の一番の下僕ですからね!」


 シロは、嬉しそうに答える。


「そして、今のミーナを見てみろ!

 どれだけダラダラしてても可愛らしいだけだし、どれだけ体をイジり倒しても文句一つ言わないのだぞ。

 逆に気持ち良さそうだしな」


「ニャ~」


 ミーナも、俺に色んな所を弄られて気持ち良さそうだ。


「そうですね! 今のミーナさんには、全く嫌な感情が湧きません!」


 シロが、初めて年上のミーナを、さん付けで呼んだ。

 というか、猫を、さん付けで呼ぶのも、チョットおかしい気もするが。


 それはさておき、早速、ミーナのステータスを確認してみる。


 名前: ミーナ Lv.1

 種族: スーパーキャット

 職種: シーフ

 称号: グータラ過ぎて、猫にされてしまった猫耳族。

 スキル: 聞き耳、探索、スーパー状態異常耐性

 魔法: 第一階位光属性魔法、第一階位土属性魔法

 力 120

 素早さ 1100

 HP 120

 MP 750


 残念な称号が付いてるけど、めっちゃ凄くなってる。

 おっ! 一応、勇者だから光属性魔法が使えるのか?

 素早さも、Lv.1から1000越えだし。

 これは、相当戦力になるんじゃないか?

 自由気ままな猫が、俺の言う事を聞いてくれるか分かんないけど……。


「まあ、いいか!」


 可愛いは、正義なのだ。

 ミーナは、俺を癒してくれたら、それで十分なのだ。


 俺はミーナをモフモフしながら、頬ずりした。


「ニャ~!」


「ん? お腹が空いたのか?

 大丈夫でちゅよ~! シロが、 新鮮なミルクを用意しまちゅからね~」


 俺は、シロに、ミルクを持ってこいと目配せする。


「ご主人様は肉しか食べないので、用意してないですけど?」


「そしたら、冒険者から奪ってこい!」


「ミルクを持ち歩いてる冒険者なんて居ませんよ!」


 シロが、正論を返してきた。

 確かに、ミルクを持ち運んでる冒険者なんて聞いた事がない。

 しかし、ここは押し切る事にする。


「ミーナが、ミルクを飲みたがってるんだよ!

 俺の一番の下僕なら何とかしろ!」


「何で、僕が、ミーナさんのミルクを冒険者さんから貰ってこないといけないんですか?

 僕の方が、ミーナさんより序列が高いと思ってたのに……」


 シロは何か、不満が有りそうである。

 しかし俺は主人で、シロは下僕。

 下僕に言うことを聞かせるのも、主人の務め!

 ここは、強く言う所だ。


「お前は、俺専属の調達係では無かったのか?

 欲しい物があれば、何でも言って下さいと言ってたのは、嘘偽りだったのか?」


 俺は、前に、シロが自慢げに俺に言ってた言葉を、そのまま返してやる。


「嘘じゃ無いですよ! 行って来ますよ。行けばいいんでしょ!

 僕はご主人様の下僕ですからね!

 ミルク以外に、何か欲しい物は有りますか! 序でに、貰ってきますから!」


 シロは不貞腐れ気味に答えたが、仕事はしっかりやるようである。

 なんやかんや言って、シロは俺の命令に従順なのだ。


「そうだな……ビールが欲しいな!

 それから、鶏肉と生姜とニンニクと植物油と胡椒を、何としても手に入れろ!

 俺は、ビールのお供に、鶏の唐揚げが食べたいんだ!」


「鶏の唐揚げ?」


 シロは鶏の唐揚げが、どんな料理か分かっていないようだ。


「そうだ! 鶏の唐揚げだ!

 お弁当に入ってると嬉しいおかずNo.1の、唐揚げが久しぶりに食べたいんだ!」


「鶏の唐揚げがどんな料理か分かりませんが、僕に、鶏の唐揚げを作れという事ですか?」


「その通りだ! 俺の一番の下僕のシロなら、どんな料理でも作れるだろ?」


 俺はシロを見て、ニヤリと笑う。


「勿論です! 僕はご主人様の一番の下僕ですから!」


 どうやら、シロの料理人としてのプライドに火が着いたみたいだ。


「期待してるぞ!」


「任せて下さい!」


 シロはヤル気に満ちている。

 俺のメイド兼、調達係兼、料理人兼、裁縫係兼、掃除係のプライドに火が着いたのだ。

 意外と凝り性なシロが、こうなったら誰も止められない。

 俺の為に、全力で美味い鶏の唐揚げを作ってしまうだろう。


 チョロい。


「じゃあ、ご主人様、上層に行ってきますね!」


「行ってこい!」


「アッ! ミスリルスライムの死骸を何匹か冒険者に渡していいですか?

 多分、胡椒を手に入れるのに必要だと思うんですが」


 胡椒の為なら仕方が無い。

 胡椒がかかって無い鶏の唐揚げなんて、俺は、鶏の唐揚げとは認めないのだ。


「鶏の唐揚げの為なら、何を渡したってかまわん!

 なんせ、俺の大事な物の1位から100位までは、肉と肉料理だからな!」


 俺は、自信満々に言い放つ。


「シロは、ご主人様の何番目ですか?」


 間髪入れずに、シロが無粋な質問をしてきた。


「勿論、101番目だ!」


「僕は、ご主人様にとって、肉以外で一番大事な存在なんですね!」


 俺は思わず、勢いで、本心を答えてしまったが、シロは、自分の立場が肉より下でも良かったようだ……。

 そうと分かれば、俺は、更に被せるだけ。


「そうだシロ! お前は肉料理を作れるから、俺にとっては無くてはならない存在なのだ!」


 俺は、シロに、自信満々で言い放つ!


「ご主人様、僕は、そんな鬼畜っぽい事を平気で言うご主人様が、大好きです!」


 なんか、シロがおかしな事を言っている。


「そうなの?」


「ハイ!」


 どうやら、シロは、いつの間にかMっ娘に育ってしまったようであった。


 ーーー


 ここまで読んで下さりありがとうございます。

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