46. 猫耳娘ミーナ
「燃えたな……」
「燃えましたね……」
俺とシロは、途方に暮れている
「これから、何処で寝よう……」
「野宿ですね……」
「野宿か……。
って! やっと拠点に帰って来たんだぞ!
久しぶりに、オクタブルベッドでゆっくり寝れると思ったのに!」
「そうですね。せめて、屋根がある場所で寝たいですね」
「倉庫に置いておいた羊スライムの死骸……燃えちまったから、また取りにいかないといけないな……」
「ご主人様が、リッチーだった時に、皆殺しにした羊スライムですね……」
シロが、俺の黒歴史をぶち込んで来る。
「羊スライムの死骸なら、ある程度、私が守っておいてあげたけど!」
猫耳娘が、俺とシロの会話に割って入り、自分の魔法の鞄から、羊スライムの死骸を出してみせる。
「お前が、守ってくれたのか?」
「まあね!」
猫耳娘は、お手柄だったでしょ!と、ばかりに胸を張る。
「というか、お前、あんな規格外の悪魔に襲われて、よく、羊スライムの死骸を、自分の魔法の鞄に入れる暇があったな?」
「まあ……アレだよ! 私、シーフだから、結構、素早いんだよね!」
「本当か?」
「本当だよ!」
猫耳娘が、額から汗をダラダラ流しながら目を泳がしている。
「お前の魔法の鞄を、ちょっと見せてみろ!」
「エッ! だ……駄目だって! プライバシーの侵害だって!」
と、猫耳娘は必死に魔法の鞄をガードするが、シロが糸を飛ばして、一瞬にして魔法の鞄を奪ってしまった。
「ご主人様! 羊スライムの死骸の他にも、ご主人様が、リッチー時代に収集した金銀財宝とか、いっぱい盗んでますよ!」
シロが、猫耳娘の魔法の鞄から、ログハウスで保管してた数々の逸品を取り出していく。
「これはどういう事かな?」
「そ……それは……」
猫耳娘は、顔から滝のような汗を流して、挙動不審になっている。
「これだけパクって、言い逃れできないよな」
俺は、猫耳娘にドスの効いた声で凄んでみせる。
「ご主人様! こんな泥棒猫、もう食べちゃいましょうよ!」
「そうだな。食べてもいいかもな!」
「エッ? エッ?……人間は、食べないんじゃなかったのでは……」
猫耳娘が真っ青な顔をして、俺に尋ねてくる。
「まあ、良い人間は食べないけど、悪い人間は食べてもいいよな。
どうせ、人間社会でも、泥棒は奴隷落ちだしな!」
「待って下さい! 奴隷に落ちても、殺されたり、ましてや食べられたりなんかしませんよ!」
猫耳娘は、俺に擦り寄り、必死に訴えてくる。
「じゃあ、奴隷に落ちてもいいんだな?」
「食べられるよりは、マシです!」
「じゃあ、お前は今日から、俺の性奴隷だ!」
「チョット待って下さいよ! 奴隷にだって、権利はあるんです!
私は、絶対に性奴隷になりませんから!
普通の奴隷になるだけです!」
「じゃあ、そういう事で、奴隷契約を結ぶぞ」
「エッ?! 奴隷契約? ここには、奴隷商は居ませんよ?」
「俺は、闇属性魔法が使えるからな」
「エッ! エッ! 嘘……本当に、私、奴隷になっちゃうの?!」
「そういう約束だろ?」
「いやいやいや、違うから……私は、形だけ奴隷になって、隙をみつけて、逃げる気だったのに……」
「ご主人様! ヤッパリ性根が腐ったコソ泥猫なんか、食べちゃた方がいいんだよ!」
シロは、どうしても猫耳娘を食べたいらしい。
「まあ、なんかの役には立つだろう。
それじゃぁ、第3階位闇属性魔法、隷属契約」
俺が、第3階位の隷属契約魔法を唱えると、猫耳娘の右手の甲に隷属の刻印が浮かび上がった。
「エッ! 嘘でしょ! 第3階位の隷属契約なんて、解除不可能じゃないのよ!」
猫耳娘が、ギャーギャー喚いている。
まあ、俺は、こんな棚ぼた的な感じで、晴れて人間の奴隷を手に入れる事に成功した。
本来なら、高値で売れる羊スライムの死骸とか、全て燃えていた筈なのに、燃えずに残って、しかもタダで人間の奴隷をゲットする事が出来た。
これは、運3だったスケルトン時代には、とてもじゃないが考えられない事である。
流石は、スケルトン最終形態、パーフェクトスケルトンである。
全てがパーフェクトで、エレガント!
正に、キング·オブ·スケルトンである。
それは置いといて、猫耳娘の名前を聞いおかないといけない。
俺の所有物なのに、オイ! とか、お前! とか、呼ぶ訳にはいかないのだ。
「で、お前の名前、なんて言うの?」
「ミーナですけど……」
猫耳娘は、何故か渋々答える。
「そうか。そしたらお前のご主人様として、最初の命令を下す!」
俺は、まだコチラの世界に異世界転生する前の、俺の夢を叶える事にする。
「な…何でしょう……ヤラシイ事は、絶対にしませんよ」
「全くもって、ヤラシイくない!」
「なら、いいですけど……」
「そしたら、言うぞ!」
「ハイ」
「これからは、語尾に『ニャ』を付けるように!」
そう、俺の夢は、猫耳娘に語尾ニャで話してもらう事なのだ!
「へっ……? ニャ?」
「そうだニャ! 語尾に『ニャ』を、付けるのニャ!」
「アナタは、変態ですか!!」
「コラ! 語尾ニャはどうした!」
「そんな事、言える訳ないでしょ!
子供でもあるまいし!」
「お前、分かってないようだな。第3階位闇属性隷属契約魔法は、絶対なんだよ!」
「何が絶対なのよ!」
「俺は、お前に隷属契約を結ぶ時に、ある付随契約を入れてるんだ!」
「だから、それは何なのよ!」
「もし、お前が、俺の命令を逆らった場合、俺がパチン! と指を鳴らすと、お前は、オ〇ニーしたくてたまらなくなるのだ!」
「エッ! 嘘でしょ!」
「それでは、身をもって経験しろ!」
パチン!
俺はニヤリと笑い、指を鳴らす。
すると、
「エッ! エッ! アッ! 私の右手が勝手に、アッ! そこはダメェェーー!
ああぁあああぁぁぁ……いいぃ……気持ちいいぃ……とっても気持ちいぃニャァァァ……!!」
猫耳娘のミーナが奴隷に落ちたこの日。
第22階層では、官能的な語尾ニャーが、何度も響き渡ったのだった。
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