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34. パーフェクトスケルトン

 

 日差しが眩しい。


 俺は拠点のログハウスのオクタプルベッドで、目が覚めた。


 多分、シロが、ミスリルスライムの狩り場から、ここまで運んでくれたのだろう。


 俺は取り敢えず、自分の体を見てみる。


「ウン……プラチナだな……」


 確かに俺は、体はプラチナが良いと思っていた。

 しかし、やってしまった感がある。


 俺は急いで、湖まで走る。


「やっぱり……」


 頭蓋骨が金色になっていた……。

 そして、歯は、キラリと光る純白の歯。


「俺はやっちまった。全体的な見た目の事を全く考えてなかった……」


 俺は四つん這いになり、涙を流す。

 骨だから、涙は出ないけど。


「まっいいか! どうせ、次の進化では、肉か、皮が付くんだし!」


 そうこうしてるとシロが、森の方からトコトコ歩いて来るのが見えた。


「アッ! ご主人様!やっと 進化終わったんだ!」


 シロが俺を発見して、飼い犬のように走り寄って来た。


「ご主人様、まる3日間も起きなかったから、心配したんだよ!

 それにしても、ご主人様……ド派手になったよね!」


「俺は、3日も寝てたのか……」


 確かに金やらプラチナやら、ごっちゃ混ぜのド派手な体に進化させるのには、時間が掛かるのかもしれない。


「そうだよ! だから暇だったから、上層に行って、牛肉とか色々貰ってきたんだよ!」


「何!? 牛肉だと!」


「ウン! 最近、冒険者の人達が、僕の欲しい物が分かってきたみたいなんだよね!」


「何で、冒険者がわざわざ、シロの欲しい物を用意してくれるんだ?」


 俺は訳が分からず、シロに質問する。


「なんか、僕が作った服に価値があるみたいだよ!

 みんな、僕の前で突然倒れ、魔法の鞄の中の物を、持っていって下さいとばかりに突き出してくるんだよ!」


「そ…そうなのか?」


「そうだよ! だから、ご主人様が欲しい物があれば、何でも言ってね!

 そしたら、僕が、何とかして用意するから!」


「お前、有能だな」


「今頃?」


 シロが、イタズラっ子のようにニヤリと笑った。


 ーーー


 1ヶ月後、


 俺とシロは、現在、レベル上げに苦戦している。

 俺はスケルトンの最上位種パーフェクトスケルトン。

 シロも多分、蜘蛛種の最上位種アラクネなので、レベルが全然上がらないのだ。


 この1ヶ月間、ミスリルスライムを倒し続けても、俺はLv.15に、シロはLv.22にしかなっていない。


「はぁ~。どんだけ倒せば、進化出来るんだよ……」


「ご主人様、もう、ミスリルスライムでのレベル上げは、限界じゃないのかなぁ?」


「確かにな……でも、俺が行った事がある第28階層まで下りても、ミスリムスライムほど、経験値が稼げる魔物なんていないぞ?」


「じゃあ、それより下の階層に行きましょ!」


 シロが、アッケラカンと提案する。


「お前、簡単に言うけどな、下の階層の魔物は、ミスリルスライムみたいに、簡単には倒せないんだぞ」


「でも、リスクを侵さなければ、もう、進化なんか出来ないですよ」


 シロが、正論を言う。

 流石に、脳ミソが有るだけの事はある。

 骨しか無い俺と違って、難しい事を言うようになってきた。


 そして、シロが言う事は正しい。

 このままでは、俺もジリ貧なのだ。

  俺は、まだ、肉棒を手に入れてない。

 ずっと、この体のまま進化出来なかったら、一生ハーレムなど出来ないのだ!


「そうだな。俺もこのままでは困る」


「そうでしょ! じゃあ行きましょ!」


「ああ! 肉棒を手に入れる為、ハーレムの為に、俺は修羅の道に進むのだ!」


 俺は一気に、テンションが上がる。


「アッ! その前に、ご主人様!

 上層に行って、食材やら色々仕入れに行きましょうよ!」


 シロが、イキナリ、俺のヤル気を削いできた。


「俺は行きたくない!」


「どうしてですか?」


「こんなド派手な体を、人間に見られたら恥ずかしいだろ!」


 そう、俺はこの体が、とっても恥ずかしいのだ。

 恥ずかしすぎて、女冒険者をイタズラしに上層に行きたいのだが、自重しているくらいなのである。


「そんな事ですか、それならチョット待ってて下さい!」


 シロはそう言うと、フード付きの純白のマントを編み上げた。


「これで、体が隠せるでしょ!」


「純白かよ!」


「純白ですよ」


「俺は、闇属性のスケルトンだぜ!」


「でも、光属性の勇者でもあるんですよね?」


 シロが、俺の意見に被せてくる。


「そうだけど、世間の人の感覚だと、スケルトンが光属性っておかしいだろ!

 人間は、自分の常識から逸脱する者を猛烈に拒絶する種族なんだぞ!」


 最近、脳ミソが有るからって、難しい事を話すようになってきたシロに、漢字多めの少しだけ難しい言い回しで言ってやった。


「だったら、闇属性のスケルトンらしく、黒色のマントにしますか?

 そして、裏地を赤色なんかにしたらカッコイイんじゃないですか?」


「……」


 俺は、シロの話を聞いてたら、大昔のアニメ、黄金バ〇トを思い出してしまった。


「俺、やっぱり白色でいいや」


 もし、この世界に、俺と同じく異世界転生や、転移した人がいたとして、

 その人物が、まんま黄金バ〇トの格好で歩いている俺を見たら、絶対にコスプレ野郎だと勘違いされてしまう……。


「でしょ! ヤッパリ、ご主人様は白が似合いますよ!

 そう、シロが似合うんです!

 そして、僕色に染まって下さいね!」


 シロが何か言ったが、俺は完全スルーした。



 ーーー


 ここまで読んで下さりありがとうございます。

 面白かったら、お気に入りにいれてね!

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