22. プラチナスケルトン
俺は遂に、レベル50に到達した。
そして、どうやら進化できるみたいである。
これまで、とても長かった。
ガメツ過ぎるリッチーは、俺っぽくなかった。
俺は元々、宵越しの金を持たぬ冒険者だったのだ。
それなのに……。
俺は、リッチーになってからの、金目の物を集めまくった日々を、思い出す。
粋じゃないな……。
江戸っ子のような気質を持つ冒険者にとって、お金に汚くケチな奴と思われるのは、死ぬほど嫌な事である。
俺は生前、冒険者らしい冒険者だったのだ。
そんな俺が、リッチーの性質とはいえ、いままで金の亡者だったなんて……。
「ええい! まあ、いい!
兎に角、速く、進化してしまおう!」
俺は、何に進化出来るか、鑑定で調べてみる。
[ユニークリッチーから、ゴールドレッサーバンパイアorプラチナスケルトンに進化]
な……何だと……?
プラチナスケルトンだって……。
なんか、滅茶苦茶カッコイイ。
骨がプラチナなんだろ?
凄く高そうだ。
クッ! 何を言ってるんだ俺……。
完全にリッチー脳になってしまっている。
基準が、高価か、そうでないかになってしまっているのだ。
今の俺は、完全にプラチナに目を奪わている。
よく考えろ!
ゴールドレッサーバンパイアなら、肉付きになれるのだ!
肉付きになれば、チ〇コも復活するんだ!
そう、チ〇コが無ければ、目標であるハーレムを作っても何も出来ないだろ!
「ふー……危なかった……危うく、プラチナスケルトンに進化してしまう所だった……」
俺は気を落ち着かせて、ステータス画面をポチッと、クリックした。
ーーー
次の日の朝。
「何でだー!」
プラチナスケルトンになってしまった俺は、朝から四つん這いになり、涙を流していた。
実際、骨だから、涙は出ないけど。
何故、こんな事になっているかというと、俺は昨日まで金に汚いリッチー脳だった為、プラチナに心を奪われてしまったのだ。
ゴールドレッサーバンパイアに進化していたら、今頃、肉棒を手に入れられたのに……。
悔やんでも悔やみきれない。
アッ! よく考えたら、今はプラチナより金の方が高かったんだ。
そしたら、ゴールドレッサーバンパイアの方が格上だったのでは無いか?
しかし、この世界ではプラチナは存在しない鉱石なので、金より価値が高かったようだ。
何故なら、リッチー脳は、物の価値を正確に判断するので間違いない。
まあしかし、地球でもゴールドカードより、プラチナカードの方が格上なので、何か特典があるだろう。
空港のラウンジが使えたり、コンシェルジュサービスが使えたりとか。
取り敢えず、ステータスを見てみよう。
種族: プラチナスケルトン lv.1
職業: 勇者
称号: 不死者、思い出すのが遅すぎた男、骨なのに勇者、運の無い男、陰陽を極めた骨。
スキル: 超隠蔽、不死、鑑定
魔法: 第1階位光属性魔法。第1階位火属性魔法。第1階位闇属性魔法。
力 15
運 30
HP 30
MP 150
「こ……これは、ユニークリッチーの時と全く変わってない」
これは進化と言えるのか?
しかし、スケルトンで考えて見ると、とても凄いステータスである。
まさに、キング·オブ·スケルトン。
レベル1の段階で、第1階位の火属性魔法、光属性魔法、闇属性魔法が使えるなんて、出鱈目だ。
まあ、闇属性のスケルトンが、光属性魔法を使える所で、既に出鱈目だけど。
まあ、しかし、ステータスが全く変わらなくて良かった。
肉棒をゲット出来なくて、ステータスまで落ちていたら死にたくなる所だった。
まあ、骨だから、今でも死んでいるようなものだけど。
安心したら、無性に肉が食べたくなってきた。
この感じは、久しぶりだ。
「肉食いてぇーー!」
俺は心から叫んだ。
と、なれば第12階層だな。
あそこは、俺がスケルトンだった時の狩場だ。
「よし! シロ行くぞ!」
「キュイ!」
「行くぞ!」
「キュイ……」
「行くぞ?」
「キュイ……?」
「アレ?飛べない……」
俺は、何度も飛ぼうとするが、何故か飛べなくなっている。
「何でだ? まさか、リッチーじゃ無くなったから飛べないのか?
だけど、ステータスは変わってないのだぞ?」
凄く考えたが、俺には答えを出すのは無理のようだ。
何故なら、骨だから脳ミソ無いし……。
「キュイ!」
「何だって、背中に乗れだって?」
「キュイ!」
どうやら、シロが俺の足になってくれるようだ。
「いいのか?俺は70キロもあるんだぞ。
って、違うか……今の俺は、軽い骨だったな。
それじゃあ、お言葉に甘えて、乗せてもらおうか!」
「キュイ!」
シロは嬉しそうに返事をした。
返事を聞いた俺は、颯爽とシロに飛び乗る。
ユニークシルクタランチュラになったシロは、大きくなっているので、俺を乗せても全然ヘッチャラのようだ。
「それでは、肉を食いに行くぞ!」
「キュイーー!」
(クモ語)「肉ぅーー!」
こうして、アムルーダンジョンの冒険者を恐怖のドン底に陥れる、骨と蜘蛛による追い剥ぎ伝説が始まったのだった。
ーーー
ここまで読んで下さりありがとうございます。
面白かったら、☆☆☆☆☆押してね!
骨と蜘蛛が喜びます。




