表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/79

18. シロ

 

「よし! シルクスパイダー。早速、ベッドマットのカバーを作るんだ!

 このベッドの大きさに合わせるんだぞ!」


「キュイ!」


 俺は湖畔のログハウスに着くと、早速、下僕のシルクスパイダーに命令する。


 シルクスパイダーは、命令すると、俺の言葉が分かるのか、セッセッと尻から糸を出して、マットカバーを編み出した。


 調教すると、主人の言葉が分かるようになるのか?

 それとも、魔物同士だから言葉が分かるのか?


 まあ、それは無いな。だって俺、シルクスパイダーの言葉分からないし。

 取り敢えず、俺が言葉が分からなくてもシルクスパイダーが、オレの言葉が分かってたら問題ないのだ。


 俺は面倒臭いので、深く考えない事にした。


 シルクスパイダーが作業している間、俺は暇なので、ログハウスの家具作りに精を出す。


 タンスやテーブル、椅子やソファーの骨組み、8LDKなので、結構大変だ。

 見た目がオシャレな湖畔の別荘なので、やはり室内もオシャレにしたい。


「キュイ!」


 そうこうしていると、シルクスパイダーが、完成したベッドマットのカバーを持ってやって来た。


「おっ! 早いな」


 俺はシルクスパイダーに渡された、ベッドマットのカバーを確認する。


「うん。よく出来てる。偉いぞ!」


「キュイ!」


 シルクスパイダーは、褒められて嬉しいようだ。


 早速、ベッドルームに持って行き、ベッドマットのカバーに、羊スライムの死骸を入れてみる。


「いい感じだ」


「キュイー!」


 シルクスパイダーも、ベッドの上で飛び跳ねている。


「そうだ。お前の寝床も作ってみたらどうだ?大きめなクッションみたいなの」


「キュイ!」


 シルクスパイダーは、「本当に?!」って顔をして、早速、その場で寝床を編み出した。


 時間にして、5分。

 速攻で寝床のクッションカバーを作ったので、俺はその中に、羊スライムの死骸を入れてやる。


「キュイキュイ!」


 とても有能なシルクスパイダーは、寝床のクッションの寝心地を確認するかのように、仰向けに寝てみたり、横になって寝てみたりしている。


「キュイー!」


 どうやらシルクスパイダーは、「ありがとう!」と、お礼を言ってるようだ。


「ウンウン、可愛い奴だな」


 というか、呼ぶ時に、シルクスパイダーとか、お前とか呼ぶのもアレだし、名前でも付けてやるか。


「おい! お前の名前を付けようと思うんだが何がいい?」


「キュイ」


「キュイって名前がいいのか、しかし却下だ!」


「キュイ……」


「不満か?しかしだな、もし、俺とお前が一緒にいる時に、荒くれ冒険者とかと遭遇してみろ。

 その時、俺が、お前の事をキュイなんて、可愛いらしい名前で呼んでたら、荒くれ冒険者にお腹を抱えて笑われてしまう。

 だって、俺、この顔だぜ。

 骨と皮しかないし、見た目から悪の化身だろ」


「キュイ?」


「分かってくれたか! そしたらそうだな……俺はお前の事を、これからサイコと呼ぶ事にする!」


「キュイ!キュイ!キュイ!キュイ!」


 シルクスパイダーは、必死に首を横に振る。


「エッ……嫌なの? 闇属性のリッチーの下僕としては、最高にサディステックでサイケディックな名前だと思うんだけど?」


「キュイ!キュイ!」


 シルクスパイダーは、更に早く、顔が見えなくなる程、首を横に振っている。

 首が取れないか心配になる程だ。


「サイコだけは、絶対に嫌なのか?」


「キュイ」


 シルクスパイダーは、ウンウン。必死に首を縦に振る。


「カッコイイと思うんだけどな……他に思いつかないんだけど……」


 すると、シルクスパイダーは、私を見てとばかりにクルクル回りだした。


「何だって、自分の事を良く見ろだって?」


「キュイ」


「う~ん……白いな……」


「キュイ!」


 シルクスパイダーは回るのを止め、飛び跳ねた。


「ん? お前、シロって名前がいいのか?」


「キュイ!!」


 そのまんまの名前だが、本人がそれで良いと言うなら、まあいいか。

 シロなら俺も、冒険者の前でギリギリ呼べるし。


「よし! そしたら、お前の名前は、今日からシロだ!

 俺様の、最初の下僕に任命する!」


「キュイ!」


 シロが、飛び跳ねながら元気よく返事をする。


 と、その瞬間!


  突然、シロが、目を覆うほどの眩しさで、光り輝いた。


 ーーー


 ここまで読んで下さりありがとうございます。

 面白かったらブックマーク、☆☆☆☆☆押してね!

 作者の励みになります。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ