15. 湖畔のログハウス
俺は、鉄スライムを倒す傍ら、セメントの材料になる砂利や、鉄を成型する為の土型を作る作業に追われている。
土型作りは、超簡単。
適当な真っ直ぐな棒を拾ってきて、それに粘土質の土で型をとって、粘土が固まったら棒を引き抜くだけの作業である。
3日間程作業して、土型が10個ぐらい作れたので、試しに土型に鉄スライムの死骸を注ぎ込んでみる。
「固まったかな?」
3時間程待って、土型を崩すと、中から2メートル程の鉄の棒が現れた。
「上手くいった!」
俺は続けて、残りの土型に鉄スライムの死骸を注ぎ込む。
そして、3時間待ち、10本の鉄の棒を完成させた。
「これで、鉄の棒を量産出来るぞ!」
俺は早速、完成した鉄の棒10本を使って土型を作る。
「これで良しと!」
土が乾燥するのに半日はかかるので、俺は鉄スライム狩りに出掛ける。
鉄スライム狩りは、試行錯誤して、今は杖を使わずに指先からエアーバレットを放つ方法で鉄スライムを倒している。
杖でエアーバレットを放つより、指を銃の形にして撃ったほうが、命中率が高かったのだ。
魔法の威力は少し劣るが、十分、鉄スライムの魔核を弾き飛ばせるので問題ない。
そんな感じで鉄スライムを倒しているのだが、lv.15になってから、全くレベルが上がらなくなってしまった。
もうそろそろ、ミスリルスライムに挑戦しても良いかもしれない。
しかしながら、まだ鉄が足りないので、暫くは鉄スライム狩りを続けなければならない。
そんな感じで、レベル上げの傍ら、小屋作りをしているのであった。
1ヶ月もすると、鉄の棒もセメントの材料も整い、土台作りの佳境に向かっていた。
鉄骨は、型枠の中に設置し終わり、後はセメントを型枠に流し込むだけである。
セメントの材料は、砂利と水と粘着スライムの死骸だけ。
それを木桶で混ぜ合わせ、ジャンジャン魔法の鞄に入れていく。
こうすれば、セメントが固まる心配をする事なく、作業が進められるのだ。
俺は土台の型枠に、魔法の鞄からセメントを流し込んでいく。
地球でやれば重作業だが、魔法の鞄でやれば簡単だ。なんせ、魔法の鞄は重くない。
俺は、5回に分けセメントを作り、魔法の鞄から型枠にセメントを流し込んだのだった。
そして二日後、いよいよ型枠を外す日がやって来た。
俺は喜び勇んで型枠を外す。
「うん。初めてにしては上出来だ!」
俺は、嬉しさのあまり、そのまま乾燥した木材のカットに入る。
やはり、湖畔の別荘といえば、ログハウスだろう。
湖畔に佇むログハウス。
「うん。絵になる!」
俺はジャンジャン、風魔法エアーカッターで材料をカットしていき、そのまま土台の上に積み上げていく。
魔法の鞄を使えば、重作業もお手の物。
尚且つ、浮遊魔法まで使えるので、高い所もヘッチャラなのだ。
俺は材料のカットと上棟を一緒に行い、不眠不休の末、僅か2日で屋根まで組み上げた。
まあ、リッチーだから寝なくてもいいんだけど。
そんな訳で、今日から8LDKの平屋ログハウスに住む事にする。
まだ内装やら屋根の防水やら、やる事が一杯あるけど、久しぶりの屋根付きの家は、テンションが上がる。
「テーブルやベッドも欲しいなぁーー」
勿論、ベッドはトリプルベッド。
このログハウスは、仮初だが一応、ハーレム用の住処でもある。
ゆくゆくは、このダンジョンの最下層にでも城を建てて住むつもりだが、取り敢えずは、このオシャレな湖畔のログハウスで過ごす事になる。
さて、今日は結構疲れたから、寝てみようかな。日も明るいし、俺は闇属性のリッチーだから、朝や昼は弱いのだ。
と、思って寝て見たら案外、寝れた。
リッチーは、寝なくても大丈夫なのだが、一応普通に寝れるらしい。
だけど、板の間で寝たので、首が痛くなってしまった。
取り敢えず、直ぐにベッドだけは作ってしまおう。
ハーレムの基本は、やはりベッドだしね。
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