9.幽霊
落ち込んでいるから上を見ない、高いところはわからない
または高いところを眺めると心が痛くなるから見ない
期待も全て裏切られる
まるで街に転がる新聞紙やチラシのように無視される
尖らせた弾丸も弾かれて自分の胸を抉る
穴の数はもういくつかわからない
なぜなら穴ができるたびに引き裂いてきたからだ
世間委に納得できない、共感できない、不信が燻える
売れたい人気出したい褒められたい
そう願うのは誰も同じ
売れている人気が出ている称賛されている
そんな人は割と多い
だからその線路を探してみるも、見当たらない
見つけてもそれが錆びついて見えた
同じことして自分を捨てて、愛されるために何もかも犠牲にする
本当に求めている愛はそんなものなの?
売れなければ生きられない
どうすれば売れて生きていけるかを自然に悩む
すれば、頭が痛くなって世の中を嫌いになるばかりだ
自分が美しいと思ったものは受け入れられない
その事実が納得いかない
あの感動と思い付きは嘘だったのか
幻覚に過ぎないのか
あまりにも悲惨すぎる
毎日毎日同じことに苦しめられる
自分がつまらないと思ったやつばかり評価されている
そいつらはこの先も自分を含む屍を踏み砕きながら世界を変えていけるのか
見物にもならない
どうしても期待なんてできない
もう涙も出ない
反吐も出ない
歯を噛みしめることしかできない
顔もわからない奴らを呪う
誰にも必要とされない、愛されない
そんな人間は多いかもしれない
でも自分だけが本当にそうだと感じてしまう
逆にそうであれば珍しいからそれはいい気もする
だけどもう気軽にもいられなくなっていた
もしそいつらが目の前にいたら殺したいと思ってしまうだろうか
どうしてなんだよ
どうしていつも見向きもされない
幽霊も俺も何ら変わらない
こんな世の中じゃ成仏なんてできるわけがない




