わたし。
30代後半
独身女性
貯金は30万
彼氏なし
親は片親で母一人
楽しみといえば仕事終わりのアルコール
幸せなのか
幸せだ
今が一番幸せだ
そもそも幸せってなんだ?
当たり前に食事できて働ける
それが幸せ
それに気づかない人が多すぎる
わたしはコンプレックスの塊だった
小学から友達はみんな誰もが認める可愛い子で
わたしはその子の隣にいる人だった
それはずっと続いた
嫌だったけれど可愛い子が好きだった
可愛い子といると自分が勝ち組になったような気分になる。
わたしは10代を過ぎた頃から常に美を意識して生きた
必ず綺麗になれる
可愛くなれる
諦めない
自分を好きになりたい
言い聞かせた
「わたしは可愛い」
その一心で生きた
諦めない気持ちは結果にでた
何年もかかったけれど
たくさんの人から綺麗、可愛いと言われるようになった
嬉しかった
毎日楽しかった
自分が好きだった
異性に好かれるようにもなった
よく見た目が9割というが、
本当にそうかもしれない。
飲みに行く先ではいつもすぐに気に入られた。
たまたま入ったおしゃれと言わないではいられない
barのマスターに気に入られ、
いわばスペックの高い異性との楽しいお酒の席を提供してもらえた。
私はそこで一人の人と恋におちた。
11歳年上で半年以上海外で過ごす、
有名スポーツチームのコーチだった。
私たちが付き合うようになるまでそう時間はかからなかった。
付き合いだしてからは本当に幸せだった。
私は仕事で店長という立場もあり、日々ストレス。
彼の存在は心の支えになっていった。
一年の半分は海外にいて、日本にいても合宿で遠く離れた場所にいる彼とは年間20回くらいしか会えなかった。
支えではあったけれど、どうしてもつらい時、話をしたい時、我慢しなければいけなかった。
それでも大好きだったから、
彼も頑張っている、自分も強くならなきゃいけないと自分に言い聞かせた。
合宿やシーズンが終わって会えた時は本当に嬉しかった。
それは5年間続いた。結婚の話も少ししたりした。幸せだった。
その時私は35歳。
常に仕事が忙しかった私は時間を少しでも作るために、
15年以上務めた会社を5月いっぱいで辞める事にした。
3月も半ばに入った頃、彼から「沖縄に合宿に行く、忙しいからあまり連絡はとれないかもしれない」とメールが届いた。
付き合ってきた5年間の中でこうゆう事は多々あったし、むしろ先にそう報告してくれる方がこちらも気を使えるし、連絡したいけど、仕方ないかという気持ちだった。
その日の夜は鯖缶が余っていたので鯖カレーを作ってみた。
うーん、美味しくない、、、。私は好きじゃない、、、。
カレーを口に運びながら携帯を手にとり、普段滅多に見る事のない彼の知人のSNSをたまたま見た。
ハワイで友人が結婚式をあげている画像、いいね、ハワイ。
そう思いながら何枚か投稿されている画像を横にスライドしていく。
何枚目かに新郎新婦の画像が、信じられない事が起きた、予想にもしなかった事が起きた。
嘘?
夢?
嘘かな?
心臓の鼓動がドクドクいってる。それはどんどん大きくなっていく。
今にも止まりそうだ。なんならこのまま止まってしまった方が楽かもしれない。記憶喪失にでもなった方が楽かもしれない。
新郎の恰好をしていたのは、彼だった。
楽しそうに新婦と一緒に写真に写っている。
足が崩れる経験をした事はなかったが、こうゆう事ってあるのね。足が床に崩れ落ちた。
彼にすぐメールをした。
どうゆうこと?
騙したの?
説明してよ
騙して楽しかったの?
何とか言ってよ!
騙したんでしょ
ハワイに奥さんといる彼から返事がくる筈もなく、その日の夜は一晩中泣いて、辛くて、信じたくなくて、辛くて、一睡も出来なかった。眠りにつこうとするとあの画像が脳内を駆け巡り、私を苦しめる。
朝方、彼から電話がかかってきた。
「ごめん、たくさん支えてもらったのに。自分でもどうしてこうなったのか分からない。これからは俺が支えていく。」
え?何いってるの?バカなの?
どこまで自分の事しか考えてないんだろう。結婚もして尚且つこれからも私と会おうとしてる。結局は身体だけ目的だったんだ。
嫌いになりたいのにこんなに酷い事されているのに、嫌いになれない。
彼とは何度か話し合った、慰謝料の話にもなった。結局120万円支払ってもらう事になり話は終わった。
すべてを一括にはしてくれなかった。分割で現金を家に届けにくる。本当にどこまで自分勝手なんだろう。もう会いたくないのに。何とか振込にしてもらい早めに全額支払ってもらった。
あの日から2カ月が経ち、私は何もやる気になれず、毎日生きてる事が辛かった。けれど、あんな奴に負けたくない、生きていつか立ち直ってやると思い続けた。生活しなければいけない。やる気が起きないけれど15年以上勤めた会社は退職してしまったし、新しい仕事を探さなければ。35歳、なかなか難しい、どうにか就職先は見つかった。建設会社の事務。ここで頑張っていこうと決めた。新たな職場は皆先輩となる人たちがほとんど10歳以上年下で、年齢差はあったが優しく接してくれた。ただ、一人お局様がいて、私の事を職場の皆が綺麗な人だねと褒めてくれて仲良くなると、だんだん嫌がらせが始まった。何を聞いても無視される。何も分からず、困った時に他の人に聞くと、彼女は「他の人に聞かないで、前にも言ったでしょ、やる気あるの?」その繰り返しだった。きっと私は辛かった。辛かったと思うけれど、あの日の彼との出来事以上に辛い事がなかった。感情が麻痺していたのか、辛いとも思わなかった。ただ、35歳になって惨めだった。転職した事により収入は減り、生活は苦しく、もらった慰謝料で飲みに出て、買い物して、寂しさを紛らわす、そんな日々を送っていたから1年もたたないうちに慰謝料も使い果たした。ただ不思議と全部使った後は心がスッキリした、何故か解放感があった。ここから始まりだ。ちゃんと自分の力で生きてこう、そう思った。
その時、転職してから1年。私に嫌がらせをしていたお局様は心の病で職場を辞めた。彼女も知らない所では苦しかったのだろう。
私には新しい彼がいた。少しずつ前を向いていた。その彼はとても私の事を好きでいてくれて、誰とも付き合う気がない私に「それでもいい、気持ちが落ち着くまでずっと待ってる」と言ってくれた。私は彼の優しさに甘えていた。毎朝「おはよう」と連絡がきて毎晩仕事が終われば「お疲れ様」と連絡をしてくれた。そんな彼は私より6つ年上で、バツイチ、奥さん側に子供が3人いて、週末は毎週のように子供の面倒をみていた。週末は会えなかった。それでも平日仕事終わりには会いに来てくれていつも変わらず優しかった。優しかったけれど、私には彼との未来が見えなかった。ただ寂しさを紛らわす存在だったのかもしれない。そして彼は突然いなくなった。私の前から姿を消した。「ずっと待ってる」という彼のあの時の気持ちは一緒にいる楽しさよりも不安や辛さで感情が支配されていたのだ。寂しさを紛らわす存在がいなくなった私は全力で追いかけた。毎日のようにメールした。でも返事はなかった。いつまでも向き合おうとしなかった私が彼を悩ませ、傷つけてしまった。でもこれで良かった、未来はないし、子供がいない私には彼の親としての気持ちなんて分からないし、分かり合えないと思っていたから。
私、全然自分の力で生きてない、依存してばかりだ。思えば5年付き合った彼にも依存していたのかもしれない。皆私から離れたいったのは、外見ばかり磨いて、内面は何の魅力もない女性だったからなのかもしれない。結局、たくさんの人に綺麗、可愛いと言われてもコンプレックスの塊は消えない。変わる努力をしなければ。本を読んだ、自己啓発本ばかり読んだ。何度も読み返して自分にプラスとなる事を頭に叩き込んだ。言い聞かせた。ずっと続けていくうちに、少しずつ変化していった。人生が楽しくなってきた。1人でも楽しく過ごせるようになった。
そんな37歳の秋、突然家のチャイムが鳴った。ドアを開けると、信じられない光景が目に入った。約1年半前、私を苦しめた、あの彼が玄関先に立っていた。何故か嬉しそうに笑って「元気?」と、まるで何事もなかったかのように言っている。突然家の中に入ってきて、私を抱き寄せる。元スポーツ選手でもある彼の力にはまったく抵抗も出来ない。嫌がる私のことなど全くお構いなしに、彼の欲求のままに事は進められる。「嫌だ」そう思っても抵抗できない、力には勝てない。事が終わった頃には私は冷静だった、途中で諦めたから。「何故こんな事するの?」、「いや、会いたかったし、顔見たら、したくなった、ずっと忘れられない。ずっとしたかった。ごめん。」そう言って家から出ていく。また私を苦しめる。彼から毎日のようにメールが続いた。返事はしない、一方的に連絡が続く。あの日以来家に来ることはなかったけれど連絡はずっと続いた。本当に嫌なら拒否すれば簡単なのに、しないのは心のどこかで連絡がくるのを待っているから。こんなに毎日私に連絡をしてきて、奥さんと上手くいってないんだ、私の方が勝ってると思ってしまう。違うのに。
考える時間を作らない為に夜居酒屋でバイトを始めた。色々な人に会って自分の狭い世界を広くしようと思った。そこで一人の男性に心惹かれた。バイト先で仲良くなり、仕事終わりに何人かで飲みに行ったりした。何がいいという訳ではないけれど、一緒にいてすごく心地がいい。ずっと隣にいたい。何も話さなくても心地よい。なんだろう、この感覚。昼も夜も働いていた私は肌も荒れて、せっかくの休日は寝て終わる日々を送った結果、体調を崩しバイトをやめた。バイトを辞めても彼とはたまにプライベートでも会っていた。私は彼の事が好き。この気持ちをちゃんと伝えたい。5年付き合った彼からのメールは未だ続いていた。もう過去を振り返るのはやめよう。電話もメールも全て拒否して削除した。
バイト先で仲良くなった彼に気持ちを伝えた。彼は真剣に受け止めてくれた。1週間考えさせてと言われた。気持ちが落ち着かない、きっとダメだ。ネガティブな感情が頭を埋め尽くす。4日たって彼からメールが届いた。「今日の夜会えない?話したいから」。来た・・・・ドキドキする。待ち合わせの場所へ行く、彼が待っている。
ドキドキ。不安と期待が入り混じる。いや、期待の方が大きいかもしれない。でも期待は打ち砕かれた。ダメだった。
後悔はしていない。いい恋愛ができたし、5年付き合った彼ともきっぱり離れる事ができた。彼を好きになった事で自分と向き合う事ができた。たとえ結婚するはずだった人が知らない間に別の相手を選んでいたとしても、職場で嫌がらせにあっても、純粋に好きだと思えた人との恋が実らなくても、それが不幸なわけじゃない。今この瞬間を幸せだと思えたなら、周りから見える姿が不幸そうに見えたとしても、それでいいんだ。自分で決める事ができる。それこそが最高に幸せな事なんだ。
それから僅か半年後、私の隣には家族がいます。並んで前を向いて歩いていくパートナーがいます。
それは数年前から友達だった人、5年付き合った彼と別れて少し元気になった時、飲みに行った先で知り合った人。不思議なものです。こんな未来が待っていたなんて。ドキドキもしないし、会えた時すっごく幸せっていう感情はないけれど、不安もないし、嫉妬もない。心穏やかに過ごせる人です。
そしてもう1人、これから会える家族も私の中にいます。
半年前、1人でも楽しく生きていこうと決心し、国家資格をとる為に通信の勉強を始めて、充実した日々を過ごしていた中での突然の出来事。人生はおもしろい。
もうすぐ39歳、第何章目かの物語がまた再び始まる。楽しもう。学び続けよう。人生を。きっと未来は、、、。




