人生初の一目惚れ
高校の入学式が終わり私は商業科クラスだったのでそちらの教室へと移動し黒板に貼られている席順をみて、自分の席へと座り後から入ってくるこれから3年間一緒にいるであろうクラスメイトの観察へといそしんでいた。
「あー!未来も一緒の学科だったんだ!!」
名前を呼ばれて振り返れば同じ中学校出身で部活動で知り合いだった南花梨が声をかけてきた。
「やっほー!花梨も同じだったんだね。これからよろしくね」
やっぱり高校ともなれば同じ中学からの出身者は少ないわけで…自然と花梨と2人でいるようになった。
話している内にチャイムがなり担任の先生が教卓の前へ立って自己紹介をして次はクラスメイトの順に自己紹介へとなった。私は11番目。
なーんて言おうかなと考えていた時だった。
ふと、ふわふわそうな綿毛のような髪の毛が目の前の視界に入った。後ろ姿からして男子である彼は自己紹介の為、席を立ち後を振り返った。
その瞬間。
彼と目が合いなんと言い表していいか分からない感情に囚われた。
(…?…え?なにこれ)
「初めまして。サッカー部の推薦入学で来ました。川野遼です。よろしくお願いします」
ニコッと愛想笑いをして席についた彼。
かわの君っていうんだ…
「はい、次の人ー」
!!「はっはい!初めまして。倉田未来と申します!人見知りですがよろしくお願いします!」
あぁぁー…
やってしまった。人見知りじゃなくてもっと他に言えただろう私ぃ…
でも。彼に目線がいってしまいそれどころじゃなかった…どーした私の心臓ょ。
その後の自己紹介も耳に入らぬほど前を向いた彼を見つめていた。
ホントどーした私。