驚愕
「今戻りましたー」
冒険者ギルドの扉を開けながら僕はそう言うと、歓声が上がった。カウンターに向かい、報告をする。
「ゴブリン狩ってきました!」
「おめでとう、ライトくん! はい、無事に証拠品も確認しました。依頼クリアです」
初めての討伐依頼をクリアしたぞー!
……あれ、ってかワイバーンどうしよう。今ここで出しても怪しまれそうだし、かといってワイバーンの料理作りたいし……。
悩んだ末に、出すことにした。
「これって解体できますかね……」
「? 何か他にも狩ったのですか?」
「そうです! あ、そこちょっとどいてもらって……そんぐらいで大丈夫です」
少しスペースを空けてもらい、僕は【収納】から、胴体にポッカリと風穴が空いているワイバーンを取り出した。
ガヤガヤとしていたギルドが、一瞬静寂に包まれる。だが次の瞬間、一気に叫び声が上がった。
「こ、これをライトが狩猟したのか!?」
「鱗に傷が全然ついてねェ……。体に穴空いて絶命……ヒェッ」
「本当にライトがやったの!?」
まあ流石に信じてもらえないかな……。昨日までは貧弱Eランク冒険者だったし。
「いいやッ! 俺は信じるぜ!! オメェらもライトが今まで努力してきてたの見てたよなァ! それがとうとう実ったってわけだよ!!」
ゴルスさんが大声でそう言い放った。
「確かにそうだな、頑張ってたもんな!」
「俺も信じるぞい!!」
「そうと決まればみんなでワイバーン解体しよ〜!」
「ライト! 最高の料理任せたぜェーッ!」
ここにいるみんなは疑いの目一つ向けることなく、純粋に僕を祝ってくれた。
少しうるっときたけど、僕は網を浮かべながら頷いた。
「最高の料理作るよ!」
このギルドに来て本当に良かったと、心から思った瞬間だった。