恋の話をしよう「僕の彼女は、わがままだ」
短編小説 恋の話をしよう「僕の彼女は、わがままだ」
僕の彼女は、わがままだ。
この間も「映画に行きたい」と言っていたのに、突然、「気が変わった」と、
遠〜くの水族館まで行かされた。
片道2時間、
「キャッ、キャッ、」大喜びの彼女。
疲れた…
LINEも大変だ。
気分次第で、夜中の2時、3時、まで送ってくる。
「明日、早いから切るね、」と送ると、
「冷たい、愛が無い、」と酷い文面の連発。
その都度、あやまりのLINE三昧。寝不足〜
疲れた…
まったく困ったもんだ。
昨日は、
「今度の誕生日はスクーターが欲しいな〜」
「ええっ、」また無理な注文が、
「お金がない、高校生には無理!」と言うと、
「いらない!何もいらない 」と、ひねくる。
いつもの事、
はたはた疲れた。
ある日、部活で嫌な事があり、つい、彼女に、
「もう限界、別れる」と言ってしまった。
ダッシュで走り去る彼女。
その後、プツリと連絡がとだえた。
本気で怒ったのかな、
別れるつもりなのかな、
電話をしてみる。
ピピピピッ、ピピピピッ、ピピピピッ、
出てくれない。
やっぱり、怒っているのかな?
「お〜い、」
「元気か〜」
いくらLINEしても、既読も無い。
謝りのLINEを送る。
「ごめんなさい、言い過ぎた(謝)」
……
……
返事が無い。
一週間後、LINEが来た。
「死ね」
そして、
僕は大事な試合が近かったので、しばらく連絡をしなかった。
試合の日、
ツーアウト満塁、
ツーストライク、スリーボール、
一発逆転!
バットの手に汗がにじむ。
「かっ飛ばせー、おーかーだーー」
?
彼女だ、
彼女が応援に来ていた。
一人、目立つ格好で応援している。
恥ずかしい(汗)
「かっ飛ばせー、おーかーだーー」
「かっ飛ばせー、おーかーだーー」
「よーし、いくぜ!」
キラ、瞳が輝く。
「ピッチャー振りかぶって投げたー」
ズバッ、
……
……
三振。
帰り道、
「私が応援に行ったのに、かっこ悪〜」
また、彼女に怒られた。
側には、元気いっぱいの彼女がいた。
「プンプン、」
「お詫びにパフェおごって、」上目遣い。
か、可愛い…
「わかったよ、」
「やったー」
笑顔の彼女、飛び跳ねている。まるで仔犬みたいだ。
みんなと違うデート、
不思議な関係。
でも何か楽しい。
僕の彼女は、わがままだ。
で、僕はM?