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chapter1-3 キャラクターメイク2 スライダーと職業

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本日二話目の投稿です。

 種族が決まったところで、今度は細かな調整に入る。

 顔の幅や目鼻口の大きさ、配置等から始まり体格なども細かく設定できるようだ。


「次に、スライダーについてご説明します。調節バーを動かすことによってキャラクターのデザインを細かく調整することが可能です。本来お持ちの体からかけ離れた造形でも動かせないといった問題はございませんので、心行くまでお好きな体をお作り下さい。ただし注意点もございます。種族が持つ特性から離れた骨格にすることで、特性に変化が出ることがあります。キャラクターメイクを終了する前に、右上の〝試す〟から、体の動き方などをチェックすることをおすすめいたします」


 骨格で特性の変化が出る?

 気になって、試しに身長のスライダーを最大値まで上げる。すると、ずんぐりむっくりな体が引き延ばされ、ヒューマンの標準値よりやや小さい程度まで伸びた。だが、縦に伸びるうえで寸胴な体も一緒に変化し、恐らくドワーフとしては見るに堪えない貧相な体になってしまった。

 試しにこの状態で体の動きを確認すると、指先の動きは標準より滑らかになっていたが力強さと小回りの利きは失われている。

 逆に最低値まで下げると、身長はヒューマンの膝上くらいまで落ち、体の至る所がパンパンにふくれてしまっている。

 こうなると、もうモンスターにしか見えない。

 その場で回転したりする動きはこちらの方が早く、モデルとして持っている斧の振りも随分早い。

 しかし移動速度は半減どころの騒ぎではなく、とてもじゃないがまともなプレイができるとは思えなかった。

 これは流石に、やりすぎかな。


 その後、何度もスライダーを弄っては試すを繰り返し、なんとか好みの恰好を完成させることができた。

 身長は標準値と最大値の間くらい。ドワーフにしては高身長ですらっとしているが通常と見劣りしない筋肉を維持。俊敏性などもこれが一番しっくりきて動かしやすかった。

 顔はほとんど弄らなかったのでドワーフとしては顔の主張が薄くなりそうだったが、代わりに髭などは手を加えた。ドワーフの標準だと、顔がほとんど隠れてしまうほどの髭の量だが、これは短く切りそろえた。

 もみあげと顎鬚がくっついてしまっているが、これはこれでドワーフらしく残す。立派な顎鬚をなくした代わりに、口ひげを少し伸ばし、カイゼル髭のように毛先をはねさせた。

 ドワーフは標準で長い顎鬚を編み込んで、ビーズなどを間に挟むなどおしゃれしているようだったので、代わりにたてがみのような髪の毛の一部を編み込んで同じように装飾品を挟んだ。

 作りこみはこれで十分だろう。完了を押して先へ進む。


「最後に、職業選択です」


 アナウンスと共に画面が変わり、メイン職業とサブ職業が表示される。 パッと見ただけでも随分種類が豊富だ。


「職業は最初に選ぶことが出来るものだけでも、メインとサブ合わせて三五職ございます。職業は後から特定の街などで変更可能ですので、まずは気になったものを選んでみるのもいいでしょう。メイン職業は戦闘職や生産職があり、サブ職業にはそれらに役立つ職業がございます。組み合わせ次第では特別な効果を発揮するものもあるので、職業の説明などをご覧になりながら探してみてはいかがでしょう?」


 ヘルプ音声を聞きながら職業を流し見していたのだが、本当に多種多様だ。純粋な戦闘職で言えばオーソドックスに剣士や魔法使いなどから始まり、火消屋などの変わり種もある。どうやら大槌を使う職業のようだ。

 非常に興味深いのだが、あれこれと目移りしているといつまでも決められないので、慣れ親しんだ職業にすることにした。

 昔やりこんだゲームでは大剣や片手剣、弓など様々な武器を使いこなしていたのだが、最終的にはひたすら火力を吐き出し続ける双剣使いが気に入っていた。

 職業欄で確認するとすぐに双剣使いを見つけることができた。隣に表示された説明には、左右の手で武器を使うと攻撃力上昇とある。

 やはりというか、ステータスやスキルが表示されないというだけで、内部ステータスは存在し、職業だけではなくアイテムなどでも細かく変動するのだろう。

 まあ、あからさまにレベルアップなどということにならなければ、それほど気にならないか?

 メイン職業に双剣使いをセットすると、装備が二本の短剣に変わる。


 次はサブ職業だ。

 とはいっても、こちらはメイン以上に様々な職業があって、とてもではないが一つ一つを確認することはできない。

 ということで、安直ながらドワーフといえば穴掘りが得意な種族。うってつけの「採掘師」というものを選んだ。

 説明はシンプルに、採掘道具を使うと効果上昇というものだった。

 腰に佩いた短剣の他に道具入れのようなポーチが現れて、中には採掘用と思われる鉄杭と鉄槌が収まっていた。


「以上でキャラクターメイクの入力は終了です。お間違えなどがないかもう一度確認し、よろしければスキップと、最初からやり直す場合は最初からとおっしゃってください」

「スキップ」

「それではキャラクターメイクを終了します。お疲れさまでした」


 言い終わると同時に、今まで俯瞰で見ていたキャラクターが消え、私の視点が低くなる。思わず手を見ると、自分のものとは思えない、骨太な指がそこにあった。

 どうやら、いよいよ始まるようだ。

 メニュー画面などがすべて消え、視界が白ばんでいく。真っ白になった世界で、最後のアナウンスが流れた。


「これからあなたを未知の世界へお連れします。そこであなたは何をしても自由です。何になることもできます。あなたの思いのままに生活を送ってください。ゲート・オブ・バスティアンの世界へ、ようこそ」


 そうして視界は暗転していく――。


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