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俺が詩音と出会ったのは中学2年の夏
二学期の始業式で担任から転入生として紹介されたのが詩音だった。
担任「今日からみんなとこのクラスで勉強する人を紹介する。入れ!」
教室の扉を開けた詩音は緊張した顔でみんなの視線を浴びながら、教壇にたった。
詩音「秋原詩音です。よろしくお願いします」
小声で自己紹介した詩音
担任が黒板に、『秋原詩音』と書いてその上に平仮名を付けた。
「席は、田崎の隣だ」
と担任は俺の隣の空いた席を指さした。
詩音はみんなの視線を浴びながら、俺の隣の席に座った。
そのまま普通のHRが進み、始業式の為体育館に行くことになった。
みんなが友達と騒ぎながら歩いていく中、詩音だけ無言で女子の列の中で歩いてた。
始業式が終わり、教室に戻り、LHRが始まる前の10分間の休憩時間
詩音はみんな(主に女子)から質問攻めにあっていた。
『どこから引っ越してきたん?』
「〇〇(隣の市)」
『誕生日いつ?』
「11月19日」
『前の学校で部活してた?』
「うん」
『え!何部?』
「テニス部」
『凄い!テニス上手いんだ!』
「ううん。試合出たことない」
『あ、そうなんだ』
『趣味は?』
「テニスかな」
『え?音楽とか本とかは?』
「興味無い」
『そうなんだ』
『好きな芸能人いる?』
「〇〇」
『あ!私も好き!カッコイイよね!』
次の質問を女子が言おうとした時チャイムが鳴った。
『じゃあね』
「うん」
それから数分後担任が入ってきてLHRが始まった。
それからLHRが終わってからも、詩音は女子と話(質問攻めが主)ながら教室を出ていった。