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彷徨人達の異世界生活記  作者: 香鈴
第2章:街での新しい生活
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4.料理と保存の事

割と与太話。


先に立ち寄った、北区居住地の近くの食料品店。ドアを開けると先程も対応してくれた店主さんが変わらずカウンターにいた。


「お、待ってたぞ兄ちゃん達」

「来たぜ」

店主さんはカウンターから店内へと出てきてくれた。

「で、何か欲しいのかい?」

「並んでるやつはそもそも知らないモンが多くて。説明して貰えねえかな」

「おう。構わんさ」


店主さんはまず棚に陳列されている瓶詰めから説明してくれる。

「これは料理の味付けや汁物の基礎なんかに使える出汁(ブロデ)だ。これはトマト(テムト)を主に使った物、これは(パセル)系の骨と野菜屑を長時間煮込んで上澄みを取った物、で、これは湖底にある水草を煮込んで取った物」

「色々揃えてるんだな」

「日持ちするように煮込んだり味付け濃い目にしてるから大量に使うと不味いぞ。料理用の匙一杯位入れて、全体の味を見ながら少しずつ入れて調整すると良い」


「此処からの瓶詰めは違うんですか?瓶の形も違いますけど」

説明された瓶詰めの隣にいくつか並んでいる瓶詰めは、少し細身の瓶を使っている。

「そっちは直接料理に掛けたりするソース(セレイ)だな。これは卵を使ったソース、これはトマトを使ってる。これは……魚醤(ネム)で少し癖がある」

指差されたソースは薄い黄色と濃い茶色と、薄い茶色。使われている材料を分かりやすくしているのかラベルには絵が描かれている。


「どれもうまそうだな〜」

「でもどういう料理に使うか分かんねえ」

「赤髪の兄ちゃんは料理するんだろ?」

「元々食料事情が良くない所にいたからあり物で何とかしてた程度で、こんな沢山の調味料見た事も使った事も無い」

元の国は事情が事情であまり潤沢な種類の食材も無く、料理担当をしていたリツ兄はかなり頭を悩ませながら料理を作っていた。手伝いをしていた自分ももう少し食材があれば、調味料があれば、とは常々思っていたものだ。


「そうか……ならそれぞれの使い方を本にまとめたモンがあるからそれをやろう! それ以外の使い方は模索してみると良い」

「ああ、ありがとう」

店主さんは店の奥から簡素な冊子を持ってきてくれた。めくってみるとソースごとの使い方が色々記されている。合わせて、日持ちはしないけど家でも作れるソースの作り方もあった。サラダなんかにも合う物があるから試してみたい。


「この中のはー?」

シュウ兄はカウンターの方にあるガラスらしいケースの中の物を指差していた。

「こっちは乳の加工品とか、冷やしておかないと痛みやすい加工品がある」

ケース付近は少し冷たい空気が漂っている。冷却する為の魔道具が多めに使われている様だ。加工品は箱や瓶、色々な容器に入っている。痛みやすい加工品は今日明日で消費して欲しい物がほとんどだとか。


「これはチーズだね。こっちも乳製品なのかな」

四角や丸の塊はチーズだと自分も思う。他に広めの瓶に詰められた白い半固形の様な物も乳製品らしい。少し酸味があるが、そのまま砂糖類や果物を追加して食べても料理に使っても大丈夫との事。

「で、こっちはそのまま料理として食べる様にした加工品だ。痛みやすいから此処に入れてる。なんか試しに買ってくか?」

店主さんによるとこの乳製品以外の加工品周りは日替わりらしく棚のソースと一緒に朝作っているという。今日は蒸した鶏肉と細切りの野菜をソースで和えた物と、燻製肉で野菜を巻いてある物、肉を焼いてソースを絡めた物。

ソースを買う前の試食も兼ねているみたいで、購入経験が無くても買いやすい様にと考えた結果らしい。


他にも商品の説明をして貰った後兄達と何を買うか話し合って、棚のソースを何本かと加工品を全種類と、チーズを一塊買った。料理はしばらくリツ兄と試行錯誤を繰り返しそうだ。

店主さんは元々料理人だそうで、料理全般にかなり詳しいらしく使い方とか気になる事があったらいつでも聞いてくれと言われた。



その後も市場で買い足ししたりして家に戻った。家にある食材と、今日ギルドで貰った肉や買い足した物をテーブルへ並べると結構な量になっていた。

「保冷庫に入るかな」

「んー……今日使う分抜いてもかなり余裕無いな」

家の備え付けの保冷庫は少し小型な物だ。四人で消費するので減りは早い方だと思うが、あまり物を詰め込むと冷え具合とかが気になる。

『皆様、居を構えられたんですね』

「わっ」

いつの間にか来ていたリズルに話しかけられて驚いた。特に来る事を悪くは思わないけど気ままだなあ。

「借家だよ。買うのも住民権を得るのも簡単じゃないし」

『居住地の価値等詳しくないですが、決まり事はどの国も多いですね』

リズルが言う決まり事は法律の事だろうか。今いる国はその辺り結構整っているみたいなのでしっかりしていて良いと思う。


『ところでこの並べられた食材は今から食べられるのですか?』

「こんなに食べれないよ。これに入れるといっぱいいっぱいだなって話してたところ」

シュウ兄いるから食べるのも不可能ではないかもしれないと思いつつ保冷庫を指差すと、リズルは不思議そうな顔をしている。

『皆様お持ちの鞄をお使いになればよろしいのでは?』

「あ」

そういえば鞄は全部収納魔法がかかっているのと空間内は時間経過に関係無い状態、時間が進まないのだと来たばかりの時に説明された様な。

「持ち運びの為の物だから頭になかった」

「鞄に家のモン保管するってのも変な感じだな……」

リズルの助言に従って空けた鞄に出していた食材を入れると全てきちんと収納された。どれだけ入れられるのか本当に気になる。で、そのまま鞄を放置するのもなんとなく気が進まず、鞄を保冷庫に放り込む事にした。リズルはそんな事しなくても大丈夫と言っていたが、要は気持ちの問題である。



因みに収納魔法はこれを出そうと手を入れたら該当の物が何故かちゃんと手に取れる。使うのにあまり意識していなかったけど随分便利な機能が付いていると思う。

一応その世界の呼び名みたいな物を設定していても読み手からすると読みにくそうなので基本分かりやすくそのまま使用してます。異世界での呼び名はたまにルビで付けておきます。

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