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いきなり転移


春、高校入試を終えて無事志望校に合格した俺は、今日入学式を迎えた。既に入試や合格発表、入学前のオリエンテーリングと何度か高校には行っていたが、今日からは通学となるのだ。正直、俺の成績では難しいレベルの高校だったが文字通りの死力を尽くした結果、合格を勝ち取ったのだ。本当に嬉しい。未だ15歳だが人生やりきった気分だった。


さて、では記念すべき初登校、行きますか♪

朝食を食べた俺は玄関の鏡で身だしなみを確認し家を出た。因みに両親は共働きで既に出掛けた後だ。母さんは入学式に付き添うつもりだった様だが仕事を休ませるのは悪いので断った。中学校なら未だしも高校生だしね。


家を出てすぐ「おはよう!」と声を掛けられた。幼馴染で近所に住む朝井美姫(あさいみき)だ。名前通りの凄い美少女で頻繁に芸能事務所からスカウトされてる有名人だったりする。

俺も「おはよう、ミッキー」と挨拶を返して美姫と合流して歩きだした。因みに幼馴染で恋人同士ではない。美姫には小学校時代からずっと仲良しの男が居るのだ。それが「おはよう!」と今、俺達に合流してきた上田正義(うえだまさよし)だ。こいつもやや離れては居るが近所に住んでいる。

そしてこの二人は地元では超有名人だったりする。

正義もイケメンで小学校時代から女の子からの告白された回数は多分五十回位は有るだろう。因みにこの数の根拠は俺に仲介を頼んできたのがそれ位だからだ。勿論、二人の仲を知ってる俺は断った。結果、俺は嫌な奴として女子からの人気は最低である…まぁいいけどね。中学時代に二人が恋人同士なのを公表してからは流石に仲介を頼まれるのは無くなったが、俺の人気は最低のままだ。フツメンの俺がモテる事は未来永劫無いのかもしれない。

同じ歳で幼稚園時代からの知り合いだった俺は幼い頃からずっと二人を見てきた。

所謂、少女漫画とか映画みたいな恋物語が展開される行く末を最後まで見てみたい。動機は不純だったかもしれないが、平凡な俺は二人と同じ高校に合格する為にかなり無理をした。そして今、俺は二人と一緒に初登校している。俺は二人と喋りながら幸福感に包まれていた。因みにお邪魔虫という訳ではない。一緒に登校するのは二人からお願いされたからだ。二人きりだとヤバいからと…一体ナニがヤバいかは不明だ。まあ想像はつくけどな。


そして、間もなく学校に着きそうな時、それは起きた。


不意に地面が光ったと思ったら落とし穴に吸い込まれるような感覚、そして、全身を激しい衝撃が襲い俺は意識を失った。


気が付くと俺達三人は薄暗い石造りっぽい建物の中にいた。俺以外の二人は未だ気絶したままだ。取り敢えず俺は正義を起こそうとした。少し肩を揺すっただけで正義は目覚めた。

「ケン、一体ここはどこだ?病院には見えないが何が起きた?」

「俺にも訳が分からん。取り敢えず美姫を起こそう」

「そうだな」


美姫も正義が軽く肩を揺すると目が覚めた。

「一体何が起きたの?事故かしら?」

「いや事故ではないと思う。ケンはどう思う?」

「俺も事故ではないと思う。多分これって召喚ぽい」

「ショウカン?」

正義は分からない様だが美姫は気づいた様だ。

「そういえば地面が光ったけどあれかしら?」と思い当たった様だ。取り敢えず正義に簡単に召喚を説明する。

「成る程な。しかし誰も居ないのは何故だ?呼んでおいてこれは無いだろう」

「そうね。確かにこれは変だわ」

周辺を調べてみたが出入口らしいのも見当たらない。石壁が淡く光っているから視界が無い訳ではないが、いつまでもここに閉じ込められていては堪らない。

さて、どうするか?


ふと思い付いた。そういえば召喚と言えばお約束のステータスとかどうなっているんだろ?

「正義、美姫、ステータス見れないか?」

「ステータス?どうやるんだ?」

「口で言えばいいの?それとも念じる方法かしら?」

どうやら美姫は異世界召喚物を知っているらしい。そういえばラノベとか好きだったな。

「取り敢えず口で言ってみようか。三人一緒にさ」


「よし、それじゃせーの」


「「「ステータス」」」


するとお約束のステータスが三人の前にそれぞれ表れた。



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