乙女達に迫る危機
最強決定戦本戦が開始されてから数十分
各場所にて激闘が繰り広げられるなか
ぼわぁっ!
とある場所に霧のようなものが発生していた。
その霧の中には…
詠美「うぅっ!? 」
裏霧「さぁ、自分の心に素直になりなよ 」
一刀の所属するウェレスチームの詠美と真・光魔学園の裏霧高盛がおり、詠美が頭を押さえながら苦しんでいた。
裏霧「俺にはわかる。あんたは同じチームの徳河吉音をひどく恨んでいるとね 」
詠美「違う!!私は吉音さんを恨んでなんかいない!! 」
裏霧「違わないさ、あんたは心の奥底では徳河吉音を恨んでいる。正直になりなよ 」
実を言うと裏霧の言っていることは間違っていなかった。
吉音は次期生徒大将軍という約束された将来がありながら自分は将軍にふさわしくないとの理由で大将軍を辞退し、第二継承者である詠美が次期生徒大将軍候補となった。
だが詠美はそんな吉音の軽い態度が許せずひどく嫌っていたのだが、八雲と接触していくうちに二人の関係が仲良くなっていったのだ。
しかし、まだ詠美の心の中にはそれでも吉音を許さないという気持ちが僅かながら存在していた。
裏霧「約束された将来がありながらそれを拒否した徳河吉音が憎い!約束された将来がありながらそれを拒否した徳河吉音が憎い!… 」
詠美「うぅっ!? 」
霧が立ち込めるなか、裏霧の言葉を聞かないようにする詠美であったが、耳を塞ごうが何をしようが裏霧の言葉が詠美の心の奥底に響いていた。
真・光魔学園
裏霧高盛
その能力は相手を惑わす霧を発生させて同士討ちをさせる
チームで戦う最強決定戦だからこそ有利な手であった。
裏霧「(あと少しでこいつは完全なる俺の僕となる!) 」
このままでは詠美が裏霧に洗脳されてしまう。
そう思われたその時!
キィンッ!!
霧の真上が光ると
合身吉音「詠美ちゃーん!! 」
ドオォーーンッ!!
霧の真上から剣魂合身した吉音が落ちてきた。
裏霧「なっ!? 」
詠美「吉音さん!? 」
あと一歩だというのに吉音の登場で詠美にかけていた洗脳が解けてしまった。
合身吉音「間に合ってよかったよ。みんなを探そうと空を飛んでたら詠美ちゃんが襲われてるのを発見したからさ 」
実は吉音、目がかなりよかったりする
合身吉音「それじゃあ詠美ちゃん、二人であいつをやっつけちゃおう! 」
詠美「えぇ、そうです… 」
裏霧の企みは終わったかに見えたのだが
ブォンッ!!
合身吉音「えっ? 」
詠美「なっ!? 」
いきなり詠美が吉音目掛けて刀を振るってきたのだ。
合身吉音「ど…どうしちゃったの詠美ちゃん!? 」
詠美「私にも訳がわからないのです!?体が勝手に動いて… 」
すると
裏霧「どうやら精神までは乗っ取れなかったが体の方は乗っ取ったようだな 」
裏霧がそんなことを言い出した。
裏霧「だがそれで十分だ!仲間同士で殺し合いをしてろ! 」
ブォンッブォンッ!!
合身吉音「やめて!?やめてよ詠美ちゃん!? 」
詠美「私は攻撃したくないのですが体が勝手に動いてしまうんです!? 」
このままでは吉音VS詠美の殺し合いが始まってしまう。
詠美「(私の手で吉音さんを殺すわけにはいきません!各なる上は…) 」
何かの策を思い付いた詠美は
詠美「(体よ、一瞬だけでいいから私の自由に動いてください!) 」
そう詠美が願うが
バッ!
体は吉音を倒すべく飛び上がった。
だが
詠美「今です! 」
ぐいっ!!
詠美は体を無理矢理曲げたのだ。
裏霧「体を多少曲げたところで無駄なことを 」
詠美「それはどうでしょうかね 」
するとその時
シュッ!
詠美が体を曲げた先に光の柱が出現した。
裏霧「なっ!? 」
詠美「計算通りです 」
ランダムに出現場所が変わる光の柱の出現場所をピンポイントで当てた詠美
スゥッ!!
合身吉音「詠美ちゃん!? 」
そして詠美が光の柱の中へ入った瞬間
『チームウェレス 徳河詠美選手脱落』
詠美のリタイアが響き渡った。
裏霧「ちっ!同士討ちが見たかったのに!!まぁ一人減らしたからよしとしよう。では次だ 」
サッ!
合身吉音「詠美ちゃん!? 」
目の前で詠美が脱落して吉音がショックを受けている間に裏霧はこの場から逃走するのだった。
一方、他の場所では
蠱蜘蛛「さぁお姉さん、おいらと遊ぼうよ 」
わさわさわさぁっ!
桃香「ひいぃっ!? 」
全身に虫を纏わせた真・光魔学園の蟲蛾蠱蜘蛛が桃香に迫り
愛紗「姉上!?貴様、姉上から離れろ!! 」
桃香と共にいた愛紗が桃香を救おうと向かうが
カキィンッ!!
愛紗「なっ!? 」
祭林「祭りの邪魔しちゃいかんぜよ! 」
愛紗「くっ!? 」
そんな愛紗の一撃を同じく真・光魔学園の祭林鷲雄が太鼓のバチで受け止めてしまった。
蠱蜘蛛「劉備桃香、お前はおいら達が尊敬する光魔先生を滅ぼした北郷一刀と同じチームであり張本人だったねぇ 」
桃香「わ…私は別に何も!? 」
正確には当時、学園対抗武道大会の時、焔の襲撃により愛紗達武闘派の女学生が出場できなくなり、無事だったのが恋と桃香だけだったため仕方なく桃香は大会に出場した。
蠱蜘蛛「光魔先生の恨みはおいらが晴らしてやるよ! 」
ブォンッ!!
ブゥンッ!!
桃香「は…ハエ!? 」
蠱蜘蛛は桃香にハエの塊を投げつけ
ブゥンッブゥンッブゥンッ!!
桃香「ま…前が見えない!? 」
視界を防がれてしまった上に羽音で周囲の音が探れなくなってしまった。
そんな桃香に蠱蜘蛛は密かに近づき
蠱蜘蛛「食らいな!! 」
ブスゥッ!!
桃香「きゃあっ!? 」
蠱蜘蛛は桃香の体に針のようなものを突き刺した。
愛紗「姉上!?貴様、そこをどけ!! 」
愛紗は桃香を救いに行くべく前を塞いでいる祭林に向かって叫ぶと
祭林「祭りは一旦閉幕じゃ! 」
サッ!
愛紗「は? 」
何と!?祭林はすんなり愛紗を通し
蠱蜘蛛「それじゃあまた会おうぜ! 」
ババッ!!
蠱蜘蛛と共に去っていった。
愛紗「何だったのだ?それより大丈夫ですか姉上!? 」
愛紗は攻撃を受けた桃香に近づくと
桃香「うん。刺された腕が少しだけ痛いけど他は特に異常はないよ 」
愛紗「そうですか、それはよかったです 」
実はこの時、刺された箇所が紫色に変色していたのだ。
この事が後に桃香を大変な目に遭わせるだなんてこの時は想像もしなかったのだ。




