続
―前回までのあらすじ―
突如起きた大地震とともに調査スタッフとして常駐している研究員達が失踪するという事件が、時の寺院で起こった。事件を究明すべく魔導院より派遣された拾壱課、拾弐課、拾参課そして魔法が使えないものの、コネで来た無魔の零課。エリートの拾参課に冷やかされるものの派遣隊隊長よりアルファチームのサポートの仕事をもらう。現地に到着してしばらくするとベータチームから怪物と戦闘に入ったという交信だけで通信が途絶え、現場には魔法では出ないはずの焦げ臭さが残っていただけだったと報告が入る。アルファチームは各々の思いを胸に時の寺院へと足を踏み入れていった。
―時の寺院 地中地点―
地下へと続く回廊を下って、もう何時間が過ぎたのだろうか。ここは回廊というよりか、洞窟のような階層となっている。ぽつぽつとある穴からは深層部分がほのかに明るくなっているのが見えた。
「どうしてあそこが明るいんです?」
と、ガウェインが尋ねる。
「この寺院の地下にはもともとマグマが流れているらしい。その中の一部のマグマは地上にも噴き出していてな、恐らく地下のほうでも吹き出ていて明るく見えているんじゃないかな。」
と、ロレンが話す。あくまでもロレンの仮説だがガウェインはそのほのかな明かりに感心した。数分歩いて門のようなものが現れた。扉は風化によって無くなっているようで簡単にくぐることができた。
門をくぐると辺りの風景ががらりとかわった。今までは洞窟だったのでごつごつした岩肌だったが、ここは遺跡や洞窟などと違って画廊の様だった。壁に絵がずらりと描かれているのだ。絵はこの建物が丁度造られた時代であろう人々の暮らしなどが描かれていた。農業、産業、日常の暮らし。どれも豊かな暮らしを送っていたように見える。だが途中で、他とは突出して違うものが描かれた絵が現れた。
「これは、なんだ・・・?」
と、隊の一人が言う。壁画には崩れゆく都市の中心に巨大な何かが描かれていた。
「古代人の神話か何かかな?なんだろこの真ん中にいるでかいのは。」
とチーム長が言う。しかしカインは感じた。自分はこの光景を見たことがある、と。
(なんだこの絵は、僕は知っているような気がする。そんなことはないはずなのに。なぜ謎の多い古代人の神話を知っているんだ。そもそも神話なのか?)
そうこう考えているとカインは周りに人がいないことに気付いた。置いて行かれたのかあのくそ副局長、人が考え事しているのを放置プレイとはいい度胸だなと、後でどう懲らしめようかと考えながら前へ進み始めた。しかしカインは気付かなかった。自分の置かれている状況を。消えたのはアルファ隊ではなく、自分だということを・・・
数分歩いてカインは、いよいよ異変に気づき始めた。いくら歩いても合流はおろか、前にも進んでいるのかわからない。
「おーい」
カインの声は、空しくも虚空に消えていく。
「てか、僕階段のとこにいなかったっけか?いつからこんな廊下にいたんだ・・・。」
確かに壁画は階段の中腹にあったがなぜ今、廊下にいる。そんな天然キャラを追加した覚えはないぞとブツブツ呟きながら歩いている。
もうどれほど歩いたのだろうか一向に出口や階段にたどり着かない。もう体力も限界かなとペタンと地面に座り込む。どっと睡魔が襲ってきた。
「最初から動かなければよかったな。八方塞がりとはこのこと言うのだろうな・・・。だからと言って、何もしないのはまずいしな。ところで、さっきから誰かの声がするんだけどな・・・一体何処からなんだろ。」
と、諸々の解決策を考え始めようとした時には、既に深い眠りに落ちていた。
―時の寺院 ???―
「起きてください!いつまで寝ているのですか?まったくこの人が新しい主って滅入りますねぇ」
知らない声が聞こえる。隊の者が迎えに来たのか?まだ、瞼が開かない。
「んー、迎えに来たか?」
「何寝ぼけているのです?早く起きてください。伝説の精霊様が新しい主様を起こしてあげているのですよ?」
なにとぼけたことを言っているんだ。こいつ何もんだよと思いつつ、やっと開けられるようになった目をゆっくりと開くと、驚くべき光景を目の当たりした。
「やっと目を覚ましたね。まったく、この先不安ですね。」
「!?」
何が驚いたかって?喋っているんだぜ、足の生えたマグロが。
「しゃ、喋った・・・。」
いまだに今の状況が分からない。やっとのことで出た言葉もしどろもどろだ。
「何を言っているのですか。私は精霊ですよ。当たり前なこと言わないで下さい。」
と、生足のマグロは胸を張って言ってきた
「い、いやいやいやいや」
「主様、そんなに否定されても困ります。」
溜息交じりでマグロは言う。しかし落ち着いて見たらこいつ可愛いかもしれないな・・・いかん頭がおかしくなりかけた。
「お前さっきから主様主様言っているけど、何のことだ?僕は魔法なんか使えないんだぞ?ましてやお前の言う精霊使いの魔法は特異の中の特異、伝説並みだぞ?僕が知っている限りだと最後の精霊使いは今から一千年前だったような」
「何を言っているのです?主様はその一千年前の精霊使い、リュカ様の意思が宿っているのですよ。」
待て、意思を宿している?しかも一千年も前の知らない魔法使いの。あれこれと考えを巡らせていると、クスクスと笑う声が近づいて来た。
「ゼラ君、そんな一方的に喋ったって分かるわけないよ。まず、彼はここがどこだかさえ分かってないんだから。」
声の主は、ここに迷い込んでから初めて見る人間。カインとは同じくらいの青年だった。
「リュカ様、事はそんなのんびりとしていられないのですよ?」
リュカ。彼がこのマグロが言っていた僕の体に宿る一千年前の魔法、否、伝説の精霊使い。彼は僕をなめるように全身を見ながらマグロに言った。
「ゼラ君は変わんないねぇ。まだ君、自己紹介もしてないでしょ。」
マグロはそういえば、というような感じの顔をして改まった感じで僕の方に体を向けてきた。
「遅れましたね。私の名前はゼラ=ルベオス。リュカ様のようにゼラとでも呼んでください。主に水の力を司っている精霊です。ちなみに、この魚の姿は仮の姿なんです。普段用ってやつですかね。戦う時にはものすっごくかっこいい海竜になるんですよ。」
ゼラと名乗ったマグロは自慢げに胸を張っている。だけど、こいつオスなのか?メスなのか?
「いまこの子の性別気にしたでしょ?精霊には性別って概念がないから。見た目も精霊の気分で変わるみたいだよ。ゼラ君の言う通り、あくまでもマグロの姿は仮なんだよ。」
彼はニコニコしながら言った。このリュカって精霊使いもなんだか不気味だ。さっきからずっとニコニコとした顔しかしていない。
「そんな警戒しないで、僕の自己紹介はまだだったね。僕はリュカ、今から大昔のこの地で魔法使いをやっていた者さ。そして、君であって君じゃない存在。」
ただでさえ魚がしゃべっていることで混乱しているんだ。やはりマグ・・・いやゼラが言ったように僕の意思に宿っているのか、『君であって君じゃない』というのは恐らくそういうことが言いたいのだろう。
「はは、そんな反応も無理もないね。君は言わば僕の思念体が本来の君に乗り移った存在。いつ宿ったのかは僕にも分からないんだ。生まれた時からなのか、それとももう少し成長してからなのか・・・。だから、詳しい君の存在は僕にも分からないんだよね。なぜ君に乗り移ったのかもね。ただ分かる事は僕が僕自身の状態に気付いたのはついさっき遺跡に入った時からかな。それまではずーっと浮いていた感覚だったよ。」
「あは、あはは、あはははははははは。」
僕には笑うことしか出来なった。状況があまりにもこんがらがっている。それを見たリュカは
「確かに混乱するのも分かるけど僕も良く分かんないんだ、今の状況が。ゼラ君が教えてくれたからなんとか落ち着いていられるけど。そもそもゼラ君が知っていて、僕が知らないなんて不公平だ!ゼラ君僕に何かしたんでしょ、相変わらず性格悪いんだから」
ムスッと口を尖らしてそっぽを向く。ゼラはそんないじけるリュカをなだめる。しかしさっきからリュカは僕が何も言っていないのに僕の疑問に答えている。
「なぜリュカは僕の心を読めるんだ。今そう考えたでしょ。」
なだめれていたリュカはゼラに背を向けるように地面に指をツンツンしながら言った。
「僕は君の精神、思考と直接つながっているんだよ。君の考えも分かる。妄想までも分かるんだから、いかがわしい事考えないでね。でも、見た目は明るい子なのに中身は随分と腹黒いね、上司とかにこんなに不満抱えているなんて、見た目とは裏腹に怖いねぇ。」
彼はそう言って立ち上がりこっちを向いてニコニコする。そして足元でさっきまで自分自身をなだめていたマグロに一蹴り入れる。おー良く飛んだ。
しかしリュカが僕の思考にリンクしているのを聞いた限りだとやはり僕に宿っているようだ。しかしもう少し奴の事を追及しなくては。
「まあ、前置きはともかくここからが本題。僕の正体も含めて知りたいなら、力を貸してくれ。」
リュカは急に真面目な顔になり、言った。さっきまでのにこやかな笑みは嘘だったかのように。
「そんな顔をするなんて、随分と深刻な問題のようだな。一体何を手伝えって言うんだ?」
「君は四英雄の伝説を知っているかい?太古より昔、世界に厄災が襲った。地上は焼け野原と化し、人々は己の未来に絶望しか感じなくなった。そんな中四人の英雄が現れた。厄災はその四人により払われ、民は安息の土地へと導かれた。その後、人々を救った英雄達は消息を絶った。ってお話なんだけど知っている?」
それを聞き、カインはふと眠る前に見た遺跡の巨人を思わせる壁画を思い出した。
「あの壁画は助けられた古代人が遺した表の歴史ってやつさ。ちなみに君が今思い出したのはその厄災の時に現れた魔人ね。」
ニコニコした顔に戻った。僕の考えを覗き込むいけ好かない奴め!やりにくくて仕方ない・・・まあいい、今の話を聞いて引っかかる事がある。
「表ってことはつまり裏の歴史もあるんだろ?」
それを聞いたリュカは大正解と言わんばかりの顔で答えた。
「そうそう。そんなとこなんだけど、厄介な客人のようだね。」
そう言って、彼は廊下の奥の方へと目をやった。
その視線の先では奇妙な鳴き声で何も無い空間を歪ませズブズブと音を立てながら現れた。見た目は人間の様に二本の足に二本の腕をした体だが、手がドリルの様に尖っており、顔も口がパッカリと開けている。目も無いようだ。そんな得体の知れない怪物が目の前に三体沸いてきた。
「何かを思い出そうとすると、思い出せないことがあるだろ?そいつらはどうやらそれらの思い出せない記憶が具現化した化け物みたい。人の記憶を喰らい生きる糧とするらしくて、ゼラ君はリコーラーって名付けたみたい。」
さっきの真剣に一千年前の歴史を語っていた彼は一体どこに行ったのだろうか、今は僕の記憶を覗き込んでいる時みたいにニコニコしている。ここまでくると彼の笑顔が怖い。
「っておい、そんな事言っている場合じゃないよ!要は敵なんだろ?僕らを襲ってくるんだろ?笑っている場合か!?」
慌てるカインとは裏腹に、リュカは相変わらずの笑みを浮かべている。
「君はお忘れかい?僕らには優秀な味方がいるってことを。」
と視線をリコーラーから移した。そこにはさっき飛んでいったマグロが横たわっていた。
「って、完全にその優秀な戦力を自分で蹴っていたよね!どう見ても燃え尽きてるよ!」
カインのつっこみを受けてもなお、リュカは余裕綽々という感じに不敵な笑みを浮かべている。そんな姿を見てリコーラーの一匹が痺れを切らしたのか襲い掛かってきた。もう駄目だ、やられると思ってしゃがみこんだそのとき突如地面から氷柱が現れる。その柱は見事に一匹のリコーラーの体を貫く。一瞬の出来事に仲間を殺されたリコーラーも状況が掴めずにうろたえる。カインも助かったのかと、ゆっくりと顔を上げる。
「まったく主様、いじけて人を蹴り飛ばすのは控えてほしいですね。倒したはずのマグナゾルダが火を噴きながら襲い掛かってくる幻覚を見ましたよ。」
知らない名前を言いながら死んでいたマグロが起き上がる。それを待っていたかのようにリュカが白い歯を見せる。
「そんな魔人もいたねぇ。最終的にゼラ君が凍らせて粉々にしたんだよね。」
相変わらず笑顔でとんでもない事を言う。せっかくの非常食も起き上がってしまったので食べられない。
「って痛ッ!てめぇ魚の癖して人間様に手あげるなんて宣戦布告か?人類相手に宣戦布告か?」
このマグロまで人の心が読めるのか、僕の顔に氷のつぶてをぶつけてきた。
「人類相手取るなんて容易いことです。非常食扱いされるぐらいなら滅ぼしますよ。非常食扱いするカイン様には、挨拶程度に本来の姿を見せてあげましょう。」
と言っておもむろに腕をちぎり始めた。
「っておい!何で腕ちぎってるの!真の姿ってあれ?魚的な意味の?マグロ的な姿に戻ってもその足のせいでマグロには絶対見えないから!」
そんなつっこみを、やれやれとした顔をしながらもくもくとゼラは自傷行為を続ける。すると突然そのマグロの体が輝き始めた。その輝きの中みるみるとマグロのシルエットは形を変え巨大化する。リコーラーもその輝きに目を眩まし怯む。輝きが止み、そこにいたのはもはやマグロではなかった。絵本などで見る創造の産物。魔導院からも現在は存在しない生き物とされたモノ。
「マグロは仮の姿ってリュカ様言いませんでした?あっちの方が敵に弱いと思わせられるんですよ。何より可愛いらしいじゃないですか!」
やや興奮した声でそう言っているがそこにいたのはマグロではなく紛れもなく竜だった。
これが精霊の力。海竜と言っていたが物凄く禍々しい姿だ。すべてをなぎ倒せそうな尾、万物を切り裂く為であろう巨大な爪、そして竜特有の鋭い角と牙。特異の中でも最強クラスと言われ太古の昔に喪失したとされる力。実際に見ると想像を絶するものだった。仮の姿とはいえ、あの一瞬で氷柱を作り出し敵を倒した。だが今はその仮の姿とは違う。力は未知数だ。
「ゼラ君って凄いでしょう。僕も仲間にするとき大変だったよ。島国一個壊しちゃったんだよね。だけど何とか説得させて仲間にしたんだよ。僕の元に来れば中トロが好き放題食べれるよって。」
さらりと笑顔でとんでもない事を言わないでほしい。というか、島国一個消す力の持ち主が寿司で釣られるのはおかしくないか?仮の姿マグロだよ?ゼラの中でマグロはどういう扱いなんだ?
「ほら、カイン様。敵も戦意が復活してきたよ。仲間を殺されたことにようやく怒ってくれたよ。構えて下さい。そしてオーダーを!」
キィキィとリコーラーが鳴き声をあげる。実戦未経験でも分かる相手から飛んでくる気。其れは紛れもなく殺気。奴らは本気で殺しにかかってくる。これは紛れもなく実戦なのだ。僕はその死と隣り合わせの状況に直面し不意に恐怖に襲われた。
「構えろと言われても無理だ!実戦経験無いんだぞ僕は!」
「命令するだけでいいんですよ。戦えと、眼前の敵を消しされと。」
このマグロだったモノ、さっきの温厚そうな性格何処行ったんだ。血気盛んになってるじゃないか。ここはもうこいつを信じるしかなさそうだ。さもなければ僕が死ぬ。あのリコーラーに刻まれるんだろうな。殺ったのは僕じゃなくてこのデカブツだって言うのにだ。意を決して僕は言い放つ。
「あぁわかったよ!言えばいいんだろう。戦え、あの敵を僕ら主たちの目の前から消すんだ!」
むしゃくしゃになっていた。リュカが横で嗤いながら小声でよく出来ましたと言った。本当に憎い奴だ。ゼラは了とだけ言った。ゼラから放たれた冷気がリコーラーを襲う。それを機に戦闘に入った。一匹のリコーラーがゼラに飛び掛る。しかしそれは無意味、ゼラの爪がそれを一閃。体は切り裂かれる。残ったリコーラーは怯まずに火球を繰り出す。しかしそれも呆気なく撃ち落される。そんな哀れなリコーラーの攻撃を簡単に封じ込めたゼラは一言言った。
「これはお前らの私に対する勇気の手向けだ。受け取れ。」
直後急速に魔力が上がるのが感じられた。大気が震えるほどの魔力が今、目の前の竜に溜まっていく。敵はもはや戦意を無くしていた。逃げる事も出来なかった。ただただ己の死を受け入れること、それが唯一出来る事だった。大気の震えが止まった。竜が息を大きく吸い込む。背中には何重もの魔法陣が浮かぶ。そして吐き出す。轟音とともにリコーラーに向け吐き出されたモノが飛んでいき、敵を消し去った。リコーラーがいたほうの廊下は、もう崩れて先に進むことすら出来なくなっていた。竜はと言えば、もうマグロに戻っていた。僕はただ呆然と立ち尽くしていた。自分が欲しかった魔法の力、手に入れたのは凄まじい力だったと。しかしそんな事を関係ないようにリュカが口を開く。
「それでさっきの話の続きだ。裏の歴史の四英雄のこと。僕を含めてサマナー(精霊使い)、クリエイター、チェンジャーの三人ともう一人、ネクロマンサーがいたんだ。ここまで来れば分かるよね。僕ら三人はそのネクロマンサーのシダに殺されたんだよね。そいつの不老術の為に。僕らの魔力の元、不老術を完成。今もまだ生きながらえている。そしてここからがさっき言った、手伝って欲しいこと。シダが今しようとしている僕らが封印した厄災の開放を阻止して欲しい。僕以外の仲間を見つけて。」
ものすごく衝撃的な話をされた。
「おいおい、冗談じゃないぜ。」
僕はそう返すので精一杯だったが、彼はただ終始微笑みを絶やさなかった。
―ゼラがリコーラーを殲滅したと同時刻―
「私たちが四英雄の意思を宿しているですって?」
声の主は聞き覚えがある女のようだ
「カイン隊長は今そのうちの一人の精神世界に入っているんですか!?」
今度も同じく、聞き覚えのあるまだ若い男の声。
「ロレン副隊長は?ロレン副隊長も宿しているのですか?」
「残念やけどそのお兄さんからはうちら同業者のオーラは感じとれへんかったわ。恐らく白やね。」
「彼は本当に魔法が使えない人間。ただお前らの隊長と仲が良かっただけで拾われただけの存在なのだろう。」
最後の二人の声は聞き覚えのない声。場の空気が重くなる。
To be continued