そして、終わりへ
こどもの日――端午の節句になんちゅうもんを・・・という感じですね。
突入への紛争・戦闘シーンはもうないです。短いです。
和樹が己の非情さを見せつけているところに、狩野組では小規模なパニックが起こっていた。強襲自体は覚悟していたこととは言え、如何な方法からか外よりも先に内で闘争があったのだ。外部に戦力の大部分を割いていた為、戦力の移動が必要になったためだ。
外部から内部へと移動させるのにも時間は掛かる。その時間に、和樹は更に進んで取引が行われている二階へと進んだが、多勢に無勢――しかも一階からの増援まであり、すぐに二階と三階の踊り場まで引き返し、拝借した銃で打ちあって、立ち往生となっている。
そこに屋上で和樹が垂らした縄を使いあがってきた味方と合流し、敵が程よく集まったところで、鞄から取り出していたフラッシュグレネードを敵の真ん中へと放る。
目の見えない烏合の衆を叩きながら、目的地まで進むことはそう難しくなかった。そのまま目的の部屋での制圧を終え、後続の味方と地上の味方で掃討戦に入る。
三十分足らずで、始まりから終わりは完了した。
人が死んだ。何人も。命の赤を垂れ流しながら。
杏華はこの日のことを、一生忘れることはないだろう。
とりあえずここで一旦表舞台は幕を引き、
最終章――舞台の終わった後を描いて、終わりとします。




