会場の中では
シンデレラは、このように賑やかな場所は、苦手っぽいです。
会場の中に足を進めると比べものにならないほどの貴族がたくさんいた。
すごい人の数だわ……
カイル様ともはぐれないようにしないと…
…
私が、ここに来たくなかった理由の1つにこの人の多さだ。
街中と比べものにならないほど同じ場所にみんな集まっているのがどうしても、私には窮屈に感じた。
「お母様達は、どこでしょうか? 」
「まだ、見つからないないんだよね。探しているんだけど……いた!」
カイル様は、お母様達が窓側にいたのを見つけた。
「エレナ様、アンナさんにマリーナ。やっと見つけましたよ!」
「まぁ、カイル。お久しぶりね」
カイル様は、お母様達に笑いかけた。
「はい、エレナ様。シンデレラも一緒に連れて来ましたよ」
「あらっ、本当に? ごめんなさいね」
「いえ。僕も迷惑をかけてしまったので……」
「……? 」
お姉様達は、不思議そうにこちらを見る。
アンナお姉様が、私に尋ねた。
「ねぇ。シンデレラ? 水色のドレスはどうしたの? 」
「もしかして、気にいらなかった?」
「いえ、違います! 私の不注意でドレスをダメにしてしまって……ごめんなさい。マリーナお姉様」
私が、お姉様に謝るとお姉様は、慰めてくれた。
「そうなの? なら、いいわ。後で理由を聞かせてね? 」
「僕からも謝るよ。すまない」
「なぜ、カイルが謝るの? カイルが何かしたの? 」
「あぁ。僕ではないんだけれど……シャルがね。引っかいてしまったんだ」
「シャルが……」
「だから、謝るよ。飼い主の僕からも詫びる」
「わかったわ。気にしないで。カイルのせいじゃないでしょう?」
「そうだが……」
「なら、良いのよ? ありがとう」
マリーナお姉様とカイル様の周りに、花が咲いているように見えた。