2.時も場所も越えて
流れに沿って歩くと窪みがある、窪みにはツタがあり流れは根元へ向かっているようだった
降りて堆積した土を退けると一際太いツタが埋まっている
肉植物やモンスターの触腕ではない事を確認する為触れてみる
毒は?熱は?動きは?
昔見た本の危険基準なんてものを鵜吞みに確認する
「大丈夫そう?、なら次は根元か…」
よく見るとツタは張り巡らされており、それは木からの根のようだった
こんな硬い地面を割って生える自然の力に関心しつつ
腰に下げたナイフを取り出しツタへ突き立てる
すんなりと入ったナイフの切り口は一瞬にして広がり中から大量の液体が噴き出す
「うわ!」
突き立てたナイフが吹き飛ぶ程の水流により少年は尻餅をつく
窪みから抜け出そうとするが上手くいかない
それもそうだろう、ツタから出てきたのは樹液だからだ
踏ん張ろうとも摩擦が足りずどんどん窪みの中へ落ちていく
幸い樹液は水とともに下の空間へ流れているようで溺れる心配はなさそうだ
「あぁ~、どうやって上がろう」
全身びしょ濡れ、肩や肘の関節の防具は樹液で固まり動きずらいことこの上ない
気分ダダ下がり、ガン萎えである
ズズズッ
重い音が腹に響く、まるで巨大な石臼を動かしたような重く鈍い音
「ん?」
見渡すと今の今まであった憎きツタが無い
いや?違う!萎んでいる!
城とはいえ遺跡、遺跡とはいえ瓦礫
既に限界を迎えた土台をあのツタが支えていたとしたら?
様々な予感が頭に浮かぶが
とにかくこれは
まずい状態なのは明らか
「っ!」
登ろうと瓦礫をつかむが樹液で滑って埒が明かない
ピッケルを取り出し登ろうと隙間へ差し込む
しかし裏目に出た
「あっ」
差し込み登ろうと力をこめた時点で異変を感じる
あまりにも軽い…
差し込まれた瓦礫は剥がれ、少年は体制を再び崩し尻餅をつく
既に地盤は限界を迎え
一つの床は再び瓦礫の姿を取り戻すようにボロボロガラガラと音を立て始め
少年と共に向う 下へ 下へ
今思えば一瞬の出来事だったろう
しかし少年にとっては酷く長い一瞬を過ごしながら下へ 下へ
リングの場所へ




