救いの話 声劇台本
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神父♂:
シスター♀:
シスター「はー!教会の仕事サボって吸うタバコ美味しいですねー」
神父「何堂々とサボってるんですかこの不良シスター!!」
シスター「あ、痛い!暴力神父!殴らないでくださいよ!割と殴られたことあるけど!」
神父「あるんですか!?全く、本当にここに来るまでどんな人生歩んできたんですかあなたは……」
シスター「神父様には理解できないくらい酷い、と言いたいところですが、私、生まれはいい方ですね」
神父「まー、それは知ってますよ。元、貴族のお嬢様ですからね、あなたは」
シスター「そう。貴族のお嬢様の癖に、やりたい放題しすぎて、このちっちゃい教会に押し込められたんです。しくしく」
神父「その言い方の割に本当に自由ですけどねあなたは。タバコは吸うは酒は飲むわ。押し込められたなら、大人しくシスターの仕事してください」
シスター「まあでも、居心地良くは思ってるんですよ?」
神父「おや、なんかあなたからいいこと言われるのは薄気味悪いですね」
シスター「善性も悪性も持ったのが人間でしょ?神父様」
神父「一理はありますね。ちなみに、居心地いい理由は?どうせろくでもない理由でしょうけど」
シスター「宗教活動を仕事と言うくらい、神様を信じてるんだか信じてないんだかよく分からない、あなたが神父なので」
神父「……痛いところをつかれましたが、それがなんの理由になるんですか?」
シスター「私、神様や天国や地獄くらい、人間に都合のいいものはないと思ってるんです」
神父「一応神父をしてる人間としては聞き捨てならないですね」
シスター「だって神は、人間以外救ってくれないじゃないですか」
神父「またなんで?」
シスター「まるで人間の法律みたいな理由で、天国に行けるか地獄に行けるか決まるじゃないですか」
神父「……続けてください」
シスター「動物には、その聖書のルールは当てはまるのでしょうか?」
神父「なかなか良い問いですね」
シスター「そういうのじゃありません。……幼い頃、愛犬が亡くなった時、ふと私は考えました。愛犬は、ミントは天国に行けるのかって」
神父「なるほど」
シスター「幼いなりに聖書や関連書籍を読みあさりました。ミントが天国に行けるって、信じるために」
神父「……余程、愛していたんですね」
シスター「幼い私には、結局わからなかった。ただただ、ミントには関係ない話ばかり」
神父「……そういう時はね、都合よく神様を使うんですよ」
シスター「どういう事ですか?」
神父「信じるものは救われる」
シスター「……それは、聖書の言葉ですね」
神父「あなたが信じていれば、ミントさんは天国に行ける。神様は、案外融通ききますよ」
シスター「そんな人間に都合のいい話、許されるんですか?」
神父「あなたの方が余程信心深い」
シスター「そんなんじゃないです」
神父「素直じゃないですねー。神様にツンツンしても無意味ですよ」
シスター「だってそれじゃあ」
神父「信仰は人間のために、あなたのためにあるんです。それはあなたの言うとおり。そして、あなたが信じたいならミントさんは天国に行ったんですよ」
シスター「はは。本当に都合がいい」
神父「でも、その方が生きやすいでしょ?」
シスター「私が、頭硬かったみたいですね」
神父「不良シスターも、笑えば可愛いですね」
シスター「えい!」
神父「殴るな!」