6/8
集会の場所ー⑥
ピロン、とスマホが鳴った。
スマホを開くと、白井さんからだった。
「時間だから病院近くの広場迄来て欲しい」
ボスは親父やウェスカーさんと無事に飛行機に乗った事
飛行機の時間は無理だから迎えにいくとの連絡だった。
「時間か…」
名残惜しすぎる空間でなかなか離れられずに居た。
弱々しくなったゆきんこの手を両手で包み優しく握る…
「俺も頑張るわ……戦闘面無理そうだけどさ。俺に出来る事頑張る…」
決意のように、ゆきんこへ言葉を口にした。
「ゆきんこも頑張れ、待ってる。ずっと待ってる……」
握る手に少し力が籠る。
「…きっ、ちゃ……」
「…?!」
小さいが、懐かしい声に顔を上げる。
だが、ゆきんこは眠ったままだ…
「………寝言かよ」
期待させといて、お前は本当に…
でも、聴きたかった声が聞けた。
幸せそうにむにゃむにゃと眠るゆきんこを見つめ、
「ゆきんこ、またな」