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【 promise 】~貴女を待ち続ける~  作者: 灯閖
【 安城 成 の 日常 】
5/8

集会の場所ー⑤



長い拘束時間の末、

ボス同士での会食が始まった。

ALLINのアジト以上の会場ホールの中にバイキング形式な料理の置かれたテーブルが何個もある

こういうのよく漫画で見たな、と思いつつ

俺はボスが食べたいものを持って行ったりと殆んど食べずに動き回っていた。

ボスは各ボスへの挨拶を終えて

メインテーブルに腰かけてボス同士でブラックジャックをしている。

ボスの後ろで、色んな人からお酒を勧められて飲んだり

ボスの無茶ぶりで色んなボスと話をしたり…

もう飲み会のような状況へと段々変わっていっていた。

親父やウェスカーさんが居るから大丈夫かと思っていたが予想外過ぎる飲み会のような状況

これ、いつ終わるんだ…と少し嫌な予感が過る。



帰りの飛行機はPM:22時頃…

現在20時。

ここから病院に行くには急いでも1時間はかかる、往復で2時間。

現時点でギリギリだった…

すると、


ボスと目が合う。

ボスの目線が扉へ向かい、手をひらひらと振る。


  挿絵(By みてみん)


行け、と言われているようだった。


「ボス!ありがとうございます!!!」


大声でボスに向かってお辞儀をする。


「うるさw」


周りの人の驚いた声と、機嫌の良いボスの声を聞いて扉に走る。

間に合え、

少しでもいい、頼む。


会場を出て、白井さんが手配してくれていた車に乗り込む。

スマホで直ぐにナビを設定して

満天の星が輝く中、猛スピードで車を走らせた。


綺麗な景色を堪能してる余裕がないくらい、現在地と病院の距離を気にしてしまう。

ナビと時間を見ては焦りが募る。

ここまで来たんだ。絶対会うまで頑張る…

ハンドルを握る手に力が籠った。




だんだんと煌びやかとは言わない、平和な街中へと景色が変わっていく。

ナビを見て近くに病院がある事を示し始め

俺はひたすらにゆきんこのいる病院を探した。


すると白井さんから教えて貰っていた大病院と言われる程の大きな病院が見える。

大病院、三階の302号室、小部屋。

この時間だ、面会時間も無理…

正面からは端から無理だと思っていた俺は

車や壁を使って三階に侵入する。

悪い事をしているのは重々承知していたが、ギャングだしな…

忍者か暗殺かと思うくらい、俺はバレないように慎重に病院に潜入した。

警備員すら居ない事に逆に心配する程だったが、

中で度々巡回している看護婦の目を盗みながら

302号室を探す。


静かな病院内で、302冬野雪というプレートを見つけ

安堵と緊張が走る。

何か月振りだろう。

ゆきんこは寝てるだろうか…元気だろうか…

色んな感情が巡りながら、立ち竦むのも危ないと感じ

静かに扉を開け病室に入る。


ポタッポタッと、点滴の小さな音…

そして、強い薬品の匂いの中に香る花の匂い。

カーテンに覆われたベットに一歩一歩近寄る…


シャーと、静かにベットのカーテンを開けると

そこにはスヤスヤと眠るゆきんこが居た。


綺麗な水色の髪…

あれから、大分痩せたように思う。

肌も唇のピンクが目立つ程、白くなっていた…

生きているのか不安になる程、

弱々しい姿がそこには横たわっていた。


「ゆきんこ…」


ベットの横に腰かけ、頬に触れる。

冷たい肌ではあったが、息をしている事に安堵する


「ゆきんこ」


頭を撫でる。

返事はない…

スゥスゥと寝息が聞こえるだけで熟睡していた。



「頑張ってんのか、ゆきんこ」


久しぶりのゆきんこに何故だか涙が出そうだった。


「お前、寝るの早いもんな……起きねーか」


目を覚まそうとしないゆきんこの頭を撫でながら、髪に触れる。


「声、聴きたかったわ…」



”どこが好きなん?”

”髪が綺麗、声が可愛い”


久々に感じたかった。




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