集会の場所ー②
それからというものの、俺は集会の準備で忙しい日々を過ごした。
ボスに言われた事、物を用意したりバタバタとしている
俺のキャパは大分イカれていた
「あ~んじょっ!」
「おお、天草。久しぶり」
「聞いたよ~ボスと旅行行くんでしょ?」
「いや集会やね」
「旅行みたいなもんじゃん。いいな~~」
「大変よ?」
「安城一人でやってんの?」
「まぁ雑用は一人やね」
「ほ~~頑張ってんだ。俺も行きたかった~~日本だっけ」
「そう!」
「ゆきんこ会いにいく?」
「もう皆聞くじゃんw」
「まじ?wwでも気になるやんw」
「まぁそうか」
この準備期間ボスからの報告もあってUBを差し置いて俺が選ばれた事
その理由が大体、場所が日本だからで皆が納得していた
そして事あるごとに皆から聞かれる質問…
ゆきんこに会いにいく?
「ボスの予定もあるからさ、正直……時間あれば、会いに行くと思う」
「そこは絶対会いにいくって言えよ~」
「まぁまぁまぁ…」
言いたいよ。
でもって思うんだよな。
ゆきんこの事だからこそ、迷惑じゃないかとか、スケジュール調節どうなるかとか
闘病で頑張ってる中…会いに行っていいのか分かんねーよ
「あんなる?」
「はい?」
何日か前にもこんな光景で呼ばれた気がする…
「ゆきんこに会いに行かないの?」
「え?!なんすか急に」
「お前何の為に行くの?」
「え、待って待ってボスどういう事すか」
「お前がゆきんこに会いに行かないって聞いた」
「いや~……集会の時間、見ました?ボス」
「いや?」
スマホを開いてスケジュール帳を開いてボスに見せる、
結構なスケジュール時間の詰め合わせなのだ。
「これでゆきんこに会えるのかなって思って」
「夜行けるじゃん」
「いや、夜に会いに行くって迷惑じゃないすか?!」
「は?会いたくないのか?」
「会いたいっすよ!!」
テンポの良い言い合いについ本音が出る。
「じゃあ、行けよ」
「………」
「顔見るだけでもええやんけ」
「…はい」
「お前選んだ意味なくなるやん」
「そうっすよねぇ」
「ひよってんの?」
「……ひよってないっすよ」
「じゃあなんで元気ないのよ」
鋭い声色に反して、優しい言葉を掛けてくれるボスに妙に胸が苦しくなった。
いつもボスはこうやって優しい言葉を掛けてくれる
ゆきんこへの気持ちに悩んでいた時でさえ、
戦闘能力がない俺がどうALLINの役に立てるか悩んでる時も
いつだってこの人は……俺達のボスは…
「会いに行って、迷惑にならないですかね」
つい、ボスの優しさに弱音が出る。
「何言ってんのお前」
「いや…急に冷静になったというか」
「お前バカなの?」
「バカっすか…やっぱ」
「バカよ。男なら黙って会いに行けよ」
「……そう、っすよね~……ありがとうございますボス」
「ん」
いつもの満足した時のボスの返事だ。
やっぱりボスの言葉でうだうだと考えてる思考が
直ぐに素直に真っすぐと向かう。
そうだな…
会いに行こう。夜だろうが、少しの時間だろうが、
ゆきんこの顔を見るだけでも……
「後悔するのも嫌だもんな」
本当に俺は、ゆきんこの事になると同じ事で悩んでしまうらしい。