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【 promise 】~貴女を待ち続ける~  作者: 灯閖
【 安城 成 の 日常 】
1/8

集会の場所-①


※ストグラにてALLINで起こった事を

    妄想やIFを交えた

      架空のもう一つの物語として

             お楽しみください。



「あんなる、この日空けといて」


大型の終わりのチルの時間

ボスから淡々と言われたその言葉はまさかのボス同士の集会の付き添いの命令だった。


「俺がっすか?!」

「うん~……場所どこだかわかる?」

「え、分からないです」

「日本だって」


ボスのその言葉に身体がビクリと跳ねた。

日本…俺の出身国であり、ゆきんこが闘病してる場所だ。


「行きたいでしょ?」


布で覆われている口元がニヤリと笑った気がした

ボスのいつもの弄りだ…と思いつつ

本当はアンダーボスであるRBさんやチヨが選ばれるべき所に

そんな理由で俺を選んでくれるボスの優しさだと直ぐに感じた。


「行きたいっす」


あれからボスに嘘や誤魔化しをする事はない。

素直な言葉が俺の口から零れるように吐き出された


「ん。じゃあ、準備任せた」

「……え?え、ボス?!?!」


任せた、と言い終わる前に歩き始め車に乗ろうとするボスの後ろ姿にすぐに身体を翻し呼び止める、が


「ちょっと!!!ボォォスッ!!!!!?」

「くっwwwがんば~」


ボスの笑い声と共に逃げるように車のエンジン音が鳴り響きすぐにボスの車は何処かへと消えて行った。

これもまた部下の仕事、か…

ゆきんこに会えるかもしれない。頑張るしかないか

面倒だと思った頼まれ事が、不思議とゆきんこの顔を思い浮かべると消えていった…


「日本か…」


じわじわと実感する。


「頑張ってるかな……」


前にアジト前で眺めた空を見上げる

あの時も夕日が綺麗だった、なんてことを思い出しながら


「頑張ってるか」


妙に確信めいた言葉が零れる。

ぐぅーっと身体を伸ばして気合を入れ


「準備頑張るか。…あ、白井さんにも報告したいな」


ゆきんこを思うと必然とビックダディこと白井さんの顔も思い出す。

ALLINに入ってからゆきんことの事までずっと支えては相談に乗ってくれていた白井さん

ゆきんこに会えるかもしれないんだ、これは報告しないとだろうと思いスマホを開く

無線には居たから起きてるだろう、なんて事を考えながら電話をかけた。

ワンコールで


「はーい、もしもし」


寝起きなのか妙に低い声がすぐ聞こえた。


「出るのはやww」

「アジトで寝てた」

「めっちゃチルじゃん」

「そうよ。邪魔しないでくれる?」

「あ、そういう事言うんだ~」

「言いまーす!」

「じゃあ、とっておきの話しませーん!」

「はーい、邪魔じゃないでーす!」

「なんなんwww」


いつも通りの会話のテンポに妙に笑いが込み上げる。

この人は本当に、俺の扱いが適当過ぎやしないか?


「今まだアジトいるの?」

「いるよ~」

「ん~~……ヘリで散歩しながらでもいい?」

「ん、おけ~」


ブツ、と電話が途切れた。

すぐ来るだろうと思い海を眺めカクテルを飲みながらぼーっと待つ

丁度一杯が飲み終わる頃、


  挿絵(By みてみん)


「お待たせ~」


後ろから白井さんの声がした。


「ありがと。ちょっと話ある」

「おけ~」


こういう時、いつもはチョケる白井さんも俺に慣れたせいなのか真剣な話なのだと分かったらしい。

すぐにご自慢のヘリを出して隣にお邪魔する

いつもながら、慣れた手つき運転はプロのそれだ。

快適に夕日の空を飛んでいる中、変に話を長くする理由もないだろうと思いすぐに口を開く


「ボスがさ、集会の付き添いに俺選んでくれてさ」

「へ~、珍しい」

「うん。で、場所がさ~……日本なんよ」

「………あぁ~…」

「あんなる行きたいでしょ?って」

「まぁ、安城は行けるなら行きたいでしょ?」

「…うぅ~ん」


唸るように声が出る。

正直、ボスと話していた時は変な高揚感があった。期待と楽しみ。

だが今白井さんとこうして冷静になって話をしていると、


「白井さんはさ……ゆきんこに会いに行っていいと思う?」

「安城はどうしたいのよ」

「いやぁ………うーん。……俺さ、待ってるって言ったのよ、ゆきんこに」

「うん」

「ゆきんこも今向こうで頑張ってると思うんだよ」

「うん」

「それをさ……なんて言うんだろう、上手く言えないんだけど。俺が急に会いに行っていいもんかな?」

「まぁ~~~~ねぇ」


そう、モヤモヤし始めていた正体。

俺は、ゆきんこにここでずっと待ってると約束した。

その為にお互い頑張ってると、俺は信じて、俺も今まで頑張ってきたし…

それなのに、約束を破るような形をしてまでゆきんこに会いに行ってもいいのだろうか。


「でもさ」


モヤモヤと考えている中、白井さんがポツリと言葉を始める。


「お互いに大事にしてるのにさ、会える機会巡ってきたのに会わない方がなんか寂しくない?って思っちゃうんだけど、俺は」

「寂しい、か」

「安城はさ、ゆきんこと会えなくて寂しくない?」

「うーん……正直言っていい?」

「うん」

「あれから、寂しいって思った事は本当にない、んだよね。お互いに頑張ってるだろうなって思ってるからさ」

「うん、そうね」

「話したいなって……ここにゆきんこ居たら楽しいだろうなって、思うことはあるけど」

「じゃ~~~、会え!」

「会えwww」

「それはもう寂しいの部類に入りまーす!」

「入る?!」

「話したいな~居てほしいな~って思う時点で寂しい感情入ってまーす!」

「入ってるのか……」

「お前本当に何にも分かんないじゃんwww」

「だからこういう感情初めてなんだって!!」


ゆきんことの事を思い出したのか白井さんは盛大に笑い始める。

バカにし過ぎだろこの人…


「会いに行く、か…」

「俺はたまにジェット機で会いに行ってるけどね」

「は?」

「ん?」


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