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うちのパーティーの筋肉僧侶  作者: すごい一般人
第一章
6/8

6.罠

「ふぅ」


聖天(ホーリー•スペル)』。浄化魔法の最上位に位置する広範囲殲滅魔法の一つだ。攻撃性という面では邪な物に抜群の効果を誇り、範囲内の人間に対しては回復効果がある。その分術の行使に莫大な魔力に精密な魔力操作技術が要求され、聖職者としては発動ができれば上級と言われているが、ミーシャは僧侶、治癒術師だ。


「さて、次の階層に進みましょうか。ポーションください」


「う、うん」


「」


目の前で高位の術を披露され、何事もなかったかのように振る舞われては反応に困る。




~第五階層~




「我こそが『常闇の主(ヴァンパイアロード)』だ。矮小なる人間よ、恐れおのの──」


「聖天」


「グギャァァァァァァ!?」





~第六階層~




(わたくし)はエルダーリッチーの──」


「聖天」


「ウグァァァァァァァァ!」





~一気に飛んで第八階層~





「余がネクロマンサーの第二の臣下──」


「聖天」


「ウグッアアアア!何をする、まだ自己紹介の途中であろう!消し炭にするぞ汝等!」


「効いてない!?聖天!」


「グォェォォォォォォ!話を!話を聞けぇ!」


「くっ、さらに高位の術を使います、時間稼ぎを!」


「仕切り直して、余がネクロマンサー第二の臣下『召喚者(サモナー)』・・・・の僕のハイリッチーである。汝等、恐怖に狂うことを許可する」


「聖純浄化魔法、『昇華天(ウィル•オー)・・・・・・」


「ちょちょちょ、降参である、降参である!余はしにとうない!するから!最下層まで案内するから!」


「「「・・・・・・」」」


一同は、顔を見合わせ頷いた。







          ◇◇◇◇






「ここからいけばすぐに最下層であ・・・・です」



たどり着いたのは第三階層の岩陰。

曰く地上へ出る許可が降りた際に、この穴から上位の者は出ていくらしい。

許可とは誰の、とは思うもののこいつは知らなさそうだ。


「ご苦労」


ミーシャ、アレン、サラの順に階段状の通路を下っていく。

どんどん高度が下がっていく。が、一向に辿り着かないどころか出口も見えない。振り返れば寸分変わらぬ景色が広がっている。

何度か壁をぶち破るか、と思ったが十分なスペースがないため威力が足りず、ヒビすら入らない。


「引き返しましょう。騙された可能性が高いです」


「うん、そうだね。サラ、戻る・・・・よ・・・・」


振り返るが、誰もいない。

慌てて正面に視線を戻しても同様だ。


「・・・・え?」


分断されたらしい。




×××××




「引き返しましょう。騙された可能性が高いです」


「うん、そうだね。サラ──」


沈黙。


「どうしました?」


と振り返るも誰もいない。そこで、敵の罠にかかっていたとようやく気づくことができた。


「非常にまずいですね」




×××××




「引き返しましょう。騙された可能性が高いです」


引き返す、という言葉を聞き振り返って安全を確認する。最後尾である自分の当然の責務だ。


「うん、そうだね──」


「?」


突然周囲から音が消え、何事かと振り返る。

3人は、別々の場所に分断された。

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