2 ランクあげあげ
1話を投稿したのが約10か月まえの10分後だ・・・・
「・・・え?」
イケメンくんがあっけに取られる。聞き間違いとかじゃねーから。
「失礼、んもう一回ぃいですか?」
「帰れと言ったんです。ランク差でパーティーとか無理ですし、そもそもその喋り方なんなんですか?」
やっと声をかけてきた男が腹の立つ喋り方、低いランクだったため、落胆から少女はキレてしまった。
パーティーは上下1ランク以上差があると組めない。つまり、DではBとは組めないのだ。
「そ、そこをなんと「無理です」だよね」
しかし、少女は思う。一つでもランクが上がれば組めるのなら、ランク上げに付き合えばいいのでは?と。
☆☆☆
「そんなわけで墓地に来ました」
「何がそんなわけなのか聞いても?」
『え!わかんないの?うっわww』とは思いつつも口には出さない。早速ゾンビやレイスなどのアンデッドが襲ってくるので、後ろから軽く浄化をかけて弱らせる。そしてそこをイケメンくんが剣で斬る、斬る、斬る。
しかし、倒れない。アンデッド討伐は、実は不人気なのだが、それには理由がある。まず全ての個体がタフなのが1番の理由で、そもそも一度でも浄化をかけないと攻撃が通らないため、僧侶や神官は必須なのだ。
「ふっ、そりゃ!」
爽やか(?)な汗を流しながら剣を振るうのは様になっており、金髪が靡いて美しく見える。背景がアレなのでプラマイゼロだが。
【規定数を満たしました。依頼完了とみなします。】
【条件を満たしました。剣士 アレン=リリアスのランクが上がりました。】
クエスト板(依頼を管理する板)から無機質な声が響く。
どうやらイケメンくんの名はアレン=リリアスというらしい。少し可愛らしく聞こえるのは気のせいだろうか。
なぜこんな短時間でランクが上がったのかと言えば、アンデッド狩りは難易度が高く、ギルドへの貢献度も高い。
「さて、掃除しますよ」
「え?」
せっかく来たなら綺麗にしていく。その徹底ぶり故に彼女のギルドでの評価は高く、ギルド員のお姉さん方に可愛がられている。
少女が箒を持ち、枯れ草などを履こうとすると、先ほどの2倍の大きさのゾンビが現れた。
アレンは慌てて走り出すが、間に合わない。そう思った時だった。
「せいっ!!」
少女が戦棍を横に薙ぐと、ゾンビは吹き飛んだ。
「──え?」
「え?」
少女は、強かった。