悲雨さんの命の歌。 夏の作品。
悲雨さんの命の歌。 夏の作品。
苦しみのつらら雨黒い音を響く鈍く募る愛の冷たさ
枯れ木の燃え落ちた灰の赤い芽は癒え痛い冷たさに意識が霞み夢うつつ
幻は鮮明なぼやけにじんだインクの紙一枚の私の意識に馴染み呆け蕩ける神経液薬と化し
頭が冷や水の湖となる体の緩く鈍り取れ落ちる紙の束達。
川の中を意識と水が二つだけその青と乳白色がわからずに流れていく
水に溶けた意識は木に吸われ体から骨が離れていく髄が抜ける音がずるずると伸びる
髪の流れのようにわからないものが剥がれていく取れていく小さくなっていく
記憶すらもあたまに馴染み染まり滲んでいく
言葉が抜けていく景色が広がっていく
液体と私。
雨が降る町が伸びる水溜まりの池が沈んでいく深海の鯨が鳴き響く刺激に脳を忘れ。
起きようと手を上げる心が尽きて死への拒否感は水に薄まり吸われていき雨音に掻き消されていく。
なくなる生涯をぼんやりと眺め一粒の水彩画の一雫に滲み私を描いていく
豊かに色調が彩り記憶の色が塗られる。
私は愛の色しか知らないおぼえていない皆の苦しみと幸せの不幸な景色の愛のインクの滲みその液体に彩る嬉しい私。