益々怪しげな体力測定
(ジャングルかぁ・・。
はああ・・これから何が始まるんだろう・・?)
予想打にしない状況に気落ちしていたマキナだったが、ジャングルと言えば、あれだよね?っと、ふと子供の頃から憧れているあれを思い出した。
「はい!ウォーミングアップとして、ターザンやりたりです!」
マキナは手を上げ、勢い良く空中パネルに向かって要望を伝えた。
(ジャングルと言えばターザンでしょ!やってみたかったんだよね〜)
『蔦渡りの事で良いでしょうか?』
「はい!そうです!」
『かしこまりました。只今準備します』
マキナの問いかけに、空中パネルが応えた。
「やった!ターザンがやれる」
気落ちしていたマキナだったが、蔦渡りの要望が通った為、一気にテンションが上がりだした。
VRのジャングル空間に程よい蔦が現れた。
「ウホッ、ウホウホッ」
数頭のゴリラが現れ、やり方を見せるかの様に、蔦に掴まり、蔦から蔦へと移りながら進み、程よく進んだ後、回っては引返してきて、マキナにやり方を見せるかの様にアピールし始めた。
「天童マキナさん、ゴリラの真似をしながら、蔦から蔦へと渡ってみてください」
AIアナウンスがマキナに指示を出した。
「はい!ありがとうございます!」
マキナはご機嫌で蔦に捕まり、流石はマキナ、運動神経抜群なのだ。直ぐにゴリラと同じようにやってのけた。
「アッアア〜〜!!」
マキナは、ゴリラ達に混ざりながら、数分程ターザン気分で叫びながらその工程を楽しんだ。
「天童マキナさん、ウォーミングアップを終了して、次の工程を進めても宜しいでしょうか?」
マキナが蔦から降りた所で、次の工程に進むAIアナウンスが流れた。ゴリラ達もいつの間にいなくなっていた。
「はい!大丈夫です」
「それでは天童マキナさん、ジャングルを進んでください」
マキナはAIアナウンスの指示通りにジャングルを進み始めた。
「鳥とか動物の鳴き声がするから、結構本格的なジャングルに寄せてる感じだな〜」
マキナは落ち着いてきた為、VRのジャングルを冷静に観察し始めていた。その時、ピコッと音がなり、空中パネルに指示が表示される。
『ここから、次の段階に進むまで指示はなくなります。迫りくる難関を自分なりに考えて乗り越えてください。「ヘルプ」と声に出せば、3回までヘルプが使えます。説明のガイドは何回も使えます。ガイドにヒントがある可能もあるので、ヘルプの前にガイドで説明を聞いてみてください』
空中パネルと同時にAIアナウンスでも、同じ事内容が伝えられた。空中パネルが消えた後、マキナは冷静にジャングルを観察しながら。そのまま進んでみる事にした。
(なんか、落ちてるもので、使えそうな物があったら拾っておいた方が良さそうだな〜!サバイバルのあるあるだよね)
マキナはキョロキョロしたがら、落ちているものや果物の実などがないか、確認しながら進む事にした。
その時、いきなり足に何がが巻き付いた。
「ギャーーッ!!!ヘ、ヘビが足にぃーッ!!」
マキナがヘビと目が合うと、足首に巻き付いたヘビが勢い良く威嚇してきた!
「シャァァーーーッ!!」
マキナは咄嗟の事で驚いたが、祖父が生き物博士な為ヘビの対処方法は頭に入っていた。
マキナら噛みつかれない様、勢い良くヘビの頭の首部分を掴んだ。ヘビも思わずギョッとしている様だ。マキナは、足に絡みついたヘビを取り、勢い良く遠くに投げた。ヘビはあっという間にピュンと何処かに遠くの茂みの方に向かって消えていった。あ~れ~。
「ふぅ、あっぶな!
あ!これもお試しだったのかな?咄嗟にガイドとか見ないで対応しちゃったけど、こんなんで大丈夫だったのか・・?」
マキナは、咄嗟に対処方法に問題があったか気になったが、後の祭りな為流す事にした。
マキナがそのまま進んで行くと、川が見えてきた。川を渡らないと向こう岸には行けない状況の様に感じだ。幅のある川で、船も見当たらず橋も掛かっていない。どう渡るかが難関な状況だった。
「ははーん、難関とか言ってたのは、これの事だな!」
(うーん、どうしたもんか・・。
あ!ひとまずガイド聞いてみるか!)
「ガイド!この川の事教えて!」
マキナが呼ぶと、空中パネルがでてきて、川の解説を始めた。
『この川は、アマゾン川に似せた川です!設定とし
ては、長さは約6992km、深さ100mとなり、現在位置している場所では、幅は細みで約25mとなっています』
(アマゾン川・・。
ピラニアとかワニがいる設定って事か・・。
こりゃあ、簡単には渡れない、一筋縄ではいかない感じだな・・(トホホ))