怪しい体力測定
「一旦終了です。天童マキナさん、隣の休憩室に移動してください」
マキナはAIアナウンスに休憩室に移動する様に指示された。水の入った水筒を渡されて、水分をとった後、休憩室のベッドに横になる様に指示された。
体育館の地下の暗闇で、マキナの様子とデータ取っている人物がいた。マキナに声をかけた、あの美人眼鏡教師だ。
「これは、凄いわ!思ってた以上だわ!」
美人教師は、マキナの様子に目を輝かせ、即座に通信を飛ばした。
「ターゲットは予想以上です。本日確保しますか?」
「ええ、そうしてちょうだい」
「では、確保します!」
美人教師はその言葉と共に、緊急事態に押すかの様な赤いボタンを勢い良く押した。
押された赤いボタンによって、マキナが寝ている休憩室のベッドがいきなりメッキの様な物でカプセル状に覆われ、勢い良く動き出した。
「え!?何ナニナニッ!?急に動き出したぁ!まだ、何かあんのぉ!??」
高速でベッドが移動してるのがわかるが、メッキの様な物に覆われていて、外の様子がわからないようになっていた。
(ノエルも置いて来ちゃったし、全然状態がわかんないわ!ああ〜!なんかもう、詰んだなコレ・・!詰んだわ・・)
マキナは予想外の展開に半ばあきらめ気味になり、仰向けになったまま、事態を飲み込む事にした。
※※※
通信に応え指示を出していた相手は、ムーディーな豪華な部屋に、洋風のレトロ豪華な真っ赤な椅子に腰掛けた、半裸のグラサン黒マッチョの男の太腿の上に、ネグリジェを着た状態で、抱えられる様にのっており、片手のワインを揺らしながら、甘い声で囁いた。
「ジョディ、仕事が入ったわ」
ネグリジェから、お色気たっぷりの真紅の口紅に、全身タイトな黒のキャットスーツを身にまとい、胸元を開け、おしげもなくグラマラスを見せつける様な峰不○子ばりの金髪ソバージュのボイン美女がサングラスをかけ、高級感たっぷりのSSバイクの様な見た目の真紅のフライバイクにまたがり、フライバイクを起動させた。
「行ってくるわ」
「いってらしゃいませ!お嬢様!」
半裸グラサン黒マッチョは玄関で敬礼をしながら、フライバイクにまたがり、豪邸のだだっ広いアプローチを勢い良く走りだした金髪ボイングラマラス美女を見送った。
センサーがタンミング良く豪邸の豪華な門を開き、金髪ソバージュをなびかせながら、金髪ボイングラマラス美女は、颯爽と道路に飛び出した。
(・・フフッ、ようやくねぇ。面白くなりそうだわぁ)
金髪ボイン美女は、スカイバイクのハンドルひねり、更にスピードを上げた。地上道路をひと通り走った後、空中を飛び、空中トンネルに移動した。空中トンネルは地形を沿う必要がなく、一直線で目的地に向かえ近道となる。再びスカイバイクのスピードを上げて、勢い良く空中トンネルを駆け抜けた。
「今向かってるわ!まだ元気そうだったら、アスレチックでもてなしてあげて」
金髪ボイン美女は、スカイバイクに乗りながら、サングラスに付いた通信機で新たな指示を出した。
「ラジャ!」
指示を受けた美人教師は、空間パネルに素早く何かを打ち込んだ。
メッキに覆われたベッドに、仰向け状態のマキナは、ベッドの動きが停止したまま、待機状態となっていた。
(・・こりゃあ、ベッド毎何かで移動してるわ・・)
マキナの予想通り、マキナを乗せた休憩室のベッドは、無人ジェット機で学校から出て移動中だった。
(何がなんだか・・どうゆう事?もしかして、病気が見つかったとか!?)
何もわからないまま、ベッドに仰向け状態でそのままでいると、良からぬ考えが浮かんできて、悶々としていた。
無人ジェット機は何処に着陸し、マキナを乗せたベッドは再び動きだし、止まった。
「・・目的地に着いたのか?」
マキナは体感で、何処かに到着した事はわかった。
一呼吸着いた瞬間、覆われていたメッキの様な物が開き、光が差し込んできた。若干の眩しさに目を細めながら、ベッドから起き上がった。
「うわぁっ!!じゃ、ジャングル!?」
マキナが辺りを見回すとベッド以外は木々や草木で覆われたジャングルの様な所にいた。
「天童マキナさん、落ち着いてください。ここは、バーチャル空間の中です。実際のジャングルではありませんので、ご安心くさい」
マキナが驚いていると、再びAIアナウンスが流れた。
「あ!バーチャルね・・」
「天童マキナさん、ここは、体感が感じられるバーチャルマシーンがセットしてありますが、クッションで保護しておりますので、安心して次の項目を進めてください」
「・・あ、まだやんのね・・(トホホ)」
「天童マキナさん、次の種目の前に、少し身体をほぐしてください」
空間パネルに『自由に身体ほぐしてイイヨ★』と表示された。なんか、急にフランク感出てきたね。と感じつつ、マキナは、自分がいつもやっているやり方で、自由に身体を伸ばした。