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第1話 異世界転生前騒動

主人公が最強の異世界転生(転移)物です。

男の娘メイドから来てくれた人ありがとうございます。

そちらの方もよろしくお願いします。

天馬巧(てんまたくみ)さん、残念ですが貴方は死んでしまいました」


「あれ?」


 ここはどこだ? 俺は信号を無視して突っ込んできたトラックに轢かれたはずだ。まぁ確かにあれは流石に死ぬだろうと思ったし、なんなら走馬灯だって見えた。天国のじーちゃんが川の向こうで手を振ってる光景だった。いや、それは走馬灯じゃなくてただの幻覚か。


 で、ここは一体どこなんだ。天国? 死後の世界? この頭に輪っかをつけたいかにもっぽい人はどちら様?


「天使っぽいではなく天使です。まぁ宗派によっては女神と呼ばれたりもするんですが……ってそんなことはどうでもいいですか」


「俺、口に出してました?」


「ここに来た人の大半は同じ反応なんで」


 あぁね。じゃあ別に心を読まれてるとかそういうわけじゃないのか。なんだよびびらせやがって。なら、コンセンサス天使とかステレオタイプ天使って心の中で呼んでもバレないのね。


「ちなみに私の格好は貴方の思い浮かべる天使像をそのまま反映しているだけなので、見る人によってはまた別の格好になります」


 ふむ。あぁ、確かに頭の上に輪っかがあって白い服を着ていてっていう俺のイメージ通りの格好だ。あ、でも絵画とか彫刻の天使っていうと裸のイメージもあるな。


「うわぁぁぁ!!! このバカ! 何を想像してやがりますか!」


 その瞬間に自称天使さんの服が弾け飛んだ。なんだ何が起こった!? まぁなんにせよ……。


「嬉しいハプニングだなぁ」


「何を冷静に言ってるんですか! もどして! っておいコラ! 誰がキツネ耳つけろって言った! あぁぁぁごめんなさい許してください戻してください」


 なんだこの人面白いな。


「はぁ……これまで動揺したり発狂したりした人はいましたけど、こんな抜け道みたいな方法で脱がしてきた人は初めてですよ」


 え、これみんなやらないの? 誰でも思いつきそうなもんだけど。


「あああ、どっと疲れた……。ふぅ、では気を取り直して。天馬巧さん、残念ですが貴方は死んでしまいました」


あぁ、今までのやりとり全部無かったことにするのね。まぁ俺も次のやり取りに行きたいからここは合わせてみるか。


「それでここはどこなんだ?」


「ちょぉぉいサクサクいこうとするな! 敬語も消えてるし! あぁぁやめて脱がさないで」


 いや、ただでさえ話が遅いからサクサクいこうとしてるのに脱がしたらまた脱線するだろ。


「ごほん、ここは輪廻転生の祠です。死んでしまった貴方には転生のチャンスがあります」


「転生ねぇ……」


「そうです。貴方に転生してもらう世界は、剣と魔法のファンタジー世界!」


 つまりよくあるゲームみたいな世界ってことか。


「現代日本の生活水準と比較するとすっごい暮らしにくいんだろうなぁ」


「げ、現実見えてるねぇ……まぁそこで好きに暮らしてください。レベルをあげて最強を目指すもよし、文明開化で生活水準をあげるもよし、やりたいようにすればいいよ」


「え? なんか使命とか無いんですか?」


 これがゲームなら魔王を倒しなさいとか、世界を救いなさいとか。


「無いんだなぁこれが。まぁこれは神様の手違いで不運な人生を送った貴方への謝罪の菓子折り転生みたいなもんだから」


 いや、その概念は知らない。というか、俺の不運って神様の手違いだったの!?


「えーっと、称号『異世界人』を付与。向こうについたら、まずステータスって言ってね」


「ちょっと待って!? サクサク行こうとしないでくれませんかねぇ!?」


「大丈夫、こんな抜け道紛いの悪知恵をすぐ思いつく貴方なら上手くやっていける! はい、いってらっしゃーい!」


「ちょぉぉおおおおい!!!」


 なんで落とし穴ぁぁあああ!!!??? 魔法がある世界なんだろ!? 移動方法もっとファンタジー感だしてくれ!? クソ、せめてもの反抗じゃい!


「脱がすなぁぁぁ!!!」


 よし、上手くいった。じーちゃん、どうやらそっちに行くのはまだ後になりそうです。というか、異世界で死んだらこっちの天国行けるのかな? いや、こっちの天国ってなんだよ。


 そんな馬鹿なことを考えていたら俺の意識は落ちた。

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