もしも、ヒロインズやティーチャーズがあの輪っかゲームをしてみたら
今は昔、滅多に電車が来ない駅が舞台のパペット番組に、名物コーナーがあった。登場人物が手を繋ぎ、輪になって山手線ゲームをする、という単純な内容である。
「輪の英訳」と、答える順番が「さあ来る」を掛けてあるとかそうでないとか。
不正解で止まるのがオチであるが、不正解をした人物の様子や、どういう答え方をしたのか、に笑いの要素が詰まっている。時々、いわゆる「中の人」の素の反応が出てしまうのも面白さのひとつである。
空満大学では「わー(輪)くるゲーム」の名で広まっていた。
わーくる わーくる お次はだあれ?
わーくる わーくる はじめましょう
「お題を出すのは、私! 安達太良まゆみよ。今日は如月十四日だから、チョコレートでいきましょ。さあて、どんなチョコがあるかしら、一、二、三、はい!」
ふみか「アーモンド入り(チョコレート)」
唯音「ウイスキーボンボン……」
華火「板チョコっ!」
夕陽「トリュフショコラ」
萌子「惑星チョコ⭐︎」
ふみか「いちごがけ」
唯音「ガナッシュ……」
華火「チョコバナナ!」
夕陽「オレンジピールチョコレート」
萌子「チョコ納豆デス」
萌子、不正解!
萌子「ネバネバが意外とミルクチョコに合いマスよ」
華火「そっちの納豆かよっ!」
唯音「甘納豆、ではない……?」
ふみか「甘納豆と納豆は全然違いますよ」
夕陽「甘納豆の見た目が、遠州名物の浜名納豆に似ているから、甘名納糖て呼ばれて、甘納豆になったんやよぉ」
わーくる わーくる お次はだあれ?
わーくる わーくる はじめましょう
「空満大学文学部日本文学国語学科の宇治紘子です! 今回のお題は、乗り物です!! 皆様は、移動に何を使われていますか? 一、二、三、どうぞ!!」
まゆみ「バイク」
土御門「牛車」
近松「普通車」
エリス「近松先生」
エリス、不正解!
まゆみ「どういう意味ですの、近松先生」
土御門「さやうな冗談は、夜にしてくれへんか」
エリス「探している文献が本棚の高い所にある際、乗っているのである」
近松「森君の踏み具合が、ちょうど好いのだよ……ちょうどね」
わーくる わーくる お次はだあれ?
わーくる わーくる はじめましょう
「安達太良まゆみよ、再び、お題を出すわ。『萬葉集』の歌人でいくわよ! ヒロインズには、簡単かしらね。一、二、三、はい!」
華火「持統天皇っ」
夕陽「石上宅嗣さん」
萌子「山上憶良⭐︎」
ふみか「大伴家持」
唯音「額田王……」
華火「鏡王女!」
夕陽「大伴坂上郎女さん」
萌子「柿本人麻呂っス」
ふみか「高橋虫麻呂」
唯音「おかか味の、マシマロ……」
唯音、不正解!
ふみか「韻を踏みましたね」
萌子「魚ノにおいガしソウっスな」
華火「渋い路線の味じゃねえか?」
夕陽「マシュマロやなくて、マシマロがポイントなんですよぉ」
唯音「おやつ、欲しい……です」




