日本文学課外研究部隊 寸劇「辛(から)しい酔い」
作:本居 夕陽
うっとうしく、鈍く照る太陽に、風が吹いている朝。わたしは目を閉じて、昨夜の過ちを悲しむ。
わたし「厭なことを忘れたかった。忘れるために飲んで、何が悪い。たったの六杯だ。六杯。それなのに、なぜ、胸が焼けるのだ」
外の風が、わたしには天使の笑い声に聞こえた。
天使その一「あれだけ浴びるように飲めば、気持ち悪くなるでせう」
天使その二「たったの六杯? 飲み過ぎだらう」
天使その三「悲劇の主人公ぶって、哀れなやつ」
天使その四「笑って慰めてあげませう、ダムダムダムダム」
わたし「ふ、ふふふ、笑ってくれ。わたしは愚かだった。胃を満たしたそれは、とっくに水とともに流してやったさ。ううう、頭が、痛い……痛いぃ……」
天使は、わたしの求めるとおりに、嘲笑ってくれた。
天使その四「ダムダムダムダム、舌と喉も焼けてしまえばいいわ」
天使その三「レッド、ブルー、グリーン、イエロー、ピンク、ホワイト、楽しむだけ楽しんで、飲みつぶれたやつめ」
天使その二「あんな脂っぽい物を、飲むのだとか、気が触れている」
天使その一「米と飲みこむやつが、あるか?」
わたし「ああ、そうさ……わたしは、愚かだ。全種類ためしてみたくなるじゃないか。カレー食べ放題に惹かれない輩が、どこにいる」
【出演】
わたし:安達太良まゆみ
天使その一:大和ふみか
天使その二:仁科唯音
天使その三:夏祭華火
天使その四:与謝野・C・萌子




