ものぐるほしきことども第三部 序にかえて ~安達太良(あだたら) まゆみのひとりごと~
お昼はやっぱり、カレーライスよね! 野菜でしょ、お肉でしょ、スパイスでしょ、お米でしょ、栄養満点じゃないの。作り方だって簡単! 美味しくないカレーライスができたなんて、聞いたためしがないわ。
私ぐらいのいい年になると、頭の回りが鈍うくなってくるから、辛味という名の鞭を打ってやらないと、やっていけないのよねー。カレー抜きで論文を書けるものですか。若人の限りなき才気には、舌を巻いてしまうわよ。文学PRの寸劇、ついに隊員が一から書く日が来たのだもの。これまでは、私の考えた筋に、演出を加えてくれていたんだけど、全面的におまかせできるようになるなんてねー。大和さん、仁科さん、夏祭さん、本居さん、与謝野さんの成長、げにめざまし。
ふふっ、でもごめんね、私は大人は大人でも、諦めの悪きをこなる大人だから、あなた達に押されっぱなしにはさせないの。「スーパーヒロインズ!」、見ていなさいな、司令官・安達太良まゆみは『萬葉集』に代行して、あなた達の寸劇を演じきってみせるわ! ふふっ、ふふふふっ、ふふふふふふっ!
空満大学 文学部 日本文学国語学科
准教授 安達太良まゆみ
(日本文学課外研究部隊・顧問兼司令官)
※このひとりごとは、空満大学国原キャンパス秋津館一階食堂にて、拝聴しました。安達太良先生の左隣の席には、「翻刻の翁」が、青垣山盛りカレーを三分の一召しあがったところで降参されて伏せっていました。同じ物を頼まれていました安達太良先生は、翁の残りまで完食したとのこと。




