あとがき(めいたもの)― スーパーヒロインズ! ものぐるほしきことども第四部 ―
改めまして、八十島そらです。ものぐるほしきことども、略してものぐる、おかげさまで完結しました。応援、ありがとうございました。
それでは、つらつら語ってまいりましょう。
第十六段:もう二度と、古都
題名の下敷きは、歌「もう一度京都」
思い浮かんだ色はキャラメルです。
「グレートヒロインズ!」とふみかを鍋にかけてみたら、甘くてほろ苦い味になりました。八ツ橋は、本来の焼いた方が好きです。女子大学に通う人を観察してみますと、日傘・スカート率が高くて、頬を赤らめてしまいました。私は参考資料を読みに、図書館へ来ただけなのです。場違いですみません。
第十七段:初春の めでたく椿 おさめけり
題名の下敷きは、私の祖父が遺した句
思い浮かんだ色は椿色です。
新しい服を着て、新年の挨拶をしたあの幼き日が、また遠くなりました。そんなわけではないのに、地球上の空気が睦月一日に新しく入れ替わった感じがするのです。お雑煮は、心身ともに温まりますよね。全国のお雑煮をいただけるお祭りはありませんか? 専用箸を持って、伺います。
第十八段:橘は朽ち果てない
題名の基になった作品は『古事記』
思い浮かんだ色は蜜柑色・マンダリンオレンジです。
冬至の思い出をひとつ。湯船に浮かべていた柚子を絞り、何十倍にも薄められた大量柚子ジュースの中に体を沈めて、酸っぱさと香りを楽しみました。居間に戻ると、なぜか保護者にばれてしまって、油を絞られました。「この人ならやりかねない」と最初から疑われていたのでしょう。あまり信用されていないようで、私は少し胸が痛みました。
第十九段:名に弓とる者ども
題名の基になった作品は『徒然草』第九十二段
思い浮かんだ色は藤色です。
ある規則にしたがって、人物の名前を考えることは、意外にも苦労するのです。例えば、安達太良家の人々は「弓」に関係する、「グレートヒロインズ!」の隊員は「スーパーヒロインズ!」隊員に対応する(または対義語を使う)ように、という具合にです。真弓春彦さんについては、張彦、にする予定でしたが、春のように心が柔らかな人でありますように、と願いをかけてこの表記にしました。親になった気分でございます。
第二十段:けふ咲く花の いやしけ吉事
題名の基になった和歌は『萬葉集』巻第二十・第四五一六番歌、最後を飾る一首です。
思い浮かんだ色は春の色(花・草木・空・川など、春に見える感じるものの色)です。
内嶺県は、いわゆる海無し県でして、ふみかをはじめ海に憧れる人が少なくないのです。ヒロインズは砂浜で貝拾いをしたり、お城を作ったりしたのでしょうか。まゆみ先生と同じ年代になったヒロインズが、久々に集まって飲んでいる光景を見られたら良いなと思います。
「スーパーヒロインズ!」に、お疲れ様、を込めて。これをもって、結びのあとがき(めいたもの)とさせていただきます。