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こどもの碑

作者: 天理妙我

冤罪なんだよ限界だよ

先輩なんだろ連帯かよ

先送りされてきた痛み

解読しかけていた兆し

遠慮深い言葉をせめて面目ない

面倒臭い貴方にはそこが天国かい

塞いだ耳に響く「負債だ」

歌いな僕たちは「無罪だ」


そりゃ放射能は恐れたいけど

原始時代には戻れないでしょ

電力は大量消費が原則

全力で踏み込まなければ減速

経済活動の停滞

弊害は都合の体裁

安定よりも暫定の繁栄を歓迎

反省よりも賛成と歓声のRunway


いつか朽ち果てるのは解っていたが

いつかに任せて誰もが黙っていたな

所詮は他人の不幸なら

いつでも理解の向こう側

銃声を響かした習性

修正も意味ないな終生

大丈夫 未来に不可能はないさ

サイボーグみたいに歌おうじゃないか




東京Callingこちら21世紀

未来から苦情が届きました一斉に

それらは現状打破を頼み込んだ

いつでも隣の芝は青いもんな

こっちだってギリギリの現状維持

環境にもたらす影響の検証記事

ありとあらゆるものを機械化すれば

そんな近代の夢想は期待外れだ


まだ増え続けてる核のゴミ

待ち受けてるのは悪路のみ

満ち足りていても物足りないよ意味ないね

起死回生でも言葉次第と息巻いて

吐いてまた掃いて

撒いてくだ巻いて

お似合いの未来

折り合いを見たい


原罪を負って現在

返済を以って連敗

あなた方の誤解だって

お歴々はほら威張って

何の根拠もなく苦し紛れ

帰宅可能だってフクシマにね

ごっこ遊びコスプレ姿の神様で

ちょっと明日の貯金を借りただけ


化石燃料になった何億もの命

一瞬で吸い尽くして満足? 面白い?

未来の血肉を削って無尽蔵の埋蔵金

またもや財政収支は繰り返し再更新

罪と罰とを弄んで気分だけは最高神

神に似せて創られたその上の改良品

未来にはスカスカの残りカスを

きっとミラクルが起こりますよ


逃走犯の姿を捉えた防犯カメラ

安心安全を売り文句に好感は得た

よく話に聞く監視社会って

中国みたいな感じじゃないっけ

コソコソする奴の報告 簡単だろ

そうした貢献が道徳観なんだよ

見守っている眼差しはどこまでも温かく

そう信じて疑わないお前らに腹が立つ


統治機構の理想像

総理希望も非合法

ならば解釈の変更

さらば介錯の伝統

大衆性に同調

最終兵器登場

統計・投機・不足・消費 延命治療

防衛装備 武力行使 先制使用


積極的平和主義のお通りだ

醜い屍の上を舗装しな

正義を振りかざし人類は総白痴

理性を売り払い壮大な大博打

勝った勝ったで快楽を享受

張った張ったでライバルと勝負

未来には残った絞りカスを

どうぞ幸運を祈りますよ




どうしようもなくてこちら終末期

逃避行の末にReaperの収穫期

僕らの命の先物取引の結末

弄ばれた僕ら 価値の欠落

物貰いだよ今日食べるものもない

お友達らとそう喋るこどもたち

あれに見えるは処刑台かい

どう考えてもそれ以外ない


カウントダウンがチクタク

誰かが交わした密約

いつまでも被害者が蚊帳の外だな

叫びなさいリタイアは腹の底から

悪気がなければ裁かれもしないなら

天罰ってやつを 働けおい神様

お行儀よく餌を待つだけ

甘いビスケットにさあ集まれ


壊れて見えない望遠鏡

必死に探した桃源郷

産まれついたどん底を

ぶち壊すんだ今度こそ

口八丁の無礼で

無事脱走を夢見て

この旋律は脚韻詩

この鉛筆が爆心地


磨き上げたスタイルですが

出来上がりは不細工ですか

どうも皆様こんばんは

今日の今から本番だ

救いを求めた雲の上

そこにあったのは蜘蛛の巣で

糸をたらすのはお釈迦様?

絡め取るのはどなた様?




創造の七日間こちら創世代

数千年先の人類は聡明かい

泥を捏ねて作った土くれ

神が生命の息吹を口付け

傑作だから別格

折角ならば結託

ところが奴が匙を投げ出せば

地上は見る間に荒れ果てた


ならば神の捨て子に過ぎない道理

だから愛の夢を見すぎないように

始まりのその時から右往左往さ

曖昧もお揃いなら無能だろうな

父を気取ったJesus

自主独立と言い出す

言い渡される極刑

虐げられて滑稽




いつの間に大人になった僕たち

右に倣えで我が子に負ぶさり

背負われて十字架の格好

そういう風刺画の発想

溜まりに溜まった過去のお仕置き

僕だけが被るなんて懲り懲り

僕たちも共犯者

本当はどうなんだ

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― 新着の感想 ―
[良い点] こういう詩、ラップかなにかの歌詞にありそうで、すごいです。 現実への風刺のようで 未来からの警告のようで 政治への皮肉のようで 宗教めいた価値観のようで 散らかっているようで繋がってい…
[良い点] また読んでしまいました! やっぱすごいですよ! キレッキレですね! すごい! [一言] 今回は秋の桜子さんの割烹から来ました!
[良い点] 企画より拝読いたしました。 韻を踏んでいてラップのような作品ですね。 でもボリュームはしっかりとしていて完成度が高いです。 正直ラップは苦手ですが、それはそれとしてすんなりと頭に入ってき…
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