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みんながドリルに向かって頑張る中、そろそろご飯の準備も兼ねてはしまきとわたあめを作ってみようかと思い、声をかけたのは昨日からなにかと手伝ってくれるキヌアくんだった。
「キヌアさん、市に向けて、はしまきとわたあめを作る練習をしたいんですけど、キヌアさんの他に2~3人、普段から食事の用意を手伝い慣れてる子っていますか?」
昨日、手伝ってもらったときの手際の良さからいうと、私の中ではキヌアくんは、はしまき担当決定で、あとは同じくらい器用な子がいてくれたら楽なんだけど。
「それなんだけど、昨日僕たちで話あって、はしまきは僕と、シソとオリブで、わたあめはチコリーとアワが中心になってできたらと思ってるんだ」
そういって紹介された、はしまき担当組は年長の男の子2人で、アワちゃんはチコリーさんより少しお姉さんっぽい猫の獣人さんだった。
「キヌアからわたあめは簡単に作れるって聞いたんだけど私でもできるかな」
「機械からでてくるのを巻き取るだけなので慣れれば簡単にできると思います。わたあめの方は2人が作りつつ、あとはお金のやり取りをする子が1人と商品を渡す子が1人。さらに休憩をまわせるように1人とで5人は欲しいと思ってるんですけど」
「わかった。誰に頼むかはこっちで決めていい?」
「お願いします」
本当は綺麗なお姉さんっぽいアワちゃんや可愛いチコリーちゃんが売り子にまわってくれたほうが良いんじゃないかなと内心思いもしたけれど、小さな子たちが頑張っている姿もそれはそれで良いだろうし、問題ないだろう。
ちなみに万が一、行列になるようなことがあればすぐに量産できるようにわたあめ機を複製しておけば2人同時に作れるので問題ないだろう。
「はしまきはわたあめより作るのが難しいので練習を兼ねて今日作ってみましょう。常に2人以上で焼いてもらい、こちらもお金担当、商品を渡す担当がそれぞれ1人ずつと、あと交代要員にさらに2人は欲しいです」
「2人?」
「ええ。こちらは火を使う分、熱くなりますので、こまめに休憩をとるようにしてください」
時期的に熱中症を考えるような頃ではないけれど、慣れない作業は思う以上に身体に負担がかかるし、みんなにはできるだけ無理のない範囲で楽しんでもらいたいなと思うんだよね。
「それと3人の中で一番体力がある子はできれば、はしまきではなく餅のほうを担当してもらいたいと思います」
「餅?」
「ええ、朝みんなに食べてもらったあの白い食べ物です。それをお客さんの目の前で作ることで人を集められないかなと思ってて」
はしまきもわたあめも実際お客さんの目の前で作りたてを渡すわけだけど、作っているところを見せるという見た目のインパクトはどう考えても餅つきがトップだろう。
見るからに力のありそうなオネエさんなムギさんと、もう一人力のある子にお客さんの目の前でついて貰って、できれば午前と午後の2回、客寄せにパフォーマンスできればと思ってるんだよね。
「あれも売るの!?」
「え、あれってそんなに簡単に作れるものなの?」
「作り方自体は非常に単純で簡単ですが、力と時間はかかります。なのでできればより力の強い方を餅の手伝いにしていただいて、手先の器用な方をはしまきにしていただけると助かります」
「じゃ、オリブが餅でシソと俺がはしまきだな。あと、手先が器用っていうと…カキノかな?」
「だな。力仕事なら俺にまかせてくれ!」
「ちょ、ちょっとまって俺に、はしまきは無理だよ!」
新たな名前を口にするキヌアくんに視界の端でぴくりと反応してこちらをみた兎の獣人さんがもしかしてカキノくんだろうかと思いつつ、キヌアくんの隣で力強く頷いてくれた熊の半獣っぽいオリブくんは他の子たちより一回りは大きい身体の持主で見るからに体力のありそうな子だった。
一方、戸惑うように声を上げたのはシソくんで。
「なんでだよシソ」
「大丈夫だシソ!少なくても俺よりお前のほうが器用だ!」
「オリブよりはみんな大抵器用だよ!…って、そうじゃなくて!いまナツちゃん火を使うって言ったよね?俺、魔法なんて使えないよ!」
豪快を絵に描いたように笑い飛ばすオリブくんに容赦なくツッコミを入れるシソくん達の関係性がおかしくて可愛いなぁと思わずほのぼのしてしまう。
「大丈夫ですよ、シソさん。鉄板の火は魔石を改良して使うつもりなので作る人の魔力を使うことはありません。火魔法も使えなくても大丈夫です。ただ…シソさん、火属性もってますよね?」
「え?」
「魔力はまだまだ少ないから長時間は無理かもしれませんが火力によっては魔石なんてなくても充分はしまきの製造くらいなら半日は続けられると思いますけど」
思わずさっと鑑定したところ、シソくんは魔力・体力はともに平均値。だけど器用さは大人の平均値も優に超えているし、火と雷の2つも属性をもってるっていうのは結構アピールポイントじゃないかと思ったんだけど。
え、なんでみんな静まり返って、こちらを凝視しているの……?
これ、なんてデジャブ?
「…………………ナツちゃん、もしかして鑑定できるの?」
しまった、どうやらまたやらかしたらしい。




