表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/51

35. 街角ファッションチェック〜ジェニファー視点

 



 今日の私は一味違う・・・!

 黒のミニスカートワンピースに、黒の網タイツとオレンジのハイヒール。

 さらに、頭の猫耳の間には小さな黒いシルクハットがちょこんと乗り、髪はオレンジ、背中には黒い羽。

 しかも、頑張って、胸の谷間が見えるほどにざっくりと首元が開いたスタイルで、小悪魔感を出しているの・・・!


 そこに、赤ずきんちゃんのカラー☆コスメで、耳と尻尾の色を黒に変え、瞳にはコンタクトを入れた。

 コンタクトは最近発売されたばかり。ヘアカラーや化粧品と同じく、瞳の色を変えることができて、しかも、オレンジのハートの形が浮かんでいる。アイシャドウは、アクセントカラーとして、妖艶な紫をチョイス。


 オレンジと黒で統一された、完璧なハロウィーンコスプレ!


 ハロウィーンコスプレに便乗して、セキさんにアピールしようという作戦よ。

 今日のこのハロウィーンの日に、セキさんと会えることは分かっていたからね。

 ふっふっふっふ・・・!


「ジェニファーさん、セキさんの妄想しているとこ、悪いんですけど、そろそろ本番ですよ〜。」

「分かってるわよ!」


 今日も今日とて、カメラマンはスズキ。こいつは、ハロウィーンなんか関係なく、相変わらず地味ね。


 チャット機能から、ステファニーの仕事用の声が聞こえてきたわ。


「中継のジェニファーさん!オーネンの町はいかがですか?」

「ハッピーハロウィーン!

 こちらは、赤ずきんちゃんのコスメシリーズ発祥(はっしょう)のオーネンの町ですニャン!

 ハロウィーンなのもあって、行き交う人の中にも、髪の色や肌の色を変えている人が多くいましたニャ〜。

 私も、今日は三毛猫から黒猫に変身していますニャン♪」

「本当にお似合いですねー。」


 ステファニーの全く心にもない褒め言葉が返ってきたけど、中継の周りにいた私のファン達が拍手を送ってくれて、気を取り直す。


「こちらの方にお話を聞いてみましょうニャン!

 もうカラー☆コスメは使ってみミャしたか?」


 この中継のために来てもらっていた、エルフの女性にマイクを向ける。


「はい、使ってみました。

 前は肌が白かったんですけど、今は小麦色にしました。

 ダークエルフになったら、彼氏にすごく喜ばれました♡」


 リア充、爆発しろ!を心の中で3回唱えながら、顔には一切出さない。


「ニャンと〜♡それは素敵ですニャン!

 ・・・次の方にも聞いてみますニャン。

 あなたは、カラー☆コスメは使ってみミャしたか?」


 エルフの女性の横に並ぶ、人族の女性に声をかける。


「ええ、初期設定にはないピンクゴールドの髪にしました♪

 これできっと男運も上がると思うんですよぉ。もしかしたら、モテモテになっちゃうかも♡

 だって、ピンクゴールドって、いかにも乙女ゲームの主人公じゃないですか!」


 え、私もピンクゴールドの方が良かったのかしら・・・と一瞬の気の迷いを振り払う。


「お似合いですニャン!叶うのが楽しみですニャ〜。

 ・・・こちらの男性にも聞いてみミャしょう!

 あなたも使ってみミャしたか?」


 次に、乙女ゲームの隣にいる、紫の肌の男性に声をかけた。


「は、は、はい・・・・あ、・・・。」


 まずいわ・・・!この人、ガチガチに緊張している。


「緊張しちゃってミャすか?大丈夫ですニャン。」


 緊張をほぐそうと声をかけてみたんだけど、黙りこんでしまい、ぷるぷると震えている。


 困ったわ・・・!

 まだ中継の時間が残っているのに・・・!

 しかも、生中継!どうしよう。


 その時、横を通り過ぎる人がいて、つい、その人にマイクを向けてしまった。


「通りすがりのところ、すみませんニャ!

 カラー☆コスメについてインタビューしていますニャン。

 答えてもらうことはできミャすか?」

「もしかして、ジェニファーちゃん?!

 本物もかわいい!!

 ジェニファーちゃんになら、何でも答えちゃう♡」


 スズキが機転を利かせて、撮影許可が撮れたところで、この女性へとカメラを向けた。


 やむをえず、とっさにマイクを向けてみたものの、この人を見た瞬間ヤバい!と思ったわ。


 中継の周りに集まっていた私のファンが、声なく(ざわ)めき、口パクで「きたーーー!」と言っているのが見えた・・・。


 なんと、信じられないことに、この若い()は、うさぎ獣人でバニーガールの姿をしていたの!

 それだけでも話題をかっさらうには十分なのに、今日に限って、私と衣装がもろ(かぶ)り!!さらに、私より露出度が高い!

 黒いうさ耳に、波打つ金髪のパーマ、黒いレオタード、黒い網タイツ、赤いハイヒール。口もとにホクロがあるセクシーな顔立ち・・・!


 そして、胸が・・・!

 私よりも全然大きくて巨乳、いいえ、爆乳なの!


 こんなのリアルであるわけないでしょ?!

 絶対盛ってるわよ!絶対盛ってるわよ!!絶対盛ってるわよー!!!

 同じ背格好で並んだら、比べてって言ってるようなもんじゃない(泣)


「・・・あ、インタビューだったね!

 カラーリングはしてま〜す!

 この髪、赤だったのだけど、金髪に変えちゃいました〜!

 赤もセクシーだけど、この格好にはやっぱり金髪でしょ〜?」


 どや顔で言ったバニーガールの横で、私のHPはゼロよ・・・。なんとか中継をつなぐ。


「・・・ほんと、お似合いですニャー・・・。

 他にも、両目の色を変えてオッドアイにしたドワーフ、獣魔の色を変えているテイマーもいましたニャー・・・。男性の大多数にはタトゥーが人気で、カラー☆コスメの男女を問わない人気の高さが伺えましたニャー・・・。

 スタジオにお返ししますニャー・・・。」


 スズキからOKが出たところで、どっと疲れた。

 セキさんが、さっきの中継見ちゃってたら、どうしよう・・・!


「わぁ〜!本当にジェニファーちゃんだ♡

 良かったら〜、あたしとぉ、フレンド登録してくれませんか〜?」


 中継後にバニーガールが嬉しそうに寄ってきた。


「すみませんね〜。

 ジェニファーさんは、一応、有名人ですから、フレンド登録は控えさえてもらっているんですよ〜。

 ・・・良かったら、俺とどうですか〜?」


 珍しくスズキが割って入ってきたと思ったら・・・!

 乳か・・・?!乳がそんなにいいのか・・・?!


「え〜!あたし、イケメンって、嫌いなんですよ〜☆」

「俺が?イケメンなんかじゃないと思うけど。」

「あたし、わかるんです〜。あなた、イケメン(くさ)い・・・。」


 なんか、思ってたのと違う・・・・。スズキとバニーガールが(にら)み合っている。


「まぁ、今回は引いてやる。」

「それはどうも〜。次回なんて、ないと思いますけどね〜。」


 バニーガールは不敵な笑みを見せ、さっきとは全然違う言葉遣いをした。2人が睨み合った後、バニーガールは去って行った。

 なんか、怖いんですけどー。

 私はため息と一緒に、小声で漏らす。


「・・・スズキも、どおせ巨乳がいいんでしょ・・・?」

「もしかして、嫉妬ですか?」

「そんなわけないでしょ!私にはセキさんがいるんだから!!」

「はいはい、早く帰らないと、そのセキさんが帰っちゃいますよ〜。」

「そうだった!こうしていられないわ!」


 私は、スズキとのやりとりでちょっとだけ元気を取り戻して、セキさんのいるクランの拠点へと向かった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ