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1. なんでこうなった…

 


「嘘だろ・・・」


 ショックで呆然と立ち尽くす。

 ほっぺたに手を当てると、ぷっくりした感触が伝わってきた。

 柔らかそうな茶色の髪は肩まで伸びて、茶色の瞳はぱっちりとして大きい。

 目の前の鏡に映る自分はどこからどう見ても、幼稚園児ぐらいの()()()だ。


 はっきり言おう、可愛い!!

 これが()の姿でなければ、な!!


 俺は21歳の男子大学生のはずなのに、何でこうなった・・・?

 鏡を見つめたまま、つい30分前を思い出す。


 今、ここにいるきっかけは、ようやくゲットしたゲーム「World’s(ワールド) Frontier(フロンティア)」。

 全世界で発売されて、爆発的な人気となったVRMMORPGだ。


 有名なVR企業が自信を持って発売したタイトルだけあって、’もう一つの世界’と言えるほど、よく出来た仮想現実の世界。自然や建物、生き物の完成度はもちろん、細かい味の違いまで感じられるということで話題になった。VRゲームとしては最速で1000万DLを超えた。


 最近は携帯のゲームばかりしてたけど、大学の友達のカイトの話を聞いていて、やってみたくなったのだ!品薄だったが、発売3ヶ月にしてようやくゲームを手に入れた!


 さっそく、届いたVRヘッドギアを頭にはめて、ベッドに仰向けになる。

 現在時刻は、金曜日の夜8時。

 明日は学校もバイトも休みだから、カイトとワールド・フロンティアで会おうと話をしていた。早くキャラを作って、カイトに追いつかなくては。


 ゲーム上では、現実よりも3倍も時間が長く感じられるようになっている。だから、今からプレイできる4時間は、ゲーム内では12時間!12時間も遊べる!新しいゲームへのワクワクを感じながら、俺の意識はゲームの世界へと旅立った。



 気が付くと、真っ白い部屋にいた。

 ここがキャラ作成の部屋か。


 命名画面が出て来る。本名の本条(ほんじょう) 留人(るうと)から取って、名前は’ルー’で登録した。

  年齢は、実年齢と同じでいいやと’21歳’で設定。性別も現実と変わらず、男性を選んだ。


  このゲームでは、アバターの年齢・性別・容姿のすべてを、現実と違うものに設定することができる。それで問題が全く起こらないわけではないけど、絶妙な運営と規制で、大きな問題は起こっていないらしい。その辺の安全性も、大衆受けするんだろう。


 そして、このゲームの(かなめ)とも言える職業選択に差し掛かった。ヒットの理由の1つが、職業とスキルの多さ。誰とも同じようなスキル構成にならないユニークさというのが、魅力になってるのだ。


 もう職業は決めていた。それは、魔法攻撃ができる魔法職!剣と魔法のファンタジーと言ったら、魔法だ!!

 職業リストを眺め、()()職業を選んだ。


 職業を選ぶと専門スキルが3つ与えられる。この3つのスキルは、選択することもできるが、俺は魔法さえ使えれば、それがどんなものでも構わないのでランダムに任せることにした。それに、ランダムだとレアなスキルが出ることがあるからな。


 その後は、アバターの設定へ進む。これも’ランダム’という選択をすると、職業に合った種族と容姿を選んでもらえる。


 種族は人間、エルフ、獣人、ドワーフの4種類の中から選ぶことができる。

 人間はオールラウンダータイプ。エルフは魔力・知性が高く、獣人は筋力・敏捷(びんしょう)が高い。ドワーフは器用・耐久が高い。だいたい種族のイメージ通りのステータスバランスだな。それにさらに種族スキルやパッシブスキルと言われるギフトが追加される。


 ランダムを選んだ場合は、例えば、剣士なら、筋力が高い獣人に当たりやすい。俺は魔法職を選んだので、高確率で魔力の高いエルフになるだろう。ランダムでしか出ない種族もあると言われているから、それに当たっても面白そうだな。


 というわけで、種族と容姿、それからステータスまでランダムに任せることにして、最終決定を押した。すると、まばゆい光に飲み込まれる。



 そして、実際のフィールドへとつながる船に転移された。


 VRとは思えないほど、船が揺れている!今降っている雨粒や遠くの稲光(いなびかり)、目の前の嵐の光景に釘付(くぎづ)けになった。時おり、波が甲板を超えて、水しぶきがかかる。風が全身に吹き付け、潮の匂いまでした!

 そんな中、クラシック調のゲームサウンドがすぐそこで生演奏されてるかのようなクオリティで聞こえる・・・!激しい曲調が嵐の光景を盛り上げ、まさにゲームの”主人公”になった気分だ。

 ここまでの没入感とは・・・!

 VRやべぇ・・・!


 ワールド・フロンティアの世界観では、プレイヤーは開拓者だ。新しく発見された大陸で、狩りや生産をして、未開の地を開拓していくことになっている。この船がまさにその新大陸へと向かっているというわけだ。


 しばらくして、VRの感動が落ち着いてくると、なんだか、目線が低いことに気づく。なんでだ?

 目を落として、視界に入った自分の手も小さい。ハッとして、「ステータス」と唱えると、目の前には半透明の画面が表示された。



 名前:ルー

 年齢:21歳

 種族:妖精/ブラウニー

 職業:ウィザード

 レベル : 1

 HP:40

 MP:60

 筋力:5

 敏捷:20

 耐久:5

 知性:30

 器用:70

 魅力:60

 運:70


 ギフト:

 生産品質上昇

 動物好感度上昇


 スキル:

 グリーンフィンガー(ハーブ) Lv.1、

 調合(呪い)Lv.1、

 使い魔Lv.1、

 ”未取得”、

 ”未取得”



 そして、ステータス画面から、プレイヤーがもつ機能の1つであるカメラを起動し、セルフィーモードで鏡のようにしてから、自分の全身を映して愕然とする。

 もう、(ひざ)から折れて、地に倒れこみそうなほどのショック。

 この幼女が、俺・・・?!


 色々、ツッコミたいところはあるけど、まず、ステータスの年齢は間違いなく21歳だ。なのに、なぜ子供?


 これか!?

 種族の「妖精/ブラウニー」のせいか!

 見た目が子供になるということか!

 参ったな…。

 でも、これ、レア種族じゃないか?


 ちなみに女子ではなかった。確認したら、ちゃんと()()()()


 そして、ここに来て大きな問題が・・・!スキルに攻撃魔法がない・・・!なんでだ?!幼児な姿よりも、こっちのが問題だ!!


 このゲームでは、種族から派生するパッシブスキルの”ギフト”の他に、初期設定で5つスキルを設定できる。うち、3つは、職業から派生するスキルだ。俺が予定通りの魔法使いになっていたら、この枠は「火魔法」とか「風魔法」とかになっていたはずなのに・・・。


 とにかく、グリーンフィンガーって何だ・・・。最後の2つの選択可能なスキルは、3つの職業スキルを見てから決めようとは思っていたけど、これは予想外すぎた。アバターを変えるか?いや、せっかくレア種族を引き当てたんだ。もう少し様子をみるか。

初投稿です。生暖かい目で見守ってください。

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