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11. ポーションの完成と新たな住人



 ログインしたら、すでにジャックが更地だったところを(たが)し始めていた。うちのゴブリンが働き者な件・・・。


 遅ればせながら、俺も働いた。更地の土を起こし、耕し、ジャックが種を蒔いたところに水をかけていく。前回の東の森で採取した植物や果物の種を植えている。水をかけると、グリーンフィンガーが発動して、芽が出始める。


 芽が出るのが早いことに、ジャックがぴょんぴょん()ねて喜んでいる。

 俺、グリーンフィンガー持ってて、良かったー!!


 前回芽を出した植物は、収穫できるようになっていた。早っ!!


 畑はジャックに任せて、今日もHPポーションの調合だ。採取で採った果物類に加え、畑で収穫できた物もあって、実験するための量は万全!今日はいろいろ試してみよう。


 まずは、全部入れ。クランベリー、ライチ、ブルーベリー、いちごの全部を入れてみよう。すり鉢で傷薬草と水と果物全種を擦り合わせ、火にかける。出来上がったのは、紫色のポーション。



 HPポーション:品質8 レア度1 HPを16%回復する。空腹を少々回復させる。



 効果は上がっている!畑でとれた傷薬草の品質が8に上がったためだろう。もともと、ここで野生で生えてたのが6だったから、手入れをしたことで品質が上がった。


 味はスムージーっぽいが、入れた材料全部が主張している。つまり、濃い!ポーションの苦味もあるから、甘苦い。クランベリーだけの方が酸味で味が隠れていた気がした。


 待てよ、HPポーションとジュースを混ぜるとどうなるんだろう?

 これは試してみたけど、効果が落ちて、味も良くなかった。おそらく、火に熱してポンと鳴るところに、不思議な力が発揮されてる気がする。


 うーん、全部入れがいまいちなら、今度は単品でどうだろう。ライチで調合してみた。ライチは色がつきにくいから、白く濁った感じだ。

 これは美味しく見えない・・・。

 火にかけて混ぜながら、「頼む、美味くなってくれ・・・」と、祈るような呟きが漏れた。すると、ポンっという効果音と、さらに光るエフェクトが見えた気がした。気のせいか?



 HPポーション:品質8 レア度1 HPを16%回復する。空腹をやや回復させる。



 効果は変わらないけど、空腹表現が変わった・・・?おそるおそる、飲んでみると・・・!!

 これは・・・、スポーツドリンクだ・・・!!

 ビンに入れたら、白濁した水。うん、スポドリだ。とうとう完成した!!


 試しに、もう一度作ってみたら、味が微妙にスポドリじゃない。そして、空腹表現が「空腹を少々回復させる。」に戻ってしまった。


 もしやと思い、もう一度作って、火にかける途中で「美味しくなれ」と呟いた。やはり、光るエフェクトが発生した・・・。そして、味はスポーツドリンクになった。納得できないけど、思い当たる節はある。

「調合((まじな)い)」のスキルの「(まじな)い」だ。

「美味しくなーれ(棒)」なんて、21歳男子がつぶやいても需要ねぇだろう・・・。いや、今の俺は幼児か。これで需要があっても怖いんだが。


 無意味な葛藤をしていると、ジャックが声をかけて来た。


「ルー、ナンカ、デタ」


 え?何が出たって?ジャックのもとに行くと、ジャックが(くわ)を肩にかけて担ぎ、反対の手で薬草が育っている畑の方を指差していた。

 ジャックの指の先を見ると、音が聞こえた気がした。30cmほどの薬草の影に、さらに小さい何かがうろちょろしている。静かにじっと見ると、、、1匹が出てきた。


 5cmぐらいの女の子、だと思う。三次元のこの世界で、この生き物は二次元なタッチをしていた。小さい子供が描いたような無邪気な絵。頭があって、胴体があって、手があって、足がある。顔には黒いマジックで書いたような単純な顔。

 これは脱力系のゆるキャラだな。


 その女の子が身振り手振りで何かを訴えるたびに、木琴が鳴ったような音がする。何が言いたいか分からん。じっと見てると、鑑定が仕事した。



 コロボックル:畑に住む小人。土や緑の環境を良くする。



 短い鑑定結果だったけど、だいたい察した。


 そして、もう2匹出て来た!今度はなんとなく、男の子っぽい。いや、お父さんとお兄ちゃんだ!そして、わらわら、10匹ぐらいに増えた。1匹だけ、毛玉みたいなペットもいるな。

 うん、こいつら家族だ!なんか直感でそう思った。


 そして、このコロボックル達、騒がしい。

 お兄ちゃんが、さっきからコミカルな動きをしては両手で頬を押すと、パフパフ音が鳴る。

 お母さんらしいのが喋ると、クラリネットみたいな音が聞こえる。1匹ずつ違う楽器の音が聞こえるのだ。


 全員が喋り出して、オーケストラの音出しみたいに収集つかなくなったところで、爺さんがしゃしゃり出て来た。

 ジャーーーンと盛大なシンバルの音がして、騒がしいのが()んだ。なんだ、この茶番劇。


 すると、シャーンシャーンというシンバルの抑えた音が聞こえて、


 “お前さんがこの畑の主人なのか?”


 と爺さんの前に()()が出た。字幕?!


 困惑したけど、返事をする。


「・・・そうだな、この畑の今の主人は俺だ。」


 俺が答えたことを見て、口々にコロボックルは騒ぎ出す。


 “本当にあなたが、新しい畑の主人なの?”

 “ベラはどこに行ったんじゃ?”

 “こいつ、魔女じゃないか?”

 “そんなに皆で聞いても、困ってしまうわよ!”


 また、騒がしい音で溢れ、字幕が出て来た。なんだよ、この演出。


 俺はコロボックル相手に魔女のベラが出て行った経緯と俺が代わりにここに住み始めたことを話した。もちろん、同居人のジャックも紹介する。


 “そうじゃったか。ベラはそんなことになっておったのじゃな。

 よし、わかった。我ら、コロボックルはここに住むが良いかの?

 なに、悪いようにはしない。畑に住まわせてもらえれば、お手伝いしよう”


 こうして、俺のホームにまた新たな住人が加わった。



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